第429話

アインの元に戻ってきて瓦礫の片づけを手伝う俺。ん?ダンジョンはどうしたって?初心者の旅人とシルの連れて来た兵士達であっという間に1回目の攻略が終って待機だよ。


内部は枯れていた時と同じで一直線の洞窟しか無く、最後に待ち受けている石巨人を倒したら終わりだった。初心者武器を使った物理攻撃で十分ダメージが入ってたし、スライムと同じくらいに弱かったんじゃないかアレ。念の為に一緒に中に入ったけど全く出番が無かったわ。


墜落現場で突然居なくなった事をアインに怒られながら、何とか全ての瓦礫を運び終えた俺はログイン制限時間になって一回ログアウトしている。これで巨神鎧の無敵技が使えるぞ。まぁその巨神鎧にちゃっかりサイレント修正が入ったが・・・。


<巨神鎧>(万想の鎧 金剛巨人体 純潔)※このスキルコンボはログイン中1回しか発動できない。再使用にはゲーム内で24時間の経過が必要。(使用可)

HP総量の半分を捧げる事でダメージを無効化する。(5分間 スキルコンボ発動時自動発動)

相手の広範囲攻撃を一身に受け無効化する。キーワードは「数多を守れ」(使用時 影響範囲+威力のダメージを受ける。)

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金剛巨人体・純潔の熟練度により効果を順次解放


はい、ログイン中1回しか使えないという表記に時間制限まで着きました!えぇえぇそうですよね!ログイン中1回しか使えないなら、何度もログインとログアウト繰り返せば使いたい放題だもんな!しっかり見てるぜ運営さんはよぉ!!


まぁ愚痴っても仕方ない。瓦礫の搬入をした場所から造船ドッグの中に戻るとするか。


「ご苦労様ですわルドさん。」

「使えそうなパーツは大体揃えられましたよ。」

「大きな装甲が残っていたのは幸運やん!これを使って機関部の外装や配管が作れるやん!」

「浮遊機関は残って無かったのか?」

「飛行船後部に配置されていた2つが無事だったやん。壊れてしまった2つに関しても修理用の素材は揃ってたやん。」

「ではやはり機関部に使われていた結晶体の修復だけがネックなんだな。」

「そうやん。どうしても希少金属が必要やん。」


メガネ達の協力を得て船体の修復は始まっている。元々ルシファーは総金属製の船体にドラゴン素材の装甲を張り付けた代物だったが、今回は最初からドラゴン素材を組み込んで作り直すらしい。船の竜骨と呼ばれる所を文字通りドラゴンの骨で組み上げている所だ。内装や壁何かにも最初からドラゴンの鱗を使うらしい。良くこれだけの量の素材を集められたよなシルは。


「うーん、ドラゴン素材を使うならやっぱり龍の心臓の方が良い気がするんだけどなぁ。」

「それじゃ駄目やんクリン。浮遊機関との相性が悪いやん。」

「その浮遊機関をドラゴン素材で作れ無いんですか?」

「今回集めた素材の中に、浮遊機関を作り出せる物が無いんですよ。向こうにも旅人が訪れ始めてドラゴン素材の価値も急上昇してしまっていますしね。この素材達もかなり無理を言って集めて貰った物なんですよ。」


おっシルの奴が帰って来たな。石巨人の洞窟の調査が終わったらしい。しかし素材の値段が高騰してるのか、ドラゴン素材は旅人からしたら垂涎の代物だもんな。多分買い漁ってる奴が居るんだろう。転売してる奴はいないだろうな?購入制限を掛けてと転売をしないと契約書を書かせてる?契約書は魔法を使った奴だから破ったら全財産没収になると。なら安心だな。


「それにしても無い無い尽くしだなぁ。」

「仕方ないやん。この原初の飛行船を作った天才が悪いやん。希少素材を惜しげもなく使われているから修復も一苦労やん。せめて修理方法を残してくれていたらもっと簡単やったやん。」


すまん、その修理方法が書いてあるアイテム。ダンジョンで使っちまった。こらシル、そこで笑うな。別の事に使ったのがバレるだろうが。


「ルドきゅん差し入れよー。」

「唐突にどうした師匠?それと俺だけじゃなくて皆にも配ってやってくれよ。」

「それはアッチに大鍋で置いてあるわよ?それよりも私の手作りのお弁当を食べて食べて!」

シュル、バクッ、ゴクンッ!「ご馳走様。味はイマイチ。パパが自分で作る方が美味しいよ?」

「なんでシアちゃんが食べちゃうの!?」

「危ない匂いがしたから?シチートお姉ちゃんはお弁当に何を入れてたの?」

「・・・・・・・・。さぁもう準備は整ったのだし空中大陸に行きましょう!!」

「(; ・`д・´)」


師匠のこの反応・・・・。こいつ媚薬の類を混ぜてやがったな!明らかにシアの指摘に動揺してやがる。あのまま弁当を食べてたらどうなっていたか・・・。助かったぞシア!


さて、師匠の言う通りかなり寄り道してしまったからな。他のアイテムで何とか出来れば良かったが、それが出来ないならさっさとヒヒイロカネを取りに空中大陸に行くとするか。


「うちは浮遊ユニットの修復も在るし、ここに残って船体の修理と設計を手伝うやん!」

「その技術をしっかりと学ばせて頂きます。」

「私はルドきゅんに着いて行くからね!」

「私も一緒に行きたい所だが、聞けば空中大陸は認められなければ身動き取れないそうじゃないか。自力で飛行する手段も今の所私には無い。だからお前達に託す!ちゃんと報酬も用意しておくからヒヒイロカネを持って来てくれ!」


ここまで来てアイン達を見捨てる何て事はしないさ。瓦礫撤去の時にウィンドルのクルーからも頼まれてるしな。


「任せて欲しいのですわ!絶対にヒヒイロカネを持ってきますわ!」

「探すのに時間が掛からなければ良いけどね。」

「頑張って探してきます!」

「ルド兄の地面操作で大体の位置を探ればええんや。簡単やろ。」

「向こうに着いたらルド兄さんとは別行動だよ?シアちゃんの修行が在るもん。」

「せやった!」

「向こうの女王もルドきゅんに粉掛けようとしてるらしいじゃない?一番付き合いの長い私がバシッとルドきゅんが誰の物か分からせてあげるわ。」

「一番付き合いが長いのは私です!!」


うんうん、メンバー全員やる気十分だな。(一部のやる気が違う方に向いている事からは目を逸らしつつ。)それじゃあ行って来る!!


・・・・・・・・・・・


さくっと空中大陸到着っと。無敵技はやっぱりチートだわぁ、何事も無く空中大陸に辿り着けた。嵐の攻撃と隕石攻撃が帰る時の倍以上になっていた気がするが・・・・。あいつ等も俺達を落そうと必死になってるのかね?


降り立ったのは王城の中庭だ。戻って来たらここに来ても良いとちゃんと許可は貰ってるぞ。そして早速兵士達に連れていかれるシチート師匠。まぁ彼女はレースしてないもんな。一応知り合いだと伝えたけど、やっぱり試練は受けないといけないらしい。


「すぐに戻って来るから待ってなさい!」


戦闘能力で言えば簡単に勝てる兵士達に連れていかれながら、師匠はそんな捨て台詞を吐いて王城の外に消えていった。


「お帰りなさいませあなた。皆さんも、お早いお帰りでしたね。」

「そうか?結構向こうでゆっくりして来たと思うんだがなぁ。」


俺達が到着した事を聞いたのか、シーラが中庭に姿を現した。さて、こっから俺達は別行動になる。その前に皆にはヒヒイロカネが在る場所を示しておかないとな。


「という訳で<地面操作>!!」


影響範囲内であれば金属を集められる。だったら影響範囲の地面を自由に動かせるんじゃないか?そう思って試したら出来たからな。このスキルを使えばヒヒイロカネが在る場所に棒を伸ばして目印を作れる。壊されたら消えてしまうが、そこは金属で作ってしっかりと固定すれば大丈夫だろう。


ゴゴゴゴゴゴ!


遠くの方で地響きが鳴り響く。どうやら1か所に固まって鉱脈が在るみたいだな。複数個所に離れていなくて良かった。ここからでも見える位置・・・では無いな。


「これで目印は出来ただろう。」

「ありがとうございますルドさん。それじゃあマロちゃんを借りますね。」

「沢山取れたら私達の装備にも使いたいですわね。」

「今度は何時手に入るか分からないんだから使わないで取って置かない?」

「くぅー!希少金属を使った装備作ってみたいわぁ!」

「沢山取れたらだからねお姉ちゃん?」

「シアはママと修行~。」

「σ(゚∀゚ )」

「アイギスは俺と一緒だな。」

「( ´ ▽ ` )ノ」


本当なら俺もヒヒイロカネ探索の方に参加したいんだがなぁ。シアの修行の為に俺の力が必要だと言われたら残るしか無いだろう?という訳で探索の方は皆に任せるぞ!


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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