33回(実質29回) トランス法整備界隈、流れが早すぎて溺れそう。
ちまちまと習作公開中ですが、新作の試し書き(書き上がらずにゼロから書き直す可能性が大いにある原稿)をはじめてます。
題材の一つとして相変わらずトランスジェンダーの家族を擁する家庭、というのを盛り込んでるんですが、トランス界隈(というか戸籍上の性別変更界隈)の世間の流れが急に動き出してて、少々慌ててます。
なお、今回はこれまでで多分12を争うレベルで真面目です。
取り急ぎ、説明するにあたって、まず家庭裁判所による性別の取り扱い変更に関する概要をそのままコピペしますね。
『家庭裁判所は,性同一性障害者であって,次の1から6までの要件のいずれにも該当する者について,性別の取扱いの変更の審判をすることができます。
1,二人以上の医師により,性同一性障害であることが診断されていること
2,18歳以上であること
3,現に婚姻をしていないこと
4,現に未成年の子がいないこと
5,生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること
6,他の性別の性器の部分に近似する外観を備えていること
※ 性同一性障害者とは,法により「生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず,心理的にはそれとは別の性別であるとの持続的な確信を持ち,かつ,自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者」とされています。
※ 令和5年10月25日付け最高裁判所大法廷決定において,5の要件は憲法13条に違反し無効であるとの判断が示されています。』(――コピペ終了。)
『トランスジェンダー入門』や『トランスジェンダーと性別変更』等のごく近年出版された当事者研究本では既にある程度「いずれ起こる未来の出来事・現在進行系の出来事」として書かれているんですが、上記の5はいずれ撤廃されるだろう、という話がありました。
これにくわえて先日、6の通称「外観要件」(具体的にはトランス女性の陰茎切除)も既にホルモン療法等で「他者の目に触れたときに特段の疑問を感じないような状態」であれば手術せずとも性別変更は認められるという高裁差し戻し判決が出ました。
(実際、トランス男性の場合、ホルモン療法で陰核の肥大化によりいわゆる陰茎形成が必要ない大きさになる(※ぱっと見子供サイズのちんちん的なものがついてる感じ)という事態はおおいにあったりする。またトランス女性の場合も睾丸も陰茎もホルモン療法によって萎縮します)
個人的にこの変更は18歳のトランスさんの性別変更の困難さを大きく引き下げる出来事だと思ってます。
既にホルモン療法を受けている場合、混合診療になるので外観要件を満たす性別適合手術は全額実費になります。
大学や社会に出るタイミングで、性別変更を済ませておこうとすると、この外観要件だけで数十万の大出費とちょっとした交通事故にあったくらいの痛みや手術や術後のケアを必要とする事態に陥るわけです。
これは「高校卒業したらとりあえず親の金で車の運転免許取る」とかいう軽いノリのものではありません。
実際、大学であれば在学中に夜職で働いたり、休学して卒業年数を先送りにしてでも性別変更をして、社会に出る人というのも居たりします。
そういう「金銭面の壁」を撤廃するものになると思っています。
ただ、そうは言っても既に手術して生殖腺(卵巣や精巣)取って、外観要件(陰茎切除したりペニス形成したり)して戸籍変更してるトランスの方の中でも意見は割れてるんですよね……
私自身が当事者ではなくあくまでもアライなのであまり大きな声では言えませんが、時代は徐々に変わってます。「自身の経験という武勇伝」に固執せず、変化とその背景をたどってほしいです。
今後の世代に自分たちと同じ苦労を伝統のように強い続けるのが正しいのか、苦労させずにありのままに生きやすい未来を作ってやるのが正しいのか。
どちらがいいと思うか。そのあたりを考えてほしいです。
更に現在、3の『現に婚姻をしていないこと』という案件が現在京都家裁に申し立てられています。
これの何が問題かというと、婚姻状態で性別変更してしまうと結果的に同性婚になってしまう、という同性婚が法律上現状では通らないものが通ってしまうから、というのがあります。
(他にも4の『現に未成年の子がいないこと』というのも2008年までは『現に子がいないこと』という子供が成人していても性別変更できない状態にありました)
ここまで読めばなんとなくわかると思うのですが、戸籍上の性別変更をするということは、
「『俺は心が女だ、と言う男性』が女子トイレや女風呂に入れるという伝説」は全くもってつながらない事柄なわけですよ。
というかそんな人はただの変態か悪乗りしたバカなので追い出してください。
(そもそもまともなトランス当事者の方はトラブル避けたいですからね。
「どう見ても女性に見えないけど堂々と女子トイレを利用する人」は9割9分シス(=割り当てられた性と生活する性が一致した)女性です)
さて、話がそれましたが、「ではなぜ戸籍上の性別を変更する必要があるのか」
それこれも本人の自己満足などという安易な話ではありません。
原因としてはあらゆる身分証に「性別欄」が存在するからだったりします。
たとえば「戸籍上の性別」と「生活している性別(=見た目)」が違うトランスさんは、なにかの事務手続きで身分証を提示する際に性別欄を見られて
「この保険証、パートナーさんのと間違えてますよ」
などと言われてしまう事態が発生しうるのです。
その時カミングアウトが必要だったり、警察の聴取や空港のパスポート等のシリアス度の高い環境の場合、身分詐称を疑われて余計な取り調べを受けたりする可能性もあります。
そういう事態を避けるために社会生活の合理性、利便性の都合で性別変更が必要な方はいるわけです。
(そうはいっても、トランス排除主義者が相手の場合、「体の性=本当の性」などという価値観を振りかざして理不尽に言葉の鈍器でガンガン殴ってくるのが現代だったりします)
まあそういう感じなので、今書こうとしてる小説、書き上がる頃には「その知識、古いですよ」とか言われちゃう作品になるのではないかとヒヤヒヤしています。
(実際『しーちゃんのスカート』は4年経った今の目で見てもかなり古い作品です)
はい、そんな感じでいつものやつさらっと行きたいと思います。
アニメ感想
鬼滅……最終回で本気出すのやめてもらっていいですか? というくらい最終回がすべての感じでした。
となりの妖怪さん……元サヤにおさまるめでたしめでたしな感じで終わってほっとしました。
竜族……今後の展開にかかわるエグめの時限爆弾だけ置いて、続編を匂わせて終わる。やはりハリー・ポッターリスペクトか! と思わせる最終回でした。
・異世界スースク……まだ2話目ですが、なんか想像どおりの話が淡々と進んでます。
・ATRI……1話目です。これ恋愛アドベンチャー原作ですか? と思う空気がただよっててなんか最後まで見る自信がなくなってます。
・しかのこ……前評判がピークだったかもしれない。昔の日常系女子高生モノっぽいです。話の展開もゆっくりで少しかったるいと感じてます。『日常』級のカオスは期待しすぎたかも。
・逃げ若……よく動くさすが少年マンガ、という感じ。ただグロ描写が完全に現代のジャンプ。
・ラーメン赤猫……実は見てます。2話目で優しい声の黒田崇矢さんの弁護士とツンデレ全開の釘宮理恵さんの声を聞いて「おお、違う世界線の龍が如く」と思ってちょっと泣きそうになりました。
・NINJA KAMUI……あまり期待せずに見始めたら、個人的には大当たりの現代アメリカ忍者復讐劇。youtubeで公開されてるOP・ED映像の配信元がadult swimというカートゥーン・ネットワークの深夜枠レーベルだったのでてっきりアメリカ制作のアニメかと思ったら、ラーメン赤猫と同じ国内の制作会社という。。。
字数の関係で今回はプロレスの話は短くふたつだけ。
・都電プロレスは、都民としてとても悲しい出来事でした。(そもそも政治とか世相とか生きづらさとかそういう息苦しさから精神を解放したくてプロレスを追いかけてる身)
・都電プロレスの真裏で同じ運営母体なのに堂々と都内で興行を打つ東京女子への敬愛は深まった。
だいたいそんな感じです。
公開中の新作があまりPV伸びてなくて凹んでるけど、一応完結済みだから頑張って手直し&更新していきたいと思います。
それではまた、そう遠くないうちに~。
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