第436話

落ち込んで、復活して、料理していたらなぜかクリンとルゼダの姿が変わっていた!!一体何が起こったんだ!!嘘だよ知ってるよ。何か無茶してた2人をシーラと師匠が助けたんだよな。ちらっと見てたから解るよ。


「しっかしデバフがきつ過ぎないかコレ?2人は大丈夫か?」

「修行だと思って乗り切りますよ。」もぐもぐ

「書かれていませんけど経験値取得等にも影響でそうですわね。」パクパク

「ん~!旦那様のオムライス美味しいですぅ~!」

「貴方もそう思う?ルドきゅんの料理かなり美味しいのよねぇ~。」

「あっちゃんとベニちゃんとルリちゃんの分置いとかないと駄目ですよ!!」

「うまうま。」

「(゚д゚)ウ-(゚Д゚)マー(゚A゚)イ-…ヽ(゚∀゚)ノ…ゾォォォォォ!!!!」


ドォォォォォォォンッ!!


2人のステータス変化の報告を受けていたら突然城の一部が爆発した!敵の襲撃か隕石が結界を抜けて来たのか?


「報告します。物質転換炉の炉心が爆発。負傷者は居ませんが作業をしていたルリ殿、ベニ殿が消えました。」


城から走って来た兵士さんがそんな報告をシーラにしてくれる。っておいおいそれって2人共死に戻ってるじゃないか!


ピロン♪

【堪忍やでルド兄。ちょ~っと失敗してしもた。】

【ごめんなさーい!】


渦中の2人からチャットが届く。一体何したんだ・・・。いや、それより2人が元気そうで良かった。デスペナは受けているだろうけどな。インゴット化しているヒヒイロカネはどうなった?死んだ場合は持ち物の大半がドロップしたはずだよな?


【2人共無事か?アイテムとか装備で落とした奴は在るか?】

【うちらは無事やでー。インゴット化に慣れて一気にやろうとしたんが失敗やった。】

【制作失敗でのデスでは持ち物は落ちないみたいです。一種の救済措置みたいですよ?その代わり施設の修繕費としてお金が大量に落ちちゃうみたいです。】


確かに生産していて死んで、その場所にアイテムを落しても拾いに来れば良いだけの話だしな。高難度の生産では何度も死に戻るらしいし、拾う手間は無い方が良いか。売ればお金も取り戻せるだろうしな。


【ヒヒイロカネのインゴットは出来たんだな?】

【出来とるで~。鉱石半分残っとるけど。】

【インゴットで10個は在りますから大丈夫です!私達先に飛行船ドッグに行って渡してきますね。】

【追剥に気を付けろよー。】

【はーい!】

【インベントリに入れて運ぶから心配いらんで!ほな。】


まぁこれで目的の1つは達成できたか。これで地上での修理が始まるな。


「すまんシーラ。うちのメンバーが無茶して施設を壊したみたいだ。」

「大丈夫です。どうやら修繕費を置いて行って下さったみたいですし。時間は掛かりますけど直せますよ。」

「それで2人は戻って来ますの?」

「いんや。そのまま飛行船ドッグにヒヒイロカネを持って行って修理して貰うとさ。」

「それじゃあ僕達はどうしようか?」

「この力を試してみたいですわねぇ。」


ルゼダが手に黒い靄を生み出しながらニヤリと笑う。絶対狙ってやってるだろ。完全に悪役っぽいぞ。


「旦那様はこちらでシアと修行ですよ。シアの修行は途中なんですから。」

「あっやっぱり?ルゼダ達の言う通りだったな。」

「じゃあルドきゅんは私と修行の続きよ。」

「次は何を覚えるんだ師匠?」

「使える魔力量を増やすわよ。<自然体>もしくは<調和>を覚えて貰うわ。その後に<生命力増強>と<オーラシールド>ね。」

「<自然体>と<調和>でMP総量が上がりますの?」

「どちらも自然界から魔力を分けて貰うスキルなのよ。覚えたら魔力の吸収量と貯蓄量が上がるわ。」

「私も覚えたいですわ!」

「僕もせっかくだから覚えたいです!」

「私もルドさんと一緒に修行します!」

「はいはい、今回は特別に教えて上げるから落ち着きなさいな。まぁ覚えられないと思うけど。」


師匠の特訓はいつも無茶苦茶だからなぁ。皆が付いて来れるかどうかが非常に心配になる。俺に関しては過去に色々やって来たから問題無い。心を殺す方法は身に着けているからな!どんな修行も無心で乗り切るぜ!


「パパが何か悲壮な覚悟を決めたの。可哀そう。」

「(((uдu*)ゥンゥン」

「はーい、シアちゃんはこっちで特訓ですよー。アイギスちゃんも来る?」

「((-ω-*≡*-ω-))んーん」

「シアと行かないのか?じゃあアイギスは何するんだ?」

「(*・・)σ」


アイギスが指さしたのは絶賛後片付けが行われている工房だった。もしかしてあそこにある物質変換炉って言うのが気になるのか?


「(・∀・)ウン!!」

「という訳でアイギスにその炉を見せてやってくれないか?」

「大丈夫ですよ。そこの貴方聞いていましたね、アイギスちゃんを案内してあげて。」

「はっ!」


さっき報告に来てくれた兵士が残ってくれていたのでアイギスの案内を頼んだ。何やらウキウキしながら一緒に城に入って行ったが・・・・。そこはかとなくやらかしそうで不安になって来たぞ?大丈夫か?


「はいはいこっちに集中する!まずは地面に穴を掘りなさい。あなた達は森から木の枝や葉っぱ、それと枯れ葉を集めて来る係ね。さっさと動く!」

「穴はどれくらい掘るんだ?」

「貴方達が入って首から上が出るくらいよ。」


あぁ、これ地面に埋められる奴だ。


「枯れ葉集めて来まーす!」

「樹は伐採しても良いんですか?」

「良いですよ?」

「それじゃあ僕が樹を集めるね。」

「私は何をすればよろしいんですの?」

「花でも集めて来なさい。」

「解りましたわ。」

「ちゃんと根っこから集めて来るのよー!植え直すんですからねぇ!」


3人が森に素材を取りに向かった。さて俺は早速穴を掘りますか。こんなもん巨大化すれば一気に「大きくなるのは禁止よ。普段の貴方のサイズで作業しなさい。これも修行よ!」駄目でした。普段のサイズって言ったらリアル身長と同じって事で良いのか?平均市長くらいしか無いが・・・・。まぁ師匠がそれでやれって言うならそうするか。意味が在るんだろうし。


「あと素手で掘りなさいね?」

「あいよ。」


指導者モードに入った師匠は口答えを許さないからな。言われた事を淡々とこなすだけだ。


全員分の穴を掘り終わった頃にリダ達も戻って来た。1人1人別の穴が居るって言うので掘るの頑張ったぞ。穴の中で座ると頭が地上に出るくらいの深さだ。


そして案の定師匠は穴の中に全員入れと言う。俺は逆らう事無く大人しく穴に入った。すると頭上に木の枝や葉っぱに枯れ葉をかぶせられて完全に視界が遮られる。俺が掘ったスペースだけが身動きできる範囲だ。ちょっと大きめに掘って置いて良かったよ。


「その中で瞑想しなさい。周りに在るモノ全てを感じ取るの。土も、風も、日の光りの温かさも、月夜の寒さも、木々の木漏れ日も、余すことなく全てを自分と同化させるの。これはかなり難しいわよ?だから覚悟しなさい。」

「ちなみにいつまで続けるんだ?」

「シアちゃんの修行が一段落するまでよ。それまでに覚えられなかったらこの騒動が終った後に続きをやるわよ。もちろん貴方達もね。全員に覚えさせないと私の沽券に関わるわ。」

「「「えっ?」」」


覚えられなかったらそれでも良いと思っていたのか、リダ達が師匠の発言に驚いている。いやぁ、師匠結構責任感強くてなぁ。一回お願いされた事は完遂するまでやるぞ?だから普段人からの願い事は聞かないんだよ。


「さぁさぁさっさと集中する!覚えたらそれだけ早く終わるんですからね!」


師匠の掛け声で俺達は目を瞑り自然と一体になろうとし始める。さて、シアの修行が終わるまでに覚えられるかな?


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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