新しい飛行船対空の厄災
第439話
銀と青が目立つ飛行船が俺達の上空を通って行く。そしてその甲板から人影が2つ飛び降りた。
「助っ人連れて戻って来たでぇ!!」
「只今戻りましたぁ!!」
ルリとベニは自分のグライダーを取り出し滑空しながらこっちに戻って来る。その間にウィンドル『ウィンドラだ!!』・・・ウィンドラは船体から飛び出している半球体をグルグルと回していた。ありゃ一体何だ?
「あれはアイギスちゃんの誘導魔道レーザーを解析して作った魔道砲の砲塔ですよ。」
「ちゃんと追跡機能付きの奴やで!あの中に砲手が入って、誘導の補助をするんやで。」
中庭に降り立ったルリとベニが俺が疑問に思った事に答えてくれた。あれが砲塔なのか。そう言われたら球体の所にレンズが付いてるな。グルグル回してるのは照準の練習か。
「お帰りさないルリちゃん、ベニちゃん。」
「あの飛行船、ウィンドルと比べると大きくなりましたわね。」
「ドラゴンの骨を使ってるだけあって形がそれっぽいね。翼の位置とか特に。」
「かっくいい!!」
「°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°」
地面から這い出して来た皆がルリとベニを迎え入れる。その様子だと誰もスキルを取れなかったみたいだな。師匠が後ろで「途中で修行を投げ出す何て恥ずかしく無いの!」とプリプリ怒ってる。
「「2人共その姿はどうしたんや(ですか)!?」」
「いやぁちょっと訳が在ってね。」
「少々無茶をしてしまったんですわ。」
「少々所じゃないのですよ?このままだとお2人は永久に成長しない所だったんですからね?ちゃんと反省して下さい。」
あー、そう言えばベニとルリが居なくなってからルゼダとクリンの姿が変わったんだったか。しっかりとシーラに念を押されてクリンとルゼダは罰が悪そうにしている。
「さて、これで俺達側の役者が揃ったな。」
『話は聞いてるぞルド!私達が来たからには後は任せて貰おう!!』
「こっちの声まで拾えてるのか。なら任せるぞー!空中大陸の守りは任せろ!」
『うむ!!では行って来る!!機関長、機関出力最大!最初にあの雲を叩くぞ!』
ごぉっ!!
アインの声掛けでウィンドラはすぐに飛び去って行った。その行く先には空中大陸に来た時に見た大きな目玉が浮いている。さて、新たに生まれ変わった飛行船の力ゆっくりと見物させて貰おうか。
ウィンドラ艦内
生まれ変わった飛行船の力強さを体で感じ、私は歓喜に打ち震えていた。
「ふふふ、良い、実に良いぞ!唸りを上げる動力。力強く火を噴く推進器。そして光り輝く船体と新型の魔法兵器!!これで我々は後100年は戦える!!」
「そんなに戦われたら困るやん!!ちゃんとメンテナンスしないとすぐ壊れちゃうやん!辞めて欲しいやん!!」
おっと、我が船の専属技師はお冠の様だ。このクイナと言う少女は見事にウィンドルを生まれ変わらせた天才だ!そのお礼としてこの船の専属技師に任命した!
「任命されてないやん!!拉致同然で連れてこられたやん!!そもそも空中都市に来るのはもっと先の話だったやん!!」
「私もクイナ様の意見に賛成です。今だウィンドラは完成してはいません。」
「キニスの言う通りやん!やっと飛べるようになったと思ったらそのままエアリオン迄来てどういうつもりやん!機関部の調整をしていたらそのまま連れて来られて、空を飛ぶから兵装を使えるようにしろって無茶を言われたやん!おかげで急ピッチで兵装周りを組み上げる羽目になったやん!!」
ふはははは!許せ!この胸の高鳴りを抑えきれなかったのだ!それに文句を言いながらもきっちりと兵装を使えるようにした腕は、さすが我が船の専属技師だと思っていたのだぞ。良くやってくれた!!
「手伝ってくれた船員たちが可哀そうやん・・・。」
「そうですぜ。無茶ばっかりせんで下さいよ隊長。隊員達がかなりへばっちまいましたよ。」
「おいおい、これからあの大物を仕留めようって時に何を気の抜けた事を言っている?アレを落した後はさらに上空に居る敵だぞ?」
「だから無茶せんで下さいって!!せめてあの目玉を堕とした後は何日かメンテナンスしねぇと船も人も持ちませんぜ!」
「技師としても忠告するやん!1回戦闘を行ったらしばらく点検とメンテナンスやん!まだ“アレ”も取り付けてないやん!!」
「再び飛行船が飛んだ事が嬉しいのは解りますが、自重して下さいませ艦長。」
解った解った。全員に攻められたら私も考えを改めないといけないでは無いか。だがこの戦闘の後メンテナンスをするというのなら、全力戦闘を行いウィンドラの戦闘力がどれ程の物か図らねばなるまい?
「・・・・・絶対碌な事を考えてないやん・・・・。」
「すまねぇクイナの姉さん。こうなったら艦長は止まらねぇ・・・。」
「船が再度壊れる事も覚悟しておいてください。」
貴様等は自分達が作り上げた船が信用できないのか?私は全幅の信頼を寄せているというのに。まぁ良い。初の実戦を楽しむとしよう!
「各員これよりウィンドラは空の化け物を倒す為に全力戦闘に入る!武装に火を入れておけ!行くぞ野郎共!!」
「あーあー、テンション上がっちゃってるわ。」
「御免なさい、クイナちゃんは居る?武装にエネルギーを伝達する配管が赤熱しちゃってるんだけど!?」
「あーもー無茶するからやん・・・・・。それはエネルギーの過剰供給やん!今の船のコアは前のより出力が上がってるやん?だから全力運転したらエネルギーの流れが滞ってる所から暴発するやん!すぐにエネルギーを他所に回して圧力を逃がすやん!」
「御免クイナちゃん!!3番砲塔と18番砲塔で問題発生したんだけど!」
「そちらは私達でも対応可能です。クイナ様はまず動力とエネルギー周りの不具合を。戦闘中に爆発したら目も当てられませんから。」
「頼むやんキニス!さっさと現場に案内するやん!!」
ふはははは!進め進めーー!!何やら後ろが騒がしいがそれもすぐに収まるだろう!なんせ敵は目の前なんだからな!!おっと先方の方もやる気十分と見える。向こうから仕掛けて来たぞ!!
クライドの攻撃
積乱雲・雷鳴・雷魔道・空ノ脅威スキル発動
ダメージ2000ポイント
「そんな雷効かんわぁ!!」
ウィンドラの防御
龍麟装甲・魔法伝導体・エネルギー転換炉が発動
ダメージ-1500ポイント
ウィンドラに500ポイントのダメージ ウィンドラの残り耐久49500ポイント
魔道伝導体・エネルギー転換炉の効果によりウィンドラは1500ポイントのエネルギーを得た。
ウィンドラの34番エネルギー伝達パイプが過剰エネルギーにより爆発した。
ウィンドラの残り耐久40000ポイント
『何馬鹿やってるやん!!しっかりダメージ入ってるやん!それ所かエネルギーの過剰供給にさらにエネルギーを上乗せされて艦内のダメージが深刻やん!さっさとエーテル障壁を張るやん!!じゃないと又堕ちる事になるやん!!』
む、また撃墜されるのは面白く無いな。まだまだ試したい兵装は在るのだ。ここは専属技師の言う事を素直に聞いておこう。
「防御の為にエーテル障壁を展開!過剰エネルギーをここで使ってやれ。それで専属技師の作業が楽になるはずだ。」
「33番から24番をバイパスしてエーテル障壁にエネルギー伝達。過剰エネルギーを全て障壁として展開。展開完了しました!」
クライドの攻撃
積乱雲・雷鳴・雷魔道・空ノ脅威スキル発動
ダメージ2000ポイント
ウィンドラの防御
エーテル障壁が展開されている。
ダメージ-10000ポイント
ウィンドラはダメージを受けなかった。
ウィンドラの修復が進む。ウィンドラの残り耐久45000ポイント
ウィンドラの船体に走る青いラインから黄色い光りが迸る。そして船の周りを囲うように形を形成すると、敵の攻撃を弾く事に成功した。
『破裂していた配管の修理は終わったやん。でも船体にダメージが入ったままやん。やっぱり戦闘が終ったらメンテナンスが必要やん。』
「解った。だがこの雲を吹き飛ばす方が先だ!さぁ魔道砲の力を見せてやれ!!」
ウィンドラの攻撃
魔道砲が起動。35機の魔道砲が攻撃に成功。
ウィンドラの魔道砲は半球の形に4枚のレンズがくっ付いている。船体下部に20機、上部に20機の全40機が魔道砲の総数だ。一度の射撃でレンズに冷却が必要な為、4枚のレンズを回しながら攻撃を行うのだ。そして撃ち出された紫のビームは砲手によって敵に向かって誘導される。
クライドは静観している。
ウィンドラの魔道砲がクライドに命中
ダメージ14000ポイント
クライドの残りHP996000ポイント
【!“#$%&‘’&%$#”!!】
「ふははは!雲だから攻撃を受けないとでも思ったか?残念だったな!魔道砲はその名の通り魔道エネルギーを使った砲台だ!魔道エネルギーは非物質にもダメージを与えるぞ!そぉら次弾撃てぇ!!」
『撃てぇじゃないやん!さっきの攻撃でいくつか砲塔が死んだやん!さっきより攻撃出来ないやん!!』
「そんなものは関係ない!撃てぇ!!」
ウィンドラの攻撃
魔道砲が起動 30機の魔道砲が起動に成功
【‘&%$#“!!!】
クライドの防御
スコールスキルが発動 大量の雨がクライドを守る。
魔道砲は雨に命中して蒸発した。
「ほう?敵もなかなかやるでは無いか。ならば次の攻撃をお披露目するとしよう!エーテリック炸裂弾装填!上部甲板開け!艦砲射撃を行うぞ!!」
『全然人の話聞かんやん!!こうなったらさっさと戦闘を終わらせてメンテナンスするやん!!上部甲板解放!実弾砲塔上げ!砲手はすぐに準備に入るやん!』
『砲手は対ショック装備を必ず装備して下さい。最悪砲塔が吹き飛ぶ危険性が在りますので旅人が砲手を務める事。では配置について下さい。』
さぁ魔法では無い新兵器のお披露目だ!たっぷりと味わってくれ!!
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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