第453話

あの後の話をしよう。空中大陸でアイン達の帰りを待っていた俺達は突然機械で出来た龍の襲撃を受けた!!


防衛施設も何もかもを失ってもう駄目だぁ!お終いだぁ!状態だった俺達は、その機械龍がウィンドラの変化した姿だと知って思いっきり安堵の息を吐く事になった。


ファンティルの撃破を知って歓喜を上げる空中大陸の住人達。俺達はと言うとアインの武器が変化している事に気が付いて奴を質問攻めにした。


そこで判明したのはアインの武器は厄災武器に変化していたという事。しかもウィンドラクルー全員の所持していた装備の何かが、専用厄災装備として変化するというオマケ迄付いていたらしい。


さすがに止めを刺したアインの武器程の能力は持っていない様だが。それでも唯一無二の自分だけの装備を手に入れたウィンドラクルーはとても喜んでいるんだとか。


後はウィンドラに自我が芽生え、自立行動が取れる様になった。会話まで出来るという事に全員が驚いた。


【これからも契約者達と共にこの空を駆けるとしよう。】


凄く渋いお爺さんの様な声でそんな事を言ってたよ。アインはたまに暴走するから止める様に言ったら、任せて欲しいと心強い返事を貰った。


そうそう、アインの暴走と言えばクルーの一部の人達が地上の守備隊にちょくちょくアインの事を報告していたらしい。そして守備隊の偉い人から国の防衛大臣に、防衛大臣からシルに話が流れ、飛行船修理にも立ち会ったシルがアインの暴走を止めようと動いたんだとか。


かつてあった転移ポータルを作り出そうと密かに実験していた転移装置で、アインの元に手紙やら何やらを送ろうとしていたそうだ。だけどどれも失敗。やけくそになったシルは何でもいいからとにかく送れ!と言った所偶然バナナの皮だけ転送出来たとか。その後はバナナの皮にメッセージを添えて送ったんだと。まさかその皮のお陰で頭を打って正気に戻るとは思わんわな。ん?なんで事情を知ってるかって?ファンティル討伐の話でドラゴンがアインに精神感応してたって所まで全部聞いたからだよ。


「さてと、それじゃあこっちもやっちまいますか。」

「旦那様、これから末永くよろしくお願いしますね?」

「俺以外だと鈴に入らないだもんなぁ・・・・。はぁ、まぁ見捨てる訳にはいかんしな。ほれ。」チリーン♪


シーラ(妻)が友魔になりました♡


「しれっと妻とか♡マーク入れてるんじゃねぇよ!!」


シーラの奴は厄災の件が片付いたとしても回復出来ない程力を消耗していた。だからガーベラに引継ぎを終わらせた後、予定通り友魔の鈴の中に入って休んでもらう事になった。


24時間あれば完全に復活するはずの友魔。だがシーラの場合は・・・。


シーラ(休養中 復活まで*****)


相当無理をしていたんだろう。まさか復活までの時間が表示できない程ボロボロになっていたとは思わなかった。だが死んだわけじゃない。いつか元気になったらまた戻って来るはずだ。


「これで空中大陸でやる事は終わったな。」

「アインさん達はもう旅立ってますし、私達もそろそろ地上に戻らないとですね。」

「ルドさんは今回のクエストの報酬なんでした?」


そう言えば俺達の報酬についての話をしていなかった。俺の貰った報酬はこれだ。


双盾強化素材(特)

エアリオン住人権

エアリオン貿易権

称号『大陸の守護者』


毎度おなじみ装備強化アイテムと、空中大陸で自由に動き物の売り買いが出来る権利を貰った。後は称号が1つ増えたくらいだな。


「クリン達は何を貰ったんだ?」

「僕達も似たような物です。」

「装備強化アイテムやなくて装備自体を貰ったんやけどな。」

「生憎とペナルティ中の私とクリンは装備できませんわ・・・・。」

「今度お見せしますね!」


どうやら秘密にしておきたいくらい性能の良い装備を貰ったらしい。さてと俺はさっさと盾を強化しちまうか。


アイアンシールド(レベル2)耐久∞ ダメージ-50ポイント→メタルシールド(レベル3)耐久∞ ダメージ-100ポイント


これでレベル3になった。見た目も鈍い鉄色から輝く鋼色に変わったぞ。


「うっし、じゃあ帰るか!という訳でディア頼む。」

「畏まりました。ではどうぞ。」

「なんでそのままの恰好で四つん這いになる?あと片手に持っている鞭は何だ?」

「馬さんプレイをしたいという話では?」

「そんな事しろ何て言って無いだろうが!そんな事言ったら・・・・。」

「るぅ~どぉ~さぁ~ん?」

「もう、そんな特殊なプレイがしたいなら初めから私に言えばいいのに。ルドきゅんったら遠慮しちゃうんだから。」


俺の背後にいつの間にか凶悪な顔をした猫娘と、鞭にヒールを持ったSM女王が立っていた。


「この2人が暴走するだろうがぁぁぁぁぁ!」

「おや、気が付きませんでした。さて追いかけっこを始めてしまった主様達は放っておいて皆さんはこちらにどうぞ。」

「これ絶対狙ってやってますわ。」

「ルド兄の苦しんでる所見る顔が危ないんやけど・・・。」

「お姉ちゃん見ちゃ駄目だよ!」

「ルドさん早く2人を正気に戻してくださいねぇ。」

「だったらお前等も手伝えぇぇぇぇぇぇ!」

「フシャーーッ!!エッチなのは行けません!」

「さぁ私の下僕になりなさぁーい!」


誰かこいつ等を止めてくれぇぇぇぇぇぇ!!


俺達が地上に戻れたのはそれから1時間後だった。


「あぁ、酷い目に遭った・・・・。」

「いつもいつもお疲れ様ですルドさん。」

「解ってるなら止めるの協力してくれよ・・・。」

「それは怖くて無理ですわ。」

『そろそろ城塞首都に到着します。』


雲よりも上空から移動してきた俺達は、やっと城塞首都が見える所まで降下してきた。遥か上空から大陸を確認したが、城塞首都のある大陸は他の所よりも大分小さいんだな。他の2つの大陸がデカすぎてビックリしたわ。


「これからどうします?」

「しばらく修行かな?皆も新しい装備の慣らしが必要だろ?」

「ルドさんは新しいスキルをまだ覚えるんですか?」

「今回殆ど役に立てなかったからなぁ。もっと守れるようにならんとな。」

「その前に相談役に報告したほうがええんちゃう?」

「そうですよ。アインさん達も戻って来てないみたいですし、飛行船のその後の事も報告しないと。」

「あー、それが在ったなぁ。」

『クランハウス前に着陸します。主様以外はしっかりと掴まっていてください。主様はここで降りて下さい。』

「いや普通に死ぬわ!最後まで乗せてくれ!」


ちょくちょく毒吐くんだよなぁディアの奴・・・・。マロが帰ってこないかなぁ・・・・。


『クランハウス前到着です。運賃は100万マネです主様。』

「払えるか!あと金を取ろうとするんじゃない!」

『あぁ可哀そうな私。しばらく放置された挙句今度は無料で馬車馬のように働かされるのですね・・・・。奴隷解放運動しているレジスタンスの方か、この国の偉い人に是非話を聞いて貰いませんと。』

「・・・・小遣いは渡すからそれで手を打ってくれ。」

「月10万マネで手を打ちましょう。」

「そんなに出せるか!!」

「冗談ですよ。」


本当に、切実に、マロカムバーーーーーーーーック!!


ピンポンパンポーン⤴

運営から連絡です。これより突発イベント『メタルラビットを探せ!』イベントが開始されます。このメタルラビットは皆さんの居る大陸のどこかにランダムにスポーンします。その敵を倒すと莫大な経験値が手に入り、スキルを強化する事が出来ます。また、街中のクエストで得られる経験値をゲーム内時間で1週間限定で2倍に致します。どしどしクエストを受けて消化して下さい。


運営から追加の連絡です。突発イベント『外界を目指せ!』クエストが解放されました。ジャイアント王国の端に在る港街に、他の大陸から流れ着いた漂着者が現れます。その人達を助け、別大陸との航路を開いた人には特別な報酬を差し上げます。こちらも是非、参加してみて下さい。


これからも『Another Life Online2』をよろしくお願いします。

ピンポンパンポーン⤵


戻ってきて早々にイベントが始まった件。まぁでも先にシルに報告を上げるかな。さっきからチャットで連続で呼び出されてるし。その後は自由行動と言う事で。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited 

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