王都
王都に着くと、そこにはたくさんの人々がいた。
商人、騎士、貴族、平民...
さすがは1000年前から続く大国だ。
これもアレスとアイリスの犠牲の上に成り立っているのだから腹立たしい。
「やっぱり王都は大きいな。」
「もちろんだよ!世界で一番繁栄していると言われているからね!」
隣ではしゃいでいるのはセレナ・ルナ―。
アンドレアと戦ったときに思ったが、セレナは異常な魔力をしている。
それになんといっても可愛らしい。アイリスとはまた違った美少女だ。
本人曰く、アレスやアイリスと一緒の15歳らしい。
セレナの美少女さに隣にいるアレスは困る。
「あの金髪の子可愛いな―。」
「あの方は四大貴族のご令嬢のセレナ様じゃないか?」
「隣に一緒に歩いてる男、顔はいいけど身だしなみが最悪ね。」
などなど、王都の注目を集めているセレナだった。
(全く、どうして俺まで避難されなきゃいけないんだ…)
「俺はあんまりこういう雰囲気の場所に来たことがないんだが、気を付けることとかあるか?」
「特にありませんが…強いて言えば私のお父さんでしょうか」
「そ、そうなのか…」
「そんなに気にしなくていいですよ、父は激務で滅多に王都にはいません!」
「それにしてもセレナ、最初はどうするつもりだ?」
セレナは可愛らしく顎に手を当て考える。
「最初は服を見に行こっか!その服だと動きにくいしね。」
そう言って王都の中を迷うことなく進むセレナ。
数十分歩くと、目の前に大きな建物があった。
「大きいな…こんなの1000年前にはなかったよ…」
「ここは貴族御用達の服屋だからね!ささ、中に入ろ~!」
中に入ると、中には大きなシャンデリアがあり、楽器が音楽を奏でていた。
金色を基調としたデザインに眩暈を覚えながら、セレナの後を追う。
「これはこれはセレナ・ルナー様。行方不明になったとルナー家の者たちが血眼になって探していましたが、ご無事で何よりです」
話しかけてきて来たのは、恰幅のいい中年の男だ。
セレナを上から下まで舐め回すような視線に苛立ちを覚えながらも、
セレナはこんなのお構いなしと言わんばかりに答える。
「色々あったんですよ、家の者に迷惑をかけてしまったのは後で謝っておきましょう。それよりも、こちらの男性に似合うような服を持ってきて。」
すると男はあからさまに嫌な顔になり、
「しかし、このような男に貴族御用達のこの店はどうかと―」
するとセレナは凄い剣幕で男を怒鳴りつけた。
「恥を知りなさい!!この方は私の命の恩人でもあり、
すると辺りに電撃が走った。
「うそだろ…あの
「1000年前からメンバーが変わらないって言われてるのに…」
「そもそもなんであの者たちを襲ったんだ?」
(面倒なことになったな…確かにあいつの態度には腹が立ったがそんなに言わなくてもよかっただろ…)
セレナの方を向くと〈言ってやったぞ!〉と言わんばかりのドヤ顔をしている。
「いいから早く服を持ってきなさい!1」
「は、はい!」
何着も着せられアレスはとても疲れていた。
しかし、流石は貴族御用達だろう。
白と黒を基調としたデザインの服はやはりセンスがいい。
「ありがとうセレナ!こんな服を着たのは初めてだよ。」
「どういたしまして!それによく似合っています。」
(かっこよく仕上がりすぎて少しびっくりした…危なく顔に出るところでした…)
「それじゃ、次は情報集めにとし図書館に行きましょうか!」
そうセレナが言うと、後ろから圧のこもった声が響いた。
「見つけたぞセレナ!それに横にいるお前は誰だ!」
後ろを向いたセレナは声を震わせる。
「お父さん…」
「—っ!」
そこにいたのはセレナの父、ニコラス・ルナーだった。
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