第541話

はい、強制的に4人と一緒に参加申請させられたルド君ですよ。住人も参加して良いのかという疑問に対しては【良いよ!!】というヘルプさんの一言で決着が着いた。


あと懸念している事と言えば、トーナメント被ったらどうすんねん?って所くらいか?まぁ参加申請した時に、ハーレムの人はトーナメントが被らない様に調整しますって説明されたがな。同じ家族同士が当たらない様にしてくれるらしい。


後は友魔の扱いについて説明されたな。友魔を使うしか戦闘できない場合は連れていても良いが、そうでないなら基本的に不参加だとさ。これはもちろん夫婦両方に当てはまった場合だ。つまり俺が相手にダメージを与えられないままだったとしても、パートナーがダメージソースになるのであれば友魔の参加は認められないって事だな。


という訳でシアとアイギスはルゼダ達と一緒に観客席の方に行っている。タンケの奴も合流して一緒に居てくれるから、まぁ安心だろう。タンケとモッフル?まだくっ付いてないから対象外だよ。


さて、待合室で待つように言われたが皆は何処に居るんだろうなぁ。準備が在るから待っててくれとお願いされたんだが。


ポーン♪これより試合を開始いたします。ルド様、イルセア様、闘技場入り口にお越しください。ポーン♪これより試合を開始いたします。参加ご希望のルド様、イルセア様は闘技場入り口にて待機をお願いします。


うげっ!?俺達の順番が回ってきてしまった!闘技場入り口に来てくれって言われても誰もまだ待合室に来てないぞ?これはもしや不戦敗か?負けたらペナルティが在るって言われてるのになぁ。


バァーン!!


「お待たせルド君!さぁすぐに行くわよ!!」


勢いよく扉を開けたのはちょっと見た目が変わったイルセアだった。髪の色が紫になってロングに変わっている。体のラインが思いっきり出るローブを着ていて、とても魅力的な胸部装甲を惜しげもなく晒しているぞ。もちろん谷間も見えている!!


頭にはトレードマークの大きな魔女の帽子を被っているぞ。スカートも足のラインがはっきり出る奴だな。スリットが入っていてそこから生足がチラリズムしている。足にはしっかりとブーツを履いているぞ。


「もう!見とれるのは解るけど早く行くわよ!不戦敗に何てしないんだからね!」

「おっおう。準備って言うのは終わったのか?」

「バッチリよ!面白い魔法を覚えて来たんだから!」


そう言いながら俺はイルセアに手を引かれて会場の入り口に連行された。入り口にはすでに係の人が居て、俺達の到着を待ってくれていた。


「ルド様・イルセア様ペアですね。このまま闘技場に行ってください。そこで詳しいルールが説明されます。」

「了解。それじゃあ早速行くか。相手を待たせてるだろうしな。」

「えぇ、良いわよ!」


唐突に腕に抱き着いて来るイルセア。うむ、腕がマシュマロに挟まれて幸せじゃ。じゃなくて!?結構恥ずかしいんだが?このまま行くのか?


「夫婦何だからこれくらい当たり前でしょ?さぁ行くわよ。」

「へいへい。奥様には従いますよ。まっこれはゲームだしな。」


別に本当にリアルって訳じゃ無いし、アバターの感触だから気にしたら負けだと思う事にする。


「あっ、リアルだと私もっと凄いわよ?ルド君とは知り合いだしね。」

「はっ?嘘だろ?」

「嘘じゃ在りませーん!気がつくまで正体は秘密です!私はすぐに気がついたけどね。まさかゲームの中で会うとは思わなかったけど。」


いやいやいや!ここでそんなカミングアウトぶっこんで来るんじゃないよ!!滅茶苦茶気になるだろうが!!あと俺の知り合いにそんな巨乳は居ない筈だ!!


「さぁさぁ、痴話喧嘩も良いですがお急ぎください。このままでは失格になってしまいますよ?」

「それは駄目よ!さぁ行くわよ!」

「あっおい!まだ話は終わってな。」


ワーワーワー!!キャーッ!!頑張れよー!くたばれー!


腕を組まれたまま会場入りすると、そこには大勢の観客が居た。目の前には少し高くなった舞台が在って、その先から対戦相手が姿を見せる。うん?対戦相手どちらも男じゃないかあれ?いや、片方が男っぽい女性だったら失礼だな。いまのは無し!


「無しじゃねぇよ合ってるよ!」

「誰が男っぽい女だゴラァ!!というかどっちに向かって言ったの?教えて下さいお願いします。」

「右の彼。」

「「ですよねぇ。」」


うん。今言った通り、右の人は華奢で髪も長いんだよ。そんでもって中世的な顔をしてるもんだからぱっと見では解らんのだ。まぁ俺は気配で解ったけど。


「あら?私も解ったわよ?歩き方が違う物。」

「あぁ、骨格の違いで違うんだったな。」

「おいこら!俺達を無視するんじゃねぇ!」

「そうだそうだ!目の前でいちゃつきやがって!」


いいぞー!もっと言ってやれー!

良いのよ!男同士でくっ付いても良いのよ!むしろくっ付いて!

どっちが受けと攻めなのー!気になるわー!!


パッと見だったら君達もカップルに見えるんだけどね?だって両方男だった発言にビックリしている人達も居るし。うん、腐った人達は見なかった事にしたい。切実に。


因みに片方はがっしりとした筋肉を持つ赤髪の男だよ。顔はどっかの背中に鬼を飼っている人みたいな感じだ。籠手と黒いカンフー服みたいな物を着ている。


もう片方はさっきも言ったけど華奢で黒髪長髪の陰陽師っぽい服を着た線の細い人。手には扇子を持っている。


【対戦相手が揃いましたのでルールを説明します!今回の最強夫婦は誰だ!バトルトーナメントは、挑戦者を倒す事で次のステージに進む形式となっています!対戦は悲しいかな、パートナーの居ない独身者VS幸せの塊、婚姻者の2対2のガチンコバトル!!己のスキルを発揮して相手を倒した方が勝ちです!なお、負けた婚姻者側は強制的に離婚となりますのでご注意下さい。独身者側が負けた場合はちょっとした罰ゲームを受けて頂きます!さぁ勝つのは嫉妬に狂った獣か!勝ち組の夫婦か!いざファイト!!】


いざファイトじゃねぇよ!!もっと詳しく説明しろし!!


ウィーーン


「この度の試合は私が審判となります。試合のルールは友魔以外は何でも在り。アイテム、装備、スキルに縛りは在りません。試合参加者以外からの助力は発覚した場合即刻退場となります。婚姻者側が敗北した場合はこの場で離婚。独身者側が負けた場合、この場で罰ゲームを受けて頂きます。力無き者に幸せ無し。それがこの大会のルールです。ではお互いの力を全て出し切り戦って下さい。準備はよろしいですか?」


舞台の真ん中が開いたかと思えば、サンドリアを守っている衛兵さんの1人が出て来た。方から掛けたタスキに【今日の審判】と書かれているのはギャグか何かなのか?まぁそれは良いか。


「作戦とか在るか?」

「そんなの貴方が守って私が魔法で攻撃する。これだけよ。」

「まぁ単純だけどそれが一番だな。」

「くそう!そんな色っぽい姉ちゃんを奥さんにしやがって!お前と俺の何が違うんだ!」

「そうだそうだ!私何て男にしか声を掛けられなかったんですよ!嫌になっちゃう!」


そう言われてもなぁ。イベントで仕方なく結婚しただけなんだが・・・。


「ふん、貴方より彼が魅力的なだけよ。悔しかったら勝って見なさい。そうしたらお茶くらい付き合ってあげるわ。」

「何!?本当か?だったら本気出して別れさせる!」

「私とも!私ともお茶してくれますよね!ならば全力でお相手しましょう!」


とかなんとか考えていたらイルセアが勝手に条件増やしやがった!いや、まぁあっちの方が良いって言うなら今すぐ離婚でも良いんだがな。


「嫌に決まってるでしょう?だからしっかり守ってね旦那様?」

「へいへい、唯の挑発だった訳なのね。ならしっかり守りますよ奥様。」

「双方準備完了と見てよろしいですね?では!試合開始!!」



毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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