SNSは新しい日記の形でしかない。
月乃兎姫
第1話
人はいつから日記を書かなくなったのだろうか?
――いいや、違う。厳密に言えば日記という形は失われ、それに成り代わる形としてSNS……つまりソーシャルネットワークサービスが台頭し始めた。それというのもスマホが普及して以降、如実となって表れ始めている。
従来のようなノート調の日記という体裁から、ネット上のサービスに気軽且つ誰もが見える形で投稿されている昨今、もはや閉鎖的な個人のプライバシーというものは存在し得ない。
人によってはそれが日々の食べた物、あるいは趣味や仕事及び学業などの内容である。一体どうしてそんなことをするのか? ネット上で議論される意見としては、それは他人からの尊敬の念、言ってしまえば他人から羨ましがられるという感情の起伏でしかない。しかし、それならば何も自らの情報を見知らぬ誰かに披露する必要性はない。
人はそれらの感情を他人から齎される【承認欲求】であると呼ぶが、私はそれを上回るものであると思っている。要するに【生存本能】にほかならない。
何故ならば、他の道を知らず危険と承知してなお、不特定多数に情報を見られてしまう危険性を加味したうえにおいても、その程度の話に収まるはずがない。
だから必死に自らの情報を披露し、尚且つ自分自身のプライバシーを露呈しても
SNSという新たな形の日記は、そうした危険性を孕んでいる
SNSは新しい日記の形でしかない。 月乃兎姫 @scarlet2200
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
メガネの多様性/月乃兎姫
★12 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
人それぞれの色/月乃兎姫
★9 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
鳥会えず、これを読め!/月乃兎姫
★9 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます