第546話

「くっ!攻撃が全て吸われてしまう!」

「妨害系スキルも全部無効化されちまうぜぇ!!」

「そして何よりも・・・・。」

「戦闘区域が狭いぜぇ!!」


現在俺とローズは3メートル迄体を巨大化させている。そうなると俺の盾が、そしてローズの着物が舞台の空間を占拠し、相手の戦闘区域を狭める事に成功していた。舞台から落ちたら失格となる為、敵の2人はここから突破方法を探すしかない。


「だからと言ってローズの袴の中に入ろうとか、俺の股の下を潜ろうなんて許す筈無いんだけどな?」

「くっ!障壁が崩せない!」

「逃げ道がないぜぇ!」

「さぁ覚悟しなさい!」


ローズの奴は、最初持っていたメイスを袖に仕舞ったかと思えば鈴の着いた錫杖を取り出していた。そして頭には金色に輝く飾りを装備している。装備を変更する事で、巨神様との親和性を高め、相手のスキルを“永久に”封じる事が出来るそうだ。


【おーっとスイモペア追い詰められたぁ!!】

【もう、姉さんったらやり過ぎだよ・・・。ローズが持っている錫杖と頭に装備した天冠は神具だよ。あれを装備した人に攻撃されたら、一部技能が剥奪される代物だね。】

【なんと!それではスイモ、アマイモ両名のスキルが消失すると?】

【んー、使いこなせていない様だから封印が関の山かな?それでも使用者が解除しないと使えなくなるから、実質消失と同じ扱いだろうね。あっ、神器だけあってそう簡単に使えない代物だからね。今回は姉さんの怒りにも触れたみたいだし、使用許可が出たんだろうねぇ。途中で装備を変えたのはそれが理由だね。】

【あの2人は凄い人を敵に回していたぁ!そんな人に下賤な視線を向けて無事な筈がなーい!!】

【まぁ実際そうなんだよねぇ。ルド君が障壁を張って徐々に相手を追い詰めているから、今はローズさんの攻撃を躱せててもいつかは被弾する。そうなると彼らは終わりだね。】

【さぁ!どうするスイモペア!!このまま負けてしまうのかぁ!!】


「さぁその下賤なスキルを封印させなさい!」

「くっ!このままでは我々の夢が!」

「女を洗脳してハーレムを作り、色々と楽しむ予定が!」

「そんな夢さっさと潰れてしまえ!」


相手は必死にこちらを攻撃してくるが、<純潔>を発動させた上でのスキルコンボ<守護者の障壁>の防御力には無力だ!何せダメージを3200カットする強力な奴だからな!これを破れる奴はそう居ないぞ!


「ぐぅ!もう残り体力が!」

「こうなったら仕方ない、アマイモ!」

「解りましたスイモ。我々はきけ「捕らえました!」ぐふぅっ!?」

「ごばぁっ!!」

「両者戦闘不能!勝者ルド・ローズペア!!」


【おーっとここでローズ選手の攻撃が両名に命中!!攻撃が命中した瞬間に錫杖が光り、体の中に吸い込まれて行ったぁ!!】

【これで封印処理は完了しちゃったねぇ。最後に彼等何か言おうとしてたけど。まぁスキルを封印されるくらいなら棄権しようとしたのかな?残念だけどその前に止めを刺されちゃったみたいだけど。】

【観客に居る女性陣からは勝利した2人に歓声が送られています!逆に敗者となった。2人には激しいブーイングが!】

【まぁさすがに人の奥さんにちょっかい掛けようって言うのはこの世界でも御法度だからねぇ。言ってることも大分酷かったし、彼等はもう表を歩けないかもね。】

【さぁ、今回の罰ゲームは勝利したお2人に手伝って頂きましょう!!】

【公衆の面前で恥を晒すのは彼等だったねぇ。】


審判が俺達の勝利を宣言した後、なぜか罰ゲームの手伝いをお願いされた。ローズが不快でなければ受けると返事したら、ローズの奴が即座に罰ゲームを手伝うと即決。係の人が罰ゲームの内容を説明してくれた。その内容と言うのが・・・・。


「くぅ!このような辱めを受けようとは・・・」バシッ!「ぎゃうっ!!」

「ぐげげげげ!こんな事しても俺は反省何て」バシィン!「ぐげぇっ!!」

「反省するまで止めないからなぁ。」バシッ!

「もう2度と女性に不埒な真似をしない様に躾ます!」バシィンッ!!

「「ひぃっ!?」」


対戦相手が四つん這いとなり、下半身を丸出しにしている。そこに棘の着いた棍棒を叩き付ける俺とローズ。一部の人からしたらご褒美です!とでも言いそうな光景だが、奴らの尻はすでに血みどろだ。股間?最後に潰す予定だよ。その後は肉食系女子達に1日中玩具にされるそうだ。うん、トラウマにならなければ良いな?


【勝者による罰ゲームでしたぁ!】

【えっと、外の世界から連絡だよ。一部スキルは所持するだけで赤落ちになるように調整したってさ。行動を制限する奴が良いけど、相手を意のままに操る奴は即アウトになるよ。残念だったね?】

【おそらく先程の戦闘を見て自分も同じスキルを覚えようとした人が居ると思います。が、赤落ちになるので注意して下さいねぇ。】

【24時間以内なら別のスキルに切り替え出来るから、赤落ちしたくない人は変更しておくと良いよ。】

【会場で突然ネームが赤くなったみなさーん?本当に今の内ですからねぇ。】


さて、罰ゲームも終わったし待合室に戻るか。


涙を流しながら許しを請う2人を担架に放り込みさらなる地獄に送り出した後、ローズと待合室に戻って来た。まぁ毎度の如くここでローズは次の試合の説明が在ると係に人に連れて行かれ、俺は次の試合が在るからと待合室に行くように指示される。


さて、最後の1人のリダは・・・・。まだ来てないな。リダが遅れるのは珍しいなぁ。いつも待ち合わせには俺より先に来ている印象なのに。


チリーン♪


「ん?なんで友魔の鈴が鳴って?」

「ふわぁ!やっと起きる事が出来ました。お久しぶりですねあなた?」


鈴の中から出て来たのは、緑色の長髪と瞳をした美女だった。着ている服は薄く体のラインが見える物で、背中には10枚の透明な羽が生えている。そして、見えてはいけない場所を隠すように体に蔓が巻き付いていた。


そう、俺の友魔の鈴の中で失った生命力を回復させていたエアリオンの女王。シーラが俺の目の前に立っていた。


「それで?この場所は何処です?今はどういう状況ですか?」

「あー、とりあえず復活おめでとうシーラ。今はそうだな。とある祭りに参加中って所だな。」

「お祭りですか?それはどんなお祭りで?」

「・・・・。誰が最強の夫婦か決める為の祭りだな。」

「成程、そう言えばあなたが4人と婚姻しているのが見えますね。でしたら・・・それっ!」

「げっ!?」


4つのハートマークが付いて居る所に5つ目のハートが追加された。もちろんハートの中央にはシーラの名前が書いて在る。この婚姻システムはどうなってるんだ?一度結婚したら俺の承諾も無く結婚出来るってどういう事だよ!!


「ふふふ、一度結婚したら2度も3度も5度も一緒ですよあなた。これで私も参加資格を得られましたね?」

「もしかして参加したいのか?というか友魔と夫婦何て良いのか?」

「出来たのですから神が認めたという事です。そして、夫婦となったからには私も祭りに参加します。どこで参加申請をすれば良いのかしら?」

「あー、係の人に言えば良いんじゃないか?」

「そうなのですね。では、早速行ってきましょう。あなたはどうします?」

「次の試合がすぐ始まるから、ここで待ってるよ。参加申請は1人でも出来るからな。」

「蘇ってすぐ別行動とは寂しいですが、仕方ありませんね。では早速行ってまいります。」


復活したシーラは元気な足取りで待合室を出て行った。もっとこう、抱き着いてきたりとか、突然キスされたりとかを覚悟していたが、思ったよりも理知的な行動をしてくれて良かった・・・・。復活してすぐに1人で行動させるのも心配だから、シアに様子を見る様に連絡しておこう。シアも久しぶりに本当の母親に会いたいだろうしなぁ。



毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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