第431話

「よいしょーーっと!!」ガツーン!!

「はぁ・・・はぁ・・・。もう疲れましたわ・・・・。」

「僕ももうスタミナが無いよ。」

「リダ姉は何であんなに元気なん?」

「私も元気だよ?」

「ベニは体力お化けやないか。」


私達はずっとヒヒイロカネの鉱脈と格闘していました。直接掘り出す事が敵わないのであれば周りを!と掘り進めていますが、周りの岩石も異様に硬くて苦戦しています。


それでも何とかスキルを使って掘り進め、もう少しで鉱脈が手に入る所まで来ました!!


「これでどうですかぁーー!!」


ピンポンパンポーン⤴ 旅人が初めてソウルコネクトを習得しました。今後ソウルコネクトを習得した者同士で合体技が放てるようになります。詳しい情報はヘルプにソウルコネクトについてとお尋ね下さい。ピンポンパンポーン⤵


「あっ!?」ガギンッ!!


全力で振り下ろしたピッケルは突然のワールドアナウンスで狙いがハズレ、鉱脈の方に命中してしまいました。その所為でピッケルの先は曲がり、振動が手に伝わってきます。


「あわわわわ!しびしびしびれれれれれ!!」

「はいはい、回復しますわよー。」

「あー、完全に曲がってもうてるやん。直す為に炉が欲しいわぁ。」

「今は予備のピッケルを使うしかないね。」

「もう予備は無いよ?」


振動からの麻痺状態から復活すると、手には完全に粗大ごみになったピッケルが・・・。実は何度か採掘を失敗していてこれが最後の一本だったのです。どうやってヒヒイロカネを採掘しましょう?


「仕方ない、発破を掛けるよ。」

「威力を抑えて下さいましね。底が抜けたら大変ですわ。」

「鉱脈の周りに添って小さく爆発したらええと思うで。もう少しで取れそうやもん。」

「お姉ちゃん解るの?」

「金属の事やからなんとなく?感覚やから期待せんでね?」


クリン君がせっせと鉱脈の周りに爆弾を仕掛けてくれています。この鉱脈結構大きいですからね。MPポーションを使って入念に準備しています。その間に私達はさっきのワールドアナウンスについて話し合いをしましょうか。


「ソウルコネクトとは何ですの?・・・・・・ふむふむ、合体技を使う為の前提スキルなんですわねこれ。」

「でも合体技やったら使ってる人おったやん?」

「ヘルプによると今までの見て来たのは合体技ではなく合わせ技、似て非なる物らしいですわ。本来の合体技ですと、威力が2倍以上に膨れ上がり効果範囲も格段に広くなるみたいですわ。」

「それって簡単に覚えられるのかな?」

「ソウルコネクトの習得方法は・・・・。特定の住人と親密度を上げて仲介を頼む事ですわね。師弟関係にある状態ですと師匠がやってくれる場合が在るみたいですわ。条件は仲の良い人と一緒に話しかける事。解放された今ですとクエストが発生するみたいですわね。」


ほうほう?それでは私とルドさんでそのソウルコネクトが覚えられると?なんせ私達はとても深い、ふかーい仲ですからね!


はっ!?ルドさんと合体技が出せるようになればルドさん念願の攻撃力が手に入るのでは!?これは急いで戻って報告しないと!


「うちとベニでも合体技って出来るんか?」

「出来るみたいですわよ?ただどのような合体技が出るかはその人のスキル構成が影響するみたいですわね。」

「狙った合体技は出ないんですか?」

「スキル構成である程度方向性は決める事が出来るみたいですわ。」

「準備出来たよー。」


おっと、話し合いをしているとクリン君が戻って来ました。鉱脈の方を見ると岩石に小さな爆弾が無数に張り付いています。


「念の為にマロちゃんに乗って避難しましょう。」

「そうですわね。マロちゃん起きて下さいましー。」

「爆発可能範囲ギリギリでスイッチを入れます。」

「さっさとやって戻るでー!」


全員がマロちゃんに乗り込んだ後、ゆっくりと上昇する様にお願いしました。徐々に上昇して行くマロちゃん。そしてクリン君が爆弾のスイッチを入れます。


ボボボボボボボボボン!


鉱脈の周りで小さな爆発が連続で起きました。土埃が凄いですねぇ。しばらく上空待機していると視界がクリアになり、鉱石が地面に転がっている様子が見えました。


「やりました!採掘成功です!」

「底は・・・。抜けてないね。ふぅ~、無事に成功して良かったよ。」

「これで戻れますわね。」

「いや、インゴットにせなあかんやろ?これからはうちの仕事やね。」

「どこかで炉を借りないといけないね。」


ヒヒイロカネを含んだ鉱石を回収して、私達は城に戻りました。中庭に到着して私達が最初に見た光景は・・・・・・。


「あわわわわ、どうしましょうどうしましょう!?」

「何慌ててるのよ!こうなったのもあんたの所為でしょうが!あぁルドきゅんしっかりして!!」

「。・゚・(ノД`。)・゚・。うわぁぁん」


慌てる女王様と、その女王様を叱責するシチートさん。そしてただただ泣いているアイギスちゃんの姿と、その横に聳え立つ巨大な樹木。そしてその樹木に取り込まれているルドさんの姿でした。一体全体どうしてこんな事に!?


ちょっとだけ時が巻き戻る。


「これで<ソウルコネクト>を覚える事が出来ましたね。」


シーラがスキルを覚えた俺達を見て頷いている。いやぁ、変な空間でシアと一緒に全裸になる光景を幻視しちまったよ。


「これでどうするのママ?」

「パパと協力して結界を生み出すんですよ。はい、<精霊魔法(守)>のスキルオーブです。これを使いなさい。」

「あら、スキルオーブ何て久しぶりね。現代だとかなりのレアものじゃない。どうやって手に入れたの?」

「ふふふ、後継者を見つけた時に使えと空神様に貰っていたのですよ。さぁどうぞシア。」

「はーい!・・・・覚えたよー!」


俺が口を挟む間もなくシアがスキルオーブを使った。さて一体どういうスキルなんだろうか?結界が張れる代物だとは思うが・・・・。


<精霊魔法(守)>(Lv1)消費MP500

魔法の効果範囲内を守護する結界を張る。結界は魔法発動者の意思で効果を変更出来る。※このスキルは熟練度によって効果範囲が変わる。現在半径100メートル


うむ、完全に守る為の魔法だわ。こんな細かく分類されてていいのか精霊魔法?いや、攻撃系は結構大雑把だからこういう細かいのは特殊な魔法になるのか?


ピロン♪友魔シアが精霊魔法(癒)(治)(守)を覚えました。スキルが併合して精霊魔法(守護)を入手しました。


おっと新しい精霊魔法を覚えたと思ったら精霊魔法が合体したな。精霊魔法(守護)ってどんな魔法なんだい?


<精霊魔法(守護)>消費MP10~500

対象を守り癒す魔法。消費するMPの量によって効果が変動する。

対象のHPを10~500ポイント回復する。

ダメージを100~500ポイントカットする結界を張る。

状態異常を回復する。

消費MP10 毒・麻痺・盲目・気絶

消費MP50 石化・猛毒・氷化・火傷

消費MP100 呪縛・緋毒・洗脳・催眠

消費MP500 死の呪い・ゾンビ化・隷属


なげぇっ!!今までの魔法の説明と違って滅茶苦茶詳細が細かい!特に状態異常回復に至ってはルゼダの祈りより細かい!!さすが複合魔法って事なのかこれは。


しかも状態異常の中に恐ろしい効果の奴が在るんだが・・・・。まぁ逆に考えたら表記されている状態異常はシアが回復してくれるんだから心配いらなくなったんだな。


「覚えましたね?」

「うん!」

「しかしこれだけだと結界の威力が弱い気がするが?」

「あら、あなたは精霊の羽の効果を知っているはずでは?」


そう言えば精霊の羽のスキルレベルが上がったら精霊魔法の威力が上がるんだった。最大レベルが5だと解っているが、倍率に関しては予測しか建てられてない。10倍くらいになると考えているがな。


「ちなみに<精霊の羽>は<精霊の翼>に進化しますよ?」

「まじで?」

「えぇ、私の羽がそうですから。」


そう言えばシーラの羽はシアのとは違って色が濃いもんな。常に光りを放っているし進化したスキルだったからか。


「さて!2人共スキルコネクトを覚えましたしシアは精霊魔法も覚えました!早速実践してみましょう!」


シーラの威勢のいい声に俺達は早速合体技を使ってみる事にした。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る