第2話〈前編〉 サクラ
久しぶりに桜をよく見た。
去年はもっと、白かった気がする。
手をのばして触れながら、ちらちらと光が見え隠れするのを楽しんだ。
3分ほど、そうして桜を眺めていた。
突然、こんなに整った花びらなら、君が欲しがるだろうなと思った。
そして、ひらひらと落ちていくそれらを、つかまえたくなった。
高校生の男子が幼い子供のようなしぐさをしているのだから、通行人にはさぞおかしくみえたに違いない。
だけど僕は、この綺麗な花びらをあげて、君の喜ぶ顔が見たいと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます