第464話
「馬鹿野郎!いつお前を嫁にしたってんだよ!」
「おや?あの時しっかりと約束をしたはずですが?」
俺達が突然の妻発言に驚いて固まっていると、バルドから事実とは違うと声が上がった。その後のプリムラの言葉に全員の頭にハテナマークが浮かんでるな。どういう事だってばよ?
「こいつここの管理をする傍ら、いつか王妃の助けになろうと戦い方も学んでやがったんだよ。」
「ほうほう、それで?」
「俺が厄災調査をするのに丁度良さそうな拠点を探してて、スラムの連中を締め上げてここを見つけたんだ。そして管理者のこいつと知り合った訳だな。」
「それからそれから?」
「ここを使いたかったら自分に一撃入れて見ろって言われてな?そんで一撃入れられたら嫁でも何でもなってやるとか言いやがるからよ。舐められたままじゃいられねぇ!その喧嘩買った!!って言ってバトった訳よ。」
「それでどうなったの~?」
「手も足も出なくてボロボロにされたんだよ!だが、そのままだと喧嘩屋としての俺の矜持が許さねぇ!だから根性で一撃入れたんだ!」
「( ゚Д゚ノノ”☆パチパチパチパチ」
「それでプリムラはこやつの嫁になったのだな?」
「約束でしたので。」
「「「「「おめでとう!!」」」」」
「俺は了承してねぇんだよ!喧嘩を買っただけなんだ、嫁何て貰うつもりはねぇよ!恐ろしくてな!」
まぁこのゲームの結婚システム独自だからなぁ。旅人同士ならまだしも、住人と婚姻したらかなり面倒くさい上に別れても秘密を暴露された上で殺されるってオプションも付いて来る。普通なら結婚したく無いだろう。普通ならな!!
プリムラさんは綺麗な銀髪に青い瞳をしたかなりの美人さんだ。もちろんプロポーションもかなり整っている。だから狙ったんだろ?正直に言っちまえよぉ~。
「ネームの横にハートマーク浮かべたお前等に言われたくねぇ!盛大にくっ付きやがって!いきなり式なんて上げやがるから俺達かなり驚いたんだぞ!」
そう、このゲーム結婚したらお互いの名前の横にハートマークが浮かぶのだ。これは住人と結婚したとしても一緒。しかも名前入りのハートだぞ!普通に恥ずかしいよなコレ。
「俺の方にはまだ浮かんでねぇからセーフなんだよ!」
「それはこの人が契約を結ぼうとしないからです。私は何時でも大丈夫ですのに。」
「俺は一緒になりたいんじゃなくてお前に勝ちたいの!結婚じゃなくて決闘がしたいんだよ!」
「つまり私を倒した時に正式に婚姻を結ぶと?ならば早く強くなって下さい。」
「ちげぇわ!!」
諦めろバルド。このお嬢さん完全にお前をロックオンしてるぞ。俺は詳しいんだ・・・・・。主に悪魔と猫の所為で。こういう目をする女性は何処までも獲物を追いかけて来るぞ。
「はいはい、そんな事は今はどうでも良いのよ。「良くない!」それよりもクインの事よ。彼女が王妃の処刑に出てくるというのは確定情報なの?」
「間違いありません。私の同士が情報を流してくれていますので。」
同士って事は王妃様にお世話になった人って事か。でもなぁ、今のこの国どこに偽物が潜んでいるか分からないもんなぁ。その情報本当に信用できるのか?
「その問題を解決したのもこの人のお陰です。さすが未来の旦那様。」
「誰が旦那様だ!厄災かどうかの確認は俺がスクショ撮れば一発だからな。情報を伝えに来た奴が偽物じゃない事は確認済みだ。」
そうだった。スクショ撮って確認するっていう手間は在るが、旅人なら簡単に厄災かどうかを見分ける事が出来るんだった。おれは面倒臭くてシア達に頼んじゃうけどな。
「それで?救出作戦の内容は?」
「広場に連れてこられた王妃を騒ぎを起こして攫っちまおうって作戦だな。」
「捻りも何も無いわねぇ・・・・。」
「それが一番成功率が高いからな。でだ、ルドには王妃の確保に動いて欲しいんだわ。」
それは別に良いが、処刑方法次第では守りに行く前に死ぬぞ?
「そこは大丈夫です。王妃は石投げの刑になると告知されていますので。」
「石投げの刑って何だ?」
「罪人の下半身を地中に埋め。民に拳大の石を投げさせる処刑方法よ。」
「王妃の罪状が姦淫。つまり不倫何だわ。それに相応しい罰を与えるんだとよ。」
「すっごく痛そう・・・・。」
「(;´Д`)」
痛いなんて物じゃないだろうな。拳大の石なら即死しないだろうし、長く苦しむ事になるだろう。それくらい王様は王妃様に対して怒ってるって事か。
「じゃあ俺は石を投げられる前に助けに入れば良いんだな?」
「掘り起こす間守って欲しい。出来るだろ?」
「誰に言ってんだよ。守りに関しちゃ俺はトップクラスだぜ?」
「まぁこの人攻撃は全然だけどね。」
「それを言われちゃお終いだよ・・・・。」
好きで攻撃出来ないんじゃないやい!ランダムの馬鹿!!いや、ランダムを選んだ俺の馬鹿!!
「まぁまぁ、その分嫁さんに攻撃してもらえや。」
「そうよ、私があなたの矛になってあげるわ。だからそう落ち込まないの。」
「イルセアママの攻撃どんなのか楽しみ!」
「( ^ω^)ワクワク」
「一杯見せてあげるわね?」
シア達がイルセアに撫でられて嬉しそうにしている。ナチュラルにそんな動きをするのは婚姻システムの所為だろうな。
「騒ぎを起こすのは俺達の方でやるわ。」
「国王派の兵士を何人か殴り飛ばせば大丈夫でしょう。」
「王様の容体は良いのか?毒盛られたんだろ?」
「それは大丈夫らしいぞ?クインからのチャットで快方に向かっていると連絡が在った。まぁ自分の死期を悟って子供達に後を譲ろうとしているらしいがな。」
あー、国王が元気になって継承権争いを止める!何て展開は無い訳か。
「継承権争いをしている王子様達はどうするんだ?邪魔される可能性とかは無いのか?」
「そっちは放置だな。王妃を確保してから動く事になる。俺が言える事は王妃の救出に邪魔は入らないって事だけだな。」
「あら?それはどうして?ちゃんと理由を知りたいわ。話せない事なのかしら?」
「すまねぇな。味方が誰かはっきりするまでは兵士達が居る場では言えないんだよ。まぁちゃんと王妃を救えたら話してやれるがな。」
なにやら意味深に笑うバルド。確か王妃の処刑を実行しようとしているのは第1王子って話だったな。
もしかして別の後継者に邪魔する様に頼まれてるか?王子主導の処刑が失敗すれば大きな失点になるだろうしな。
後は王妃様を救いたいと思っている子も居るって事が推察出来るか。まともな奴が居る様で何よりだな。そいつの目的が王妃救出なら邪魔されないように協力もしてくれるだろう。
「問題なのは厄災がどう出て来るか分からない所か?」
「この国を混乱させてどうしたいのかしら?」
「そりゃ沢山の不幸を集めたいんだろうよ。現に王妃の処刑、国王の毒殺未遂、継承権争い。これだけの事が起こってこの国の民には不安な広がっちまってる。貴族連中もどの派閥に所属するかで争ってるってよ。」
「そんな政争に巻き込まれた無実の民が数多く牢に入れらています。その人達の家族も悲しんでいますね。」
厄災の所為でこの国は滅亡まっしぐらじゃねぇか。こっから逆転する事なんて出来るのか?
「俺達の前に出てこない以上。目の前の事を少しずつ解決するしか道はねぇ。」
「どうか王妃様を救うために力を貸して下さい。」
頭を下げるプリムラさん。まぁ言われんでも俺達は手を貸すけどな。仲間を助けないといけないし。王妃様の話も聞いてみたいしな。
「我々も力になろう!必ず王妃様を救い出すのだ!」
おう!と兵士の方々が気合を入れる。これだけ人数が居れば何とかなるでしょ。ついでに無実の人達を助けられませんかねぇ?あっそっちは別動隊が動くのか。じゃあ処刑の日まで情報収集と準備を進めますかね。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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