飛行船修復と新しい技

第430話

私達ヒヒイロカネ探索隊は今、空の上からルドさんの作った金属の柱を探しています。ルドさん曰く結構高めに作ったからすぐに見つかるはずというお話でしたが・・・・。


「見つかりませんね?」

「そう言えばルドさんって地面操作で棒は作れないじゃなかったっけ?」

「あっ!?そうですわ!武器判定になるから作ってもすぐに消滅してしまうと自分で仰っていましたわ!」

「あかんやん!ルド兄その事をすっかり忘れとるやん!」

「やらかしちゃったねぇルド兄さん。」


これでは目印が在りません!いったん戻ってルドさんに新しい目印を作って貰わないと!


そう思っていたのですが、明らかに異質な物体が鎮座しているのを発見してしまいました。それは森の中に突然現れた三角錐。解りやすく言えばピラミッドの様な物が見えたのです。


そしてそのピラミッドの頂点にはぽっかりと穴が開いています。まるで突き刺さった棒を抜き取ったかのように。


「これ絶対ルドさんが作った目印だよね?」

「恐らくそうですわ。攻撃判定を受けた棒の部分が消えて。土台だけが残ったんですわね。」

「結構大きな物を作った言うてたから、土台も巨大になったんやなぁ。」

「あの穴から中に入れそうだよ?」

「早速行きましょう!お願いしますマロちゃん!」

『きゅっ!』


私達は見つけた目印から地下に潜ります。このまま一直線に降りれば鉱脈が在るはず!


「明かりを付けますわ。」

「そのランタンも大分活躍してるよね。」

「最初期からの相棒ですわ!」

「そろそろ一番下に到着するんちゃう?」

「突き抜けて大陸の下に出たりしないかなぁ・・・。」

「その前に鉱脈に辿り着くから大丈夫だと思いますよ?」


そんな話をしていたら周りの地面の色が変わって来ました。土の色だったのが次第に固そうな岩石に変わって来たんです。


「そろそろ辿り着きそうですわね。」

「あっ!あれとちゃう?」


ルリちゃんが指さしたのは丁度穴の最下層。そこに赤く輝く鉱石が見えてきました。


「多分あれです!」

「早速採掘しますわよ!」

「・・・・・単純な疑問なんだけどね?希少金属でかなり固いヒヒイロカネをどうやって採掘するの?」

「ピッケルなら持って来てますよ?という訳でマロちゃんあそこに降りて下さい!」

『きゅあ。』


さぁ早速採掘しますよ!そーれ!


ガァーン!!


「・・・・・・ピッケルの先が曲がりました。」

「やっぱり。この状態でもかなり固いんだ。」

「ルド兄が簡単に動かしてたからもっと柔いもんやと思ってた。」

「どうする?これ以外に何も持ってないよ?」

「こういう時は周りの地面から崩すのですわ。」

「最悪僕の爆弾で発破を掛けるよ。」


すぐに見つかったのは良いですけど、かなり時間が掛かりそうです。でも頑張りますよ!


・・・・・・・・・・


さて、シアの修行って話だったがなぜか俺も一緒に受ける事になった。一体何をさせられるんだ?


「シアには私の持つ術を全て伝えますが、それだけでは恐らく発動できないのです。そこであなたの出番です。シアの契約者であるあなたと協力すれば、シアは私よりも強い結界が張れるようになるのですよ。」

「つまり合体技って事か?」

「そう言う事です。やはりあなたと私は以心伝心なのですね。」

「いや、普通に考えたら解ると思うが?」


何を言っても肯定してすり寄って来るの止めてくれないか?隙あらばボディタッチしようとするのも勘弁してくれ。


「ちょーーっと待ったぁーーーーー!!」


そう思っていたら空から人影が舞い降りた!一体全体誰なんだぁーーーーーー!!・・・・・うん、まぁこの場合師匠しか居ないよな。


「そこの女!ルドきゅんにベタベタするんじゃないわよ!!」

「あら?私はこの人の妻なのですよ?だったら別に構いませんわよね?」

「それは貴方が勝手に言ってる事でしょう?現にルドきゅんは困ってるわよ?」


師匠とシーラは俺とシアを放っておいてバチバチやり合い始めた。話が進まんだろうが!!


「はいストーップ!!戻って来るのが早かったな師匠?レースはどうだった?」

「ルドきゅんへの愛でぶっちぎりの1位に決まってるじゃない!」

「あなたへの愛なら負けませんよ!」

「だからやめい。それよりも早く修行の話に戻ってくれ。」

「待ち草臥れたよー。」

「(*´з`)」


ほら、2人で遊んでたシアとアイギスまで文句言い始めたぞ?


「仕方ありませんね。どっちが正妻かは後で話し合うとして「負けないわよ!」「どっちも妻じゃないだろ!」修行の内容ですが。2人には<ソウルコネクト>というスキルを覚えて貰います。」


<ソウルコネクト>?直訳すると魂の繋がりか。それを覚えたらどうなるんだ?


「神々がもたらしたスキルと言うのはその者の魂に宿ります。ソウルコネクトは双方の魂を繋ぎ、お互いが持つスキルに干渉する技なのです。」

「ちなみに言っておくわ。ソウルコネクトは本当に強い絆を持たないと覚える事が出来ない、取得難易度超高難度のレアスキルよ。夫婦や親子みたいに血の繋がりや生涯一緒に居る事を誓い合った仲でも覚える事の難しいスキルね。」

「そんなに覚えるのが難しい技なのか?」

「魂の奥底で繋がるのよ?その不快感で無意識に繋がる事を拒否する人が大勢いるわ。隠し事をしている人とかなら特にね。」


ふーむ、シアに隠し事・・・・。あぁ、インベントリにバケツプリン隠してるな。今度シアと会った記念日にプレゼントしようとした奴が。それくらいか?


「シアは大丈夫か?」

「多分大丈夫~。」

「なら早速やってみましょう。補助は私がしますね。」

「貴方だけに良いカッコはさせないわよ?私も手伝うわ。」

「なら貴方は旦那様の補助を。私はシアの補助をしますね。」

「旦那じゃないからな?」「貴方のじゃないわよ!」


もう良いからさっさとやってくれ・・・・。


「ではまず2人で向き合い両手を繋いでください。」

「こうか?」

「パパちっちゃーい!」


小学生低学年くらいの身長しかないシアに合わせて俺も体の大きさを調整する。1メートル20センチ位になったら丁度良い感じだな。そして師匠はなぜに鼻息が荒い?


「ショタルドきゅんハァハァ。ジュルリ。」

「・・・・まじめにやってくれ師匠。」

「手を繋ぎましたね?では目を瞑って。」

「(*゚д゚*)ドキドキ」


シーラに言われたとおりに目を瞑る。うむ、何も見えんな。あっこら師匠!尻を撫でるな!!


「では行きますよ?シアは旦那様に繋がるように魔力を通しなさい。あなたはそれを受け入れるのですよ?」

「はーい!」

「おう、解った。」


シアと繋いだ手から暖かい何かが流れ込んでくる。これがシアの魔力、MPか。うーむ、元気で溌溂とした感じだなぁ。ちょっと熱い位か。まぁ風呂に入ってる感じだな。リラックスる出来るなぁ。


おっ?胸の部分に温かいのが来たな。ん?ちょっとくすぐったい?何か探してる感じか?どうしたら良いんだコレ?


「ルドきゅん、シアちゃんの魔力を受け取って上げて。入り口を作る感じよ。」


引き込んでやれば良いのか?ほーれこっちだぞーっと。おっ?胸の中に入って来た。あー、なんとも言えない落ち着く感じがするなぁ・・・・・。


「ほあー、パパの中凄く暖かいぃ~。」

「あらあら、思ったよりも2人の相性が良かったですね。まさか一発で成功するとは。」

「ちょっと意外だったわね。シアちゃんの性質からルドきゅんの魂を齧っちゃうと思ったけど。」

「パパにそんな事しないもん。ふにゅ~。」

「あらあら、シアったらよっぽど心地良いのね。溶けちゃってるわ。」


あー、周りがなんか言ってるが全然耳に入って来ないー。俺も溶けるぅ~。


ピコン♪<ソウルコネクト>を習得しました。


<ソウルコネクト>(Lv1)

魂で繋がった相手と合体技(コネクトスキル)を放てるようになる。それぞれが持つスキルを合成して放つ技は、強力な効果を持つ。お互いの繋がりが強くなる程強力なスキルでコネクトスキルが発動できるようになる。コネクト対象【シア】


ピンポンパンポーン⤴ 旅人が初めてソウルコネクトを習得しました。今後ソウルコネクトを習得した者同士で合体技が放てるようになります。詳しい情報はヘルプにソウルコネクトについてとお尋ね下さい。ピンポンパンポーン⤵

 

毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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