飛行船修理の為に・・・。探せ!伝説の金属!

第425話

空中大陸を飛び発った俺達は無事に城塞首都に戻って来る事が出来た。何?嵐と隕石はどうしたんだって?マッハで飛ぶマロ+無敵障壁を発生させる俺が居るんだぞ?あっという間に抜けたに決まってるだろ。


まぁその際クイナにはかなり怖い思いをさせてしまったがな・・・・。


「絶対死んだと思ったやん・・・。地上を見る前に天国が見えたやん・・・・。」

「まぁまぁ、こうやって無事に地上に来られたんですから。」

「さすがに隕石の雨が降って来るとは思わんかったなぁ。」

「ルドさんじゃないと絶対受けきれない攻撃だったよね。」

「やっぱりパパは凄いの!」

「( ・´-・`)」


まぁ同じ方法は1回ログアウトしないと使えないんだけどな。さぁマロ、クランハウスに着陸してくれ。


「きゅっ!」


順調に飛行を続けるマロ。首都の様子は・・・・特段何も変わっていないように見えるな。訓練場は今だに封鎖状態か。中に居るのは守備隊の人達とアインの仲間達だな。マジックドールも瓦礫の撤去を手伝っている。


そう言えば空中大陸でマジックドールを一切見なかったなぁ。物資が無くなって作られなくなったか?それとも見なかった理由が在る?戻った時にシーラに聞くか。


もう少しでクランハウスに到着するという所で遠くの方から土煙が上がっているのが見えた。しかもその土煙は真っ直ぐに俺達の方向に向かって進んできている。


「魔物でも居るのか?」

「ここ街中ですよ?魔物とは考え難く無いですか?」

「なんで2人は惚けとるん?」

「現実を直視したく無いんだよお姉ちゃん。」

「土埃の原因はバッチリ見えていますわ。」

「答えが解っているのに認めたく無いんだね。」

「アインが走ってるぅ~。」

「ヾ(*´∀`*)ノキャッキャ」

「あれが地上人やん!?何を考えてるか分からない顔で走って来てて怖いやん!!」


うん、現実から目を逸らしちゃいけないな。いやここはゲームの中だけどな。


土埃を上げながら走って来るのはウィンドルの艦長で在るアインだ。見事なスプリント走りで有象無象(通りすがりの善良な住人や旅人の事。)を弾き飛ばしながらこっちに向かって来ている。それも無表情で!


一体全体何が在った?もうそろそろ到着するかもって連絡は入れたが・・・・。あっ原因はそれか。


マロがクランハウスの庭に着陸すると同時くらいに、アインが見事なドリフトを決めながら俺達の前に走り込んで来た。


「やっと戻って来たか!!待ち草臥れたぞ!!」


ききぃーーー!!ぶわぁっ!


「げほっごほっ!」

「つ、土埃が!ケホケホ。」

「口の中がじゃりじゃりしますわ!」

「ちょっとは手加減して欲しいわぁ。ケホケホ」

「おー、良い走りでしたね!私もいつかこれくらいの衝撃を相手に与える様になりたいです!」

「そんな事はどうでも良い!!飛行船技師は何処だ!!」

「あそこだよ~。飛んでっちゃった。」

「私飛べてるやん!?だったらもう飛行船は必要ないやん!」


それは飛んでるんじゃなくて吹き飛ばされてるだけだから。翼を広げて飛んでる気分を味わってるところ悪いがもうそろそろ墜落するからなそれ?


案の定あの後すぐに墜落して頭にたん瘤を作ったクイナが、ルゼダに回復魔法を掛けて貰いながら戻って来た。


「うぅぅぅ、酷い目に遭ったやん・・・。」

「はいはい、今治してますわよ。痛いの痛いの飛んでけー。」

「うっ!すまない。ウィンドルが直せると思って興奮してしまった・・・。」


しょぼんと肩を落とすアイン。まぁウィンドルに対する思い入れは人一倍だからなぁこの人。


「なんで無表情で走って来ましたの?」

「それは戻って来ると聞いたのになかなか戻って来ないからだな。」

「それに関しては申し訳ない。色々とあって出発が遅れた。」

「いや、ちゃんと戻って来てくれたからそれは良い。それでこの人が飛行船技師で間違いないのか?」

「うちは飛行船技師の卵やん!爺ちゃんの後を継いで飛行船技師を復活させるやん!」

「・・・・・・。つまりまだ飛行船を修理した事が無いという事か?」

「そうやん!」

「話が違うじゃないか!!」


いやいや落ち着け。元々飛行船は大半を旅人が組み上げた飛行装置何だぞ?重要部分がシッカリと作れればそれで充分なんだって。


「それでな?ウィンドルの機関部に宝石の様な物が落ちてなかったか?」

「宝石か?それはどんな奴だ?」

「赤い宝石のハズやん。透明度の高い菱形をしているハズやん。」

「赤い・・・・菱形?うーん、形は違うがこんな物が出てきているが、これは違うのか?」


そう言ってアインが取り出したのはがっつり割れた後の在る赤い三角錐の結晶だった。それを見てクイナが落胆した。


「あー、真っ二つに割れてるやん・・・・。」

「やっぱりこれじゃ修理出来ないか?」

「もう一個の結晶を見つけてくっつける必要があるやん。その為の素材も必要やん。」

「なんだ?これがそんなに重要なのか?どこの部品か分からなくて一応全て私が持っているが。」

「持ってるなら話は早いやん!全部ここに出すやん!!」


アインが結晶を全て取り出す。どうやらさっきのが一番大きな結晶だったみたいだな。他の決勝になると、さらに半分になって居たり、とても小さな破片になっている物も在った。


「これは修復が難しそうですわね・・・。」

「これ何てほとんど砂だよ?どうやって拾ったんだろう。」

「念のために敷物を出しておいて良かったです・・・。」

「これ無くしたら大変やもんな。」

「どうですクイナさん。これって直りそうです?」

「・・・・・・。ここまで粉々になっているとなるとちょっと難しいやん・・・。」

「そっそんな!どうにかならないのか!本当に駄目なのか!!」


アインの奴がまるで我が子が不治の病に侵されたみたいな表情でクイナに掴み掛かっている。でもなぁ、俺から見てもこれを修理するのは骨が折れそうなんだが?


「何か方法は無いのか!?なんでもするから頼む!!」

「ん?今なんでもするって?」

「こらルドさん!」

「茶化しちゃ駄目ですわ。」

「駄目だよパパ!」

「(乂・ω・´)ダーメッ」

「御免なさい・・・。」

「・・・・・そう言えば爺ちゃんがもしあのコアが壊れたらこうやって直すと良いのでは?って考察してた資料が在ったやん?」

「それですよクイナさん!その資料どこに在るんですか!」

「確かリュックの一番底の方に入れたハズやん?」


そこからはもう大仕事だった。何せ小さなリュックのハズなのに大量の資料が詰め込まれているもんだから、鞄の中から次から次へと資料がどんどん出て来る。加えてどれがその資料なのか情報をまったく知らない俺達には判別出来なかった。とりあえず取り出してそれっぽい物をクイナに確認して貰うという作業が3時間は続いた。


そしてとうとう、リュックが完全に萎み。その横に資料の山が出来る頃になるとその資料がやっと見つかった。


「在った!これやん!!」

「やっやっとか・・・・。」

「本当に最後の最後に出てきましたね・・・・。」

「滅茶苦茶大変でしたわ!!」

「シアもう疲れたぁ~。」

「_( _´ω`)_ペショ」

「それで!!どうやったらこれが直るんだ!重要な物なんだろう!?」


そう言えばアインにはこれが何なのか一切説明しないままここまで来てしまったな。


「これは飛行船の動力機関に使われていた魔力貯蔵庫兼変換コアやん。これが無いと飛行船は飛ぶことが出来ないやん。」

「うんうんそれで?直す方法が在るんだよな?」

「直すにはオリハルコンもしくはヒヒイロカネが必要やん。結晶と一緒に特殊な培養液に漬ける事で、結晶が自己修復を始め元の姿を取り戻す。かもしれないと書かれているやん。」

「ウィンドルが直るなら何でもいい!それでオリハルコンとヒヒイロカネとやらは何処にある!私が取って来る!!」

「そんなの知らないやん。」


うん、まぁそんな気はしていた。そもそも空中大陸に長く閉じ込められていた鳥人が、そんな希少金属の在る場所を知ってる訳ないわな。昔だったら交易していた関係上どこに在るか知っていた可能性も在るが。いや、その情報を元に探せば出て来るか?


「それはどのような金属なんですの?」

「オリハルコンは虹色に輝く金色の金属やん。ヒヒイロカネは赤く輝く金色の金属やん。どちらも伝説上の金属やん・・・・。」

「そっそんな・・・・。伝説の金属何てすぐに見つかる訳が・・・・。」


ん?赤く輝く金色の金属?どっかで見たような・・・・・。


「なぁなぁルド兄。うちその金属見た事在る気がするんやけど。」

「あぁ俺もそんな気がしてた。」

「お姉ちゃんもルド兄さんもまだ思い出さないの?空中大陸で作った炉の中身がそれだったでしょ?」

「「そうだった!!」」


俺達はすでにヒヒイロカネを見つけていたらしい。いやぁ、偶然って怖いな。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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