第451話
「隊長!!しっかりしてくだせぇ隊長!!」
「はっ!今の状況は!どれくらい時間が経った!」
「突然ボーっとし始めてビックリしましたよ隊長・・・・。時間は5秒くらいしか経ってません。それよりも大丈夫ですか?」
「あぁ、もう大丈夫だ。」
どうやらドラゴンとの対話はすぐに終わった事になっているらしい。私が指示を出せない間もクルー達は必死になって攻撃を躱し続けてくれていたみたいだな。
『ちょっ!なんやんこれ!緊急報告やん!船内の機器が勝手に動き始めたやん!』
「他に変化は在るか?」
『攻撃兵装やエネルギー配管の配置も勝手に変わっていってるやん!』
【こちらの方が動きやすいのだ。勝手に変えてしまう事は許せ。】
どうやらウィンドラ自身が体を動かしやすいように位置を変えているらしい。いつからそのような事が出来る様になった?
【それと、全員で生き残りたいのであろう?ならばお前の体も貸せ。】
「それはどういう意味だ?」
「?隊長?だれと会話してるんで?」
【こういう事だ。】
ドパンッ!シュルルルル!
天上や艦長席が設置されている床からコードの様な物が飛び出してきて私の体に巻き付いて行く。
ドシュッ!ドシュッドシュッ!
「隊長!?」
「ぐぅっ!大丈夫だ。心配ない。」
その先端に在る端子が次々と体に突き刺さって行く。突然の事態に周りにいたクルー達が慌ててこちらに来ようとするが、手を上げて元の仕事に戻らせた。ウィンドラがやりたい事が解ったからな。
「私の中に在るコアと艦のコアを直結させるか。」
【旅人に渡されているコアは成長する特別な物だ。その機能を使わせて貰う。構わんな?】
「問いかけるのが遅いぞ全く・・・。問題無い。存分に使ってくれ。」
【豪胆な事だ。】
ピコン♪<人機一隊>スキルを獲得しました。
久方ぶりにスキルを獲得したな。久しぶりにステータスを確認するか・・・・。
名前 アイン
種族 機人種
所属 城塞首都 特別空戦部隊隊長
クラン 特空部隊 (ランクEX)クランマスター
HP 500
MP 500
スキル
<ガンスリンガー>
銃系統の武器を使用した場合、相手に与えるダメージに+100ポイント
<必中>
遠距離攻撃がクリティカルヒットしやすくなる。通常攻撃は必ず命中する。
<発砲舞踏>
銃による連続攻撃と回避を組み合わせたスキル。装填されている弾薬が尽きるとスキルは強制終了する。
<メカニカルボディ>
体内の機械部品を交換して性能を向上する事が出来る。装備品欄が内臓機関欄に変更される。(アクセサリー以外の通常装備使用不可。)
<オーバーライド>
自身のコアを暴走させて攻撃の威力を高める。スキル使用後30秒間の冷却時間が必要。その間行動不能になる。
<アーミーコマンダー>
指示を確実に部下達に届ける事が出来る。自分の出した指示はログに残り、部下達は何時でも確認する事が出来る様になる。指示を受けた仲間のステータスにバフの追加効果。(行動速度2倍 機械操作・修理技術に補正。)
<鼓舞>
仲間を鼓舞し、能力を向上させる。(攻撃力+100 ダメージ-100 瀕死の仲間に食いしばり効果付与 HP+10)
<空間庫>
異空間に物を収める事が出来る。物を入れられる場所を持っている者にしか覚えられない。
<アナライズ>
サーチアイの上位互換。あらゆる情報を獲得し自身が優位になる選択をを選ぶ事が出来る。鑑定効果機能付き。
<人機一隊>
人と機械を繋ぎ、ポテンシャル以上の力を引き出すスキル。自身の仲間に人と機械が居た場合、全員のステータスにバフ効果(HP+100 MP+50 攻撃+100 ダメージ-100 消費MP2分の1)
内蔵機関
頭 キャットアイ(暗視、望遠機能)
体 メタルコア(HP500 MP500 自然回復力1秒毎HP5ポイント)
右手 パイレーツライフル(攻撃力500 装填数10発 装填方法 単発装填)
左手 魔道式2連装ショットガン(攻撃力50×30発 消費MP10 装填数6発 装填方法 単発装填)
腰 フライトユニット(浮遊機能 消費MP1秒10ポイント)
足 3連魔道ミサイル×2(攻撃力100×6 消費MP60 装填数3発×2 装填方法 自動装填 1発10秒)
アクセサリー
頭 キャプテンハット (指揮系統のスキル効果範囲増加)
体 キャプテンコート (隠し武器を装備可能 現在の装備:キャプテンフック〔攻撃力100 耐久500〕)
左手 髑髏のシルバーリング (住人に対する攻撃力UP)
右手 守備隊長の証 (赤落ち達に対する攻撃力UP 裁量権の獲得)
称号
『城塞首都の守備隊長』
『飛行船愛好家』
『空路を蘇らせた者』
『魔道人形の救い主』
『悪名高き空賊』
『住人の希望』
『空狂い』
『幸せを運ぶ人』
『ドラゴンの主』
所属とクラン名に関してはウィンドラが完成した時に相談役から押し付けられた肩書だ。ウィンドルクルーをウィンドラクルーに変えようとしていたが却下された。
あまり自分で戦う事をしてこなかったからか、攻撃系のスキルに関しては数が少ない。その代わりと言っては何だが私が指揮をする事でバフが乗るスキルを多く獲得している。今回手に入れた<人機一隊>も同じ系統のスキルだな。
「では出力を上げるぞ。」
【急ぐと良い。このままではじきに沈む。】
自分の体の中に在るコアに意識を集中させ、<オーバーライド>のスキルを発動する。体の胸の部分から赤い光りが輝き始め、その輝きは体に繋がったチューブを通ってウィンドラの中に流れ始めた。
『一体全体何したやん?機関出力が通常の2倍にまで跳ね上がったやん!』
「こちらの方で機関部に補助を繋げた。これならロアを使いながら通常兵装の使用は可能だな?」
『バッチリやん!100%のロアと兵装が使えるやん!』
「では準備に取り掛かってくれ。この状態は長くは続かない。」
ウィンドラの機関部に負担を掛けない代わりに、私の体で無理をしているのだ。生み出しているエネルギーをどんどんウィンドラに持って行かれているからか、徐々にHPも下がり始めている。
「ドラゴニックロアエネルギー充填始めます。」
『ロア発射後通常兵装全てで攻撃するやん!』
「ウィンドラ内部の機関と兵装の移動が落ち着きました。」
「報告。第1砲塔と第2砲塔が翼の付け根に移動。第3砲塔と第4砲塔が脇腹に移動しています。魔道砲も背部甲板と腹部に移動してます。」
「魔道機関銃とエーテリックミサイルが胴体側面と胸部に移動しています。どちらも通常稼働を確認。」
『各砲座乗組員全員無事です。』
『いつでも攻撃出来ますよ!』
丁度良いタイミングでウィンドラ内部の改造も終わったらしい。
「凄い!エネルギー充填速度が桁違いだ!ロア発射可能です!」
『各種兵装に回すエネルギー効率も段違いやん!これなら消費エネルギーが従来の3分の2で済むやん!』
【我が体として相応しい状態にしたのだ、当然であろう。】
ドラゴンの声はどうやら契約者で在る私にしか聞こえていないらしい。時々感想を漏らしているのだが、誰も反応していなかった。
さて、そろそろ回避するのも難しい状況に陥って来た。距離が近づくにつれてファンティルの弾幕が厚くなって来たのだ。勝負を決めねばなるまい。
「各種砲座ファンティルに照準!攻撃準備に入れ!次の奴の光線に合わせてドラゴニックロアを放つ!」
『ドラゴニックロアエネルギー充填200%!こんなにエネルギーを貯められるなんて想定外やん!?』
「ファンティルの攻撃、直撃コース来ます!」
「ドラゴニックロア、てぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
キュアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
ファンティルとウィンドラの咆哮が重なる。お互いを仕留める為に放った光線は、丁度中間地点に在る空間でぶつかり辺りに光りをばら撒き始めた。
「エネルギー対消滅確認!」
「ロアのエネルギー減衰値想定内。」
「各武装ファンティルに向かって攻撃開始!!」
私の号令に合わせてウィンドラの各所からファンティルに向かって攻撃が飛ぶ。魔道機関銃が唸りを上げて魔法弾を撃ち出し、魔道砲が絶えず砲撃を行う。エーテリックミサイルが火を噴きながら目標に向かって飛び、エーテルレーザーが黄色い線を空に描く。
「ギュアアアアアアアッ!!」
ドラゴニックロアを相殺する事に夢中になっていたファンティルは、全ての攻撃をその身に受けて爆炎の中にその姿を消した。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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