お姫様は話したい―①
目が覚めるとアレスは薄暗い牢のなかにいた。
「どうしてこんな場所に…」
アレスが投獄されたのは王国の地下にある牢だった。
手には鎖がはめてあった。
(これは…魔法を封じる鎖だな…厄介だ。)
「アレス・リアム起きたか。」
見回りに来た騎士に体調の確認をされた。
屈強な男で少し身構えてしまった。
「あぁ、大丈夫だ。それにしても…やけに静かだな、この牢。」
「当り前だ。ここには極悪人しか入らないのだからな。それに今はあのお方も投獄されているしな。」
「あのお方って?」
「お前は知らなくていい。」
(自分で言ったくせに言わないのかよ!)
と心の中で突っ込むアレスだった。
■
「どうして私は投獄をされたのでしょうか…」
一人の少女が溜め息をつく。
儚げに溜め息をつくその少女は、雪のように白い肌、手入れの行き届いている清らかな清流のような水色に少し銀色が混じった髪をした美少女だった。
牢以外で見たら、誰もが二度見はするであろうほどの美しさだ。
「私の王子様はいったいどこに…」
呟く彼女は今にも消え入りそうで、とても美しかった。
■
アレスは暇だった。何もすることがなかったのだ。
(ひまだな~)
のんきなことを考えていたアレスに、一つの考えが閃いた。
(鎖。こわすか~)
そう思い、周りに見回りの騎士がいないか確認したアレスは、少し腕に力を入れた。
「あ、」
少ししか力を入れなったはずなのに、鎖は壊れてしまった。
(なんだよ…つまんねーの。)
また少し時間をおいていたが暇だった。
考えたアレスに、また一つの案を閃いく。
(何かアイリスについて手がかりがないか、探してみよう!)
そうと決まれば、無計画なアレスは外に出た。
「あ、でも体は残していくか。」
「我が幻想を作り出せ。魔法『惑わせる
あっという間にアレスそっくりの人形を作り出したアレスは姿も消す。
「姿も消した方がいいよな。」
「魔法『
「探検するぞ!」
アレスはそう意気込み暗闇の中に消えていくのだった。
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