第434話
ルドさんが合体技を覚えたのに自身に何も恩恵が無い事に落ち込み、お城の中庭の隅で落ち込んでしまいました。
「パパ元気出して!」
「俺の呪い強力過ぎないか?うぅぅぅぅ、ぐすん。」
「。・゚・(ノД`)ヾ(゚Д゚ )ナデナデ」
ALOの時と違って努力でスキルが強化出来るんですから、あそこまで落ち込むとは思っても居ませんでした。私も慰めに行きたい・・・・。
「経験値とドロップってシアちゃんに入るやんな?」
「どうしてルド兄さんはあんなに落ち込んだんですか?」
「ルドさんはALOの時から攻撃出来ませんでしたわ。その所為で経験値とドロップ品を自分で手に入れるという、当たり前を経験していませんでしたの。」
「それがやっと解消されると思って喜んだら、案の定何も手に入らなくて一気に落ち込んじゃったって訳だね。」
「経験値かぁ。あの感覚ちょっとムズムズするやんな。」
「スキルの熟練度とか、変化に使われてるんですよね?」
ベニちゃんとルリちゃんの言う通り、ALO2ではレベルの概念が無くなった代わりにスキル制のゲームに変化しました。ですが経験値という概念はマスクデータとして残っているのです。
敵を倒すと体にほんのわずかに何かが流れ込む感覚があり、スキルに自動的に割り振られます。検証班の報告によりますと、戦闘でよく使っていたスキルに経験値が多く割り振られる傾向に在るみたいですね。そして一定以上の経験値を獲得したスキルは、強化もしくは進化します。新たなスキルに派生する為の材料になる事も在るとか。
「逆に経験値なしであれだけのスキル持っとるルド兄は化け物やのになぁ。」
「前に話を聞いたらほとんど引継ぎで、クラッシュデータが突然復旧したスキルも在るって話だったよ。」
「クラッシュデータが在るとはいえ、あのスキル習得速度はさすがに化け物ですわよ?」
経験値が無い場合は本当に努力でスキルをゲットするしかありません。その労力は経験値在りの人のスキル習得の3倍はするそうです。一体どれだけ修行してるんでしょうねあの人は。
「そこはまぁ優秀な私と言う師匠が居るからかしらね?」
「出た。ルド兄のストーカーや!」
「でも本当にシチートさんの指導力の賜物かもよ?」
「違いますよ。ルドさん一度集中しちゃうと他の人が止めようとも自分の気が済むまで徹底的にのめり込んじゃうんです。だから修行も言われた事をずっと繰り返して訓練しているんじゃないですか?」
「まぁそうとも言うわね。ルドきゅんの集中力は異常よ。私の攻撃を受ける修行何て、常人なら1時間もすれば嫌がって逃げるのにぶっ通しで1日やり切っちゃったんだから。さすがにあの時は精神を心配したわ。」
ルドさん本人は昔経験した訓練よりも温いって笑ってましたけどね。どんな所に居たのかは決して話してくれませんでしたけど。唯の自衛官じゃないですよね絶対。
「まぁそんな事は良いですわ!それよりシーラ女王。ヒヒイロカネをインゴットに出来る施設は在りますの?あれば借り受けたいのですわ。」
「あの人が落ち込んでいるのをそんな事と割り切るなんて貴方達は本当に旦那様の仲間なのですか?」
「ルドさんが攻撃力が無くて落ち込むのはいつもの事ですので。」
「構っていたら時間が掛かり過ぎますわ!!」
クリン君もルゼダちゃんも酷いです。ですがいつもルドさんは自力で元に戻ってますので、こちらはこちらで話を進めとかないと行けません。じゃないといつまで経っても飛行船が修理出来ませんから。
「まぁ良いでしょう。そちらは何時か交易が再開された時の為に残されてますよ。このお城にも在ります。ですが誰が使うのですか?この鉱石をインゴットにするのは並大抵の腕では出来ませんよ?」
私達の中でその可能性が在るのはルリちゃんです。ですが地上に戻ればもっと腕の良い職人さんが居るかもしれません。その設備地上に持って行けないのでしょうか?
「残念ながら無理ですよ。とっても大きな設備ですもの。マロちゃんが潰れちゃいますね。」
「きゅ~・・・・・。」
「取り外しは可能ですの?」
「取り外し工事だけで一カ月くらい掛かりますね。」
待ってられませんね。それではここでインゴットにするしかありません。どうですルリちゃん?出来ますか?
「一応師匠から希少鉱石のインゴット化の方法を聞いてるで。」
「じゃあ出来るんだね。」
「多分やけどな。燃料も在るんやろ?」
「そちらも備蓄してますよ。」
「ほな早速作業に取り掛かるとするわ。」
「手伝いは必要ですの?」
「ベニに手伝って貰うから問題無いで。という訳で行くでベニ!」
「解ったよお姉ちゃん!!」
「この2人を案内してあげて。」
「畏まりました。」
メイドさんに連れられてお城の中に入って行くルリちゃんとベニちゃん。さて、私達はこの間何をしておきましょうか?
「地上に戻ろうにもルドさんがあの状態じゃ嵐を抜けられませんわね。」
「それなのですが、そこの貴方と貴方。少しよろしいかしら?」
「僕ですか?」
「私もですの?」
クリン君とルゼダちゃんが何故かシーラ女王に呼ばれました。シーラ女王様はじっと2人の事を観察する様に見ています。
「やはり、貴方達無理矢理スキルを1つにしましたね?色々な所に齟齬が出ています。」
「あー、解りますか?」
「なんでバレたんですの?」
「あんた達いつの間にアレに手を染めたの?駄目よそんな事しちゃ。」
「2人共どういう事?」
どうやらシーラ女王とシチートさんはその方法について知っている様子。私には何の話かチンプンカンプンです。
「2人は経験値を使って無理矢理スキルを纏める外法を使ったのです。その技術は今は失われている物のハズ。どこで知りましたか?」
「・・・・・ちょっと教会の地下でダンジョンのボスに教えて貰いましたの・・・・。」
なんと!ダンジョンのボスからそのような手法を聞いていたのですね!その方歩が在ればスキル同士をくっつけて好きなスキルを作り出せるわけですか。
「駄目ですよ。外法で作ったスキルは成長しませんから。」
「簡単に言うと他人の手足を体にくっ付けて増やす感じよ。それがきちんと動かせると思う?」
「絶対無理ですね。」
「でしょ?この2人は何を焦ったのかその力を使ったのよ。」
「効果を複数持つスキルはいくつか在りますが。この2人が使っているスキルは“特別な役職と認定されなければ使えない”スキルです。このままでは2人の体は・・・・。」
「どうなっちゃうんですか!?」
「筋肉ムキムキのキラリと歯が光る堀の深い暑苦しいナイスガイと、アメコミ風の影の濃いこちらも堀の深い爆乳美女になります。背景にカラフルでデカい効果音を伴って。」
嫌です!そんな画風の違う2人見たく無いです!というより一緒に行動してたら白い目で見られそうです!!
「どうしたら2人を助けられるんですか!?」
「それは簡単よ。外法を止めれば良いの。こっちには精霊の女王様も居る訳だし。簡単に解除してくれるわよ。」
「精神に造詣の深い悪魔も居ますしね。今であれば解除は容易でしょう。ですが最終判断は2人に任せます、どうします?」
「どうしますと言われても?」
「このままだと強くなれないという訳ですわよね?」
「そうです。無理矢理くっつけたスキルは一切成長しませんから。」
シーラ女王の話が本当かどうか確認は出来ません。ですが2人は思う所が在ったのか、シーラ女王とシチートさんの話を真実として受け取っている様子です。
「新しいスキルも増えないし、おかしいと思ってたんだよね僕は。」
「私もですわ。ですから解除の方をお願いいたしますわ。」
どうやら2人は決断したみたいです。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます