11回(実質9回) 沈黙と長いネタばらしとバスガイド。

 前回の更新から色々あって、何から書いていいのやら、という感じです。


 ……あ、テレビ朝日がやったプロレス総選挙の話はしません。

 結果だけネットで見ましたが、業界全体の動向を広く追っている週刊プロレスの年間大賞や視野の広いプロレスファンによるブログやyoutubeのほうがまだ見るに値します。


 ぶっちゃけ、「本当に凄い現役レスラー」というくくりで女子から里村明衣子選手が選外な時点でという話です。

 アジャコング選手(今年で52歳!)のように黄金時代のトップの風を知りつつも、現在も参戦先の団体の空気にあった試合ができる柔軟な選手が選外なのも遺憾です。



 とりあえず、『こえけん』に応募した作品のキャラの元ネタの話をしますか。


 ガッツリネタバレですけど、このページ見てる方は多分読んでると思いますので。



 まず、まつりさんの元ネタは東京女子の鈴芽選手をはじめとした、数名の選手です。「ふつうの子っぽいのに腹筋がすごい」と「得意技がボディアタック」は完全に鈴芽選手ですね。


 なおキャリアのモデルは居ません。

 大学生しながらプロレスラーやってた選手、という点で直近だと元東京女子の小橋マリカ選手などいますが、小橋選手はいわゆるキッズレスラーからレスラー生活を始めており、現在は大学生活を優先して、事実上の休業状態です。

 

 まつりさんの所属団体は、なんとなくサイバーファイトグループ(DDT、東京女子、ガンバレプロレス、ノアが加盟しているサイバーエージェント傘下のプロレス運営元。ノアだけ毛色が違うのですが、全体的に文化系プロレスの団体を支えるグループです)に、在りそうな架空の団体、を想定しました。


 いわゆる道場マッチ(収容人数50名前後程度の、普段は団体の練習場としている道場に客席の椅子を置いて行う興行)をやる規模の団体も考えたのですが、

 これは初見には距離が近すぎるし、おそらく男女混合の団体のモデルになるのがチョコプロ(我闘雲舞ガトームーブ)くらいしかないというのもあります。


 なおここで我闘雲舞をモデルに出すのは、最終盤の展開に影響するので避けました。


 かといって女子オンリーの団体で、本気の若手女子選手の試合シーンを書いても、初心者目線の解像度に落とすと「よくわからないけどすごく真剣にやってる動き」という曖昧で意味不明な描写になってしまいかねない。(具体的にはロックアップ、後腰の取り合い、リストの取り合いなど)


 ジョン・テラー戦はこれを回避するためのものとして組み込む予定で書きました。


 そこから逆算して、ミックスドマッチが成立する規模の団体や興行を考えた結果、『平日の夜に新宿FACEで普通の試合をする規模の、男女混成の団体』というところに落ち着きました。(実在の団体に落とし込むと、ガンバレプロレスあたりでしょうか)


 他団体や自主興行へ参戦、という考えもよぎりましたが、この場合、まつりさんの所属団体からセコンドがついて来るので、その子をほっぽりだして一人で試合後にとわさんに会いに来るというのは考えられない。

 (多分セコンドの子と試合後にご飯食べに行くので、とわさんとは会えない)


 次に、まつりさんの直接の対戦相手、長身のジョン・テラーの元ネタ。

 これはクリス・ブルックス選手(193cm)です。

 序盤の「身長差がありすぎて眼の前の女子選手が視界に入らない」というネタは、チョコプロで駿河メイ選手(148cm)相手に実際にあった展開です。


 またクリスは実際に、男女混合タッグ戦で、相手のチーム女子選手を高々と持ち上げて、リング外に投げるという荒業(場外への裏面リフトアップ・スラム?)を、たまに使用します。

 というか、そういう一見するとびっくりするような事をして客を沸かせるパンクなスタイルの選手なのです。


 なお、必ず外に投げ落とすというわけではなく、リング外の相手タッグパートナーやセコンド陣がキャッチする準備ができてない、と判断すると、リング内にある程度技っぽく見える挙動(例えば膝上へのバックブリーカーなど)で下ろします。


 最後に、とわさんに勧めようとしている団体のモデル。これは我闘雲舞です。

 以前にも書いたかもしれませんが、ガトムは『誰でも女子プロレス』という女性向けプロレスワークショップを開いています。

 そして、副業としてプロレスラーをしていたり、バイトで生計を立てつつ選手をしている方が、実際にガトムには在籍しています。


 ……なお、この話の続きに関しては、いまのところ考えていません。(オイ待て)


 おそらく、とわさんがあごから汗垂らしてスクワットしてるシーンから始まるんだろうな、くらいの想像しかつきません。



 また、この話は、以前から書くといっていた女子プロレスの小説とはまた別の話になります。


 こっちはおそらく、もっとプロレスの夢成分の低い話を展開する小説になると思います。

 ただ、こちらはこちらで非常に問題がありまして、メインキャラとなる予定だった女子二人の脳内会話が、うんともすんとも言わないのです。


『しースカ』のショウと千鶴や、今回作のまつりさんととわさんは、割とすんなりと脳内会話をしてくれたため、それをそのまま自動筆記的に書き落とす中で、作品としてまとまってくれました。


 個人的にこれが来てくれないとキャラクターの対話で物語が進まないのです。

 その典型例みたいなのが地の文モリモリの『マキシマシオン』です。

(そしてマキシマシオンの読者数は伸びていない)


 いずれにせよ、コロナ第7波など、現実に即して見た場合、書き直さなければならない要素は増えましたから、加筆修正の必要はあるのですが、

 これが来てくれないことには書きようがない、という状況です。



 ……だいたいこんな感じでしょうか。

 いつもどおりだと、この流れで女子プロレスの話ですね。


 えー……東京女子来日参戦したマックス・ジ・インペイラー選手がポストアポカリプスなディテールが細かくてすごく好きです。

 ぜひ東女の選手と仲良くなってまた来日してほしいものです。


 一応、ツイッターアカウントの名義がノンバイナリ・ナイトメアなので「この人」と表記しますが、この人を知っていたら、多分ジョン・テラーじゃなくてこの人みたいな選手と戦わせてた可能性はあります。

 実際、リフトアップスラムで中島翔子選手をマットに投げ落としてますし。


(ただ、まつりさんと向かい合ってどんな試合になるかは想像がつかない。原宿ぽむ選手は泣いて逃げたし、アジャコングとらく選手みたいに仲良くなる感じの世界線も見えない。真面目に殴り合って胸元真っ赤に腫らすのは間違いないけど……)


 あとは、

 8月14日にガトムには練習生のミヤさんが、東京女子にはアップアップガールズ(プロレス)にシノさんがお披露目になったことでしょうか。

 シノさんは元バスガイドということで、「高木三四郎を車ではねる」事を目標としている乃蒼ひかり選手が「バスではねる……大型免許」と言い出してるのがなかなか不穏で素敵です。

(※車ではねる、というのは路上プロレスという試合の展開としてです!)


 私、悪癖として人名が覚えられないというのがあって、なかなか頭に入りません。

 顔を見て試合を見れば「あ、こういう人ね」とじわじわ入ってくると思うんですが……

 どちらにせよ、息の長い愉快な選手になってほしいものです。

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