第438話

修行を開始して2日が経った。さすがに今まで魔法に触れて来なかった事も在ってスキルは覚えきれていない。取っ掛かりが無いんだよなぁ・・・・。


リダ達も<自然体>と<調和>を覚えられずずっと地面に埋まっている。何しに来ているか分からない。何て愚痴っていた。


ルリとベニは地上で飛行船の修復作業を手伝っている。どうもアインの奴が無理をしているらしく。絶対無理だと言われたコアの修復を1人で行っているとか。MPポーションをがぶ飲みしながらずっと魔力を送っていたからか、<回魔>と言うスキルを覚えたそうだ。魔力の回復量が劇的に増えたらしい。これでやっと作業が進むと連絡が在った。


「しっかしのんびりしてても良いのかねぇ?」

「良いのよ。シアちゃんがスキルを覚えるまではね。」


盾を構えながら体内の魔力を回す。体全体と盾に魔力を通わせ、師匠の攻撃を受ける。


「まだムラが在るわよ。」

「うーん、やはり感覚が難しいな。」

「こればっかりは体で覚えるしかないわね。」


ALO2になって努力してスキルを覚えられる様になったが、その分覚える為の修行が厳しいんだよなぁ。スキルを覚えるまで補助が全くない感じだし。


「出来たぁ!!」

「( ゚Д゚ノノ”☆パチパチパチパチ」

「はい良く出来ました。これで修行は終わりです。」


するとシアの居る方から喜びの声が聞えて来た。どうやらシアの修行が終ったらしい。どれどれ、シアはどんな精霊になったのかな?


名前 シア

種族 ドリアード

所属 ルドの娘


ん?変わって無いぞ?<特化>のスキルを覚えたら種族変化も起こるはずじゃ?あっなるほど、植物の精霊として特化したのか。だから種族が変わって無いんだな。


「パパ終わったよ!」

「お疲れシア。<特化>は覚えられたか?」

「?覚えてないよ?」


はい?<特化>を覚えて結界の維持をしやすくするって言う話じゃなかったか?


「旦那様。シアは選ばなかったんですよ。」

「選ばなかった?」

「えぇ、何か1つだけを極める事を選びませんでした。暴食を持っていますから、これからも色々な事に挑戦して行きたいと。」

「えっとね、えっとね。一杯出来る事増やしてパパのお手伝いするの!」

「ヾ(゚∀゚)ノ ハイハイ! σ(。+・`ω・´)」


・・・・ちょっとジーンと来てしまった。俺も歳かなぁ・・・・・。あまりにも感動し過ぎてシアとアイギスを抱きしめてしまった。


「もうパパ苦しいよ。」

「(´∀`*)」

「それじゃ結界の維持はどうするんだ?消費魔力量が高すぎて維持できないだろ?」

「そこは他のスキルで補いましたよ。」


どれどれ?シアの持っているスキルで変化した物は・・・・・これか。


<精霊強体>

さらに強くなった精霊の体。世界を愛し、世界に愛された者は王となる。

物理ダメージを100ポイントカットする。

MPの総量を10倍にする。

MP自然回復 10秒毎10ポイント


<精霊の羽>(レベル2)

精霊が本来の力を発揮する為に必要な羽。消費魔力をそのままに、精霊魔法の威力を上昇させる。

精霊体スキルを持つ個体がこのスキルを取得すると、MPの総量をさらに10倍にする。

精霊魔法の威力4倍、レベルにより威力補正が上がる。(最大5レベル)


【大罪】<暴食>(熟練度 50/100)

 あらゆる物を食い尽くすスキル。満たされぬ空腹は常に獲物を求めている。

効果:25%の確率で相手の持つスキルを奪う事が出来る。又、食事効果を50%強化する。

追加効果:魔食 周辺に在る魔力を喰らいMPを回復させる。飢えた狼は敵の魔法さえ喰らう。


ふむふむ、<精霊強体>は<精霊体>の強化スキルみたいだな。<精霊の羽>もレベル2にになって強化されている。シアの背中に4枚の羽根が出来てるな。


問題は大罪スキルまでもが強化されちゃってる事だ。追加効果何て在るの?純潔には無いぞ?


「ふふふ、私達の元の種族を忘れたのですか?私達は元々暴食花。食べる事で糧を得ていた種族ですよ?」

「そこに暴食何てスキルが加わったら強くなるのも仕方ないって事か?でも暴食が強化されたんなら<ソウルコネクト>を使った時に又暴走しないか?」

「それは大丈夫でしょう。旦那様の純潔も強化されているみたいですし。」


そう言えば純潔の熟練度が上がってたな。さすがに追加効果は覚えてないみたいだが。そもそも純潔って言うスキルの事何も解って無いんだよなぁ。


「その内に出会えますよ。さぁこれで修行は終わりました。飛行船の方はどうなっていますか?」

「今地上で組み上げ作業と最後のパーツの修理が始まってるよ。」


ピロン♪


【修理終わったで!】

【凄い船が出来ました!アインさんも撃墜されたリベンジに燃えてます!】

「どうやら修理は終わったみたいだな。」

「そうですか。ではお手並み拝見と行きますね。」


今すぐ厄災の討伐!とはならないけどな。飛行船の最終調整と武装チェック。それから討伐隊をどうするかで話し合いをしないといけない。


「合流してからが本番だろうなぁ。」


なんてのんびりしながら言えたのもここまでだった。なぜか空からの隕石攻撃と、空中大陸を囲う嵐が大陸を丸々飲み込んでしまったからだ。まさか厄災達が自分達に迫る脅威に気が付いた?慌てて俺達を排除しようとしてるってか。


「ここが健在だと補給基地として使えちゃいますからね。」

「まったく空神の奴。大事な空中大陸のピンチだって言うのに手助けもしないのか。」

「恐らく出来ないのでは?何か在ったんじゃないですかね?」

「厄災イベントの解放が早すぎてその対応に追われてるとか?」

「・・・・・ありそうですわね。」


結界に絶え間なく降り注ぐ隕石と雷。この世の終わりの様な光景を見上げながらどうするか考える。と言ってもせっかく覚えたソウルスキルを使うしか無いんだけどな。


「という訳で使うぞシア。」

「はい!ママを助けるよ!」

「「<ソウルコネクト><捕食結界>!!」


シアとルドのソウルスキルが発動

捕食結界の効果によりエアリオン全土が結界に包まれる。

シアの残りMP600ポイント


メテオジェリーの攻撃

岩石魔道・射出・パワーチャージ・狙イ穿ツ者スキルが発動

ダメージ2000ポイント


捕食結界の結界強度が238000ポイントに低下

捕食結界の効果発動 結界強度239000に回復 シアのMPが10ポイント回復 残りMP610ポイント

【暴食】の追加効果 MP500回復 シアの残りMP1000


うん、これなら結界の維持は大丈夫そうだな。


「もうパパ何やってるの!ちゃんと守って!」

「うん?守ってるだろ?」

「ダメージ受けちゃってる!パパが守ってくれない駄目なの!」

「この結界は旦那様の防御スキルも乗りますよ。だからちゃんと守って下さいね。」


あぁ、結界強度が下がり続けちまうといつか割られるからちゃんと守れと。防御スキルの効果乗らないもんだと思ってた。すまんなシア。


ルドの防御

万想の鎧・双璧・金剛巨人体・純潔スキル発動

金剛巨人体の効果発動 ルドのHPを500ポイント消費し受けるダメージを50%カット ルドの残りHP500

スキルコンボ!!万想の鎧・双璧・純潔スキル発動により<守護者の鎧>が発動 ルドのHPが350ポイント回復 ルドの残りHP850 ダメージ-600ポイント


ダメージ-1500ポイント ダメージ半減


ルドの防御スキルの効果が<暴食結界>を強化する。


クライドの雷攻撃

雷魔道・雷神・狙い目スキルが発動

ダメージ1000ポイント


ダメージ半減効果 ダメージ500ポイント 結界強度に変動なし

シアのMPが10ポイント回復 残りMP990ポイント

【暴食】の追加効果 MP500回復 シアの残りMP1000


「うっしこれなら何とかなるな!」

「もうすぐアインさん達も到着しますわ!」

「アインさんから連絡です!雲の化け物を倒したら隕石を潰しに行くって言ってます。」

「あっ!あれは!」


ごぉっ!


嵐の中を何かが突き破って大きな影が現れた。船首に龍の顔を持ち。銀色に青いラインの入った船体で。翼と後部に巨大な推進機関を持った新たな飛行船が俺達の居る上空を通過して行く。


『ふはははは!見たか!!これが新生したウィンドル、否!『ウィンドラ』の姿だ!!』


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る