第422話

リダ達が行方不明になった飛行船技師を探しに行ってすぐ後の事。俺は絶賛大ピンチを迎えていた!!


「なんで全員服を脱いでるんだよ!!」

「あなたがそんな所に引き籠ってしまったからですよ?どうやっても壊せないのですから、あなたの方から出てくるように仕向けないと行けませんでしょう?」

「だからってメイドさん達も巻き込むんじゃないよ!まぁ鳥の全裸なんか見ても興奮はしないけどな!」

「あら、腕の翼と頭部以外は普通の人と同じはずですが?ほら。」

「強がっただけですすみません!だから障壁に張り付かないで下さい!!」


障壁に当たって胸のお山が潰れて目の毒なんだよ!何で俺の周りにはこう変な女しか居ないんだ!!お淑やかで恥じらいを持って下さいお願いします!!


「今時そんな方は少ないのでは無いですか?欲しい物はどんな手を使ってでも手に入れる!!そんな強かな女性の方が成功を収めているんですよ?」

「だからって肉食過ぎんだろうが!!」


まぁ現状俺が目を瞑ってしまえば見えないから良いんだけどな。ふはははは!シーラの策破れたり!!


「あたなの命令でメイドさん達を脱がしましたとリダさんでしたっけ?あの方にお伝えしても良いんですよ?」

「俺の命が風前の灯になるので止めろ下さい。」


こんな事を言い始めるから何とか服を着させようとするが、言葉だけじゃ一向に動いてくれない!頼みの綱のシアとアイギスも・・・・。


「このお菓子おいしーね♪」

「(゚∀゚)ウマウマ」

「まだまだ沢山ありますから一杯食べて下さいね?」

「はーい!」

「( ´ ▽ ` )ノ」


この様に、メイドさんの1人に完全に餌付けされちまってる!しかもこっちの様子を見せないようにパーテーションを配置する気配りまで!!教育上よろしくない状態だから大変助かるが、そこに気配り出来るなら俺の心情を察してこの状況を止めやがれ!!


「ルドさーん!やっとクイナさんを連れて・・・・。何じゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「うわぁ、部屋の中がモザイクで何も見えないや・・・・。」

「一体全体どういう状況ですの?まぁ100%如何わしい事になってるのは解りますけど。」


こんな最悪な状況でリダ達が帰って来てしまった!?唯一救いなのはどうやらリダ達には部屋の惨状が全く見えていない様子。さては年齢制限に引っ掛かったな?これならまだいい訳も出来る筈!!


「ルド兄のエッチぃ~。」

「破廉恥ですよルド兄さん!!」

「えっ!?どうしたやん?皆にはこの状況が見えてないやん?裸の女性が男の人の周りを囲ってるやん?」


ぶちっ


ニヤニヤしながら余計な事を言うルリと、顔を真っ赤にして起こるベニ。そして見た事無い女性が何故か俺の状況を実況してくれやがりました!!そして聞こえる何かが切れる音・・・。あぁ神よ。俺が一体何をしたというんです?絶対俺女難の相が出てるよ・・・・。今度お払いにでも行くか。HAHAHA・・・・はぁ・・・・・。


「ルドさんのばぁーーーーーかぁーーーーーーー!!」


リダが突き出した拳から眩しい程の光りが迸り、俺の周囲を染めて行く。そして俺の意識はその白い光りに飲まれて消えて行くのだった・・・・・・。


「変な事口走ってますけど、普通に防御してますわよ?」

「障壁が全部受け止めちゃったね。」

「あの恐ろしい攻撃を受け止められるとか化け物やん・・・・。」

「なぁなぁ、ルド兄は良いとして他の人はどうなったん?人がおったんやろ?」

「大丈夫やん。皆あの男の人の障壁の後ろに隠れたやん。全員無事やん。」

「あぁ良かった。リダ姉が人を殺しちゃったかと思った。」

「あぁ、何だかんだ言ってあなたは私達の事を守ってくれたんですね!これは体でお礼をしなければ!だから障壁を解除してくださいね。あ・な・た?」


嫌じゃい!解除した瞬間に襲われてリダに消し炭にされるのが見えてるから嫌じゃい!本当にいい加減にしないと全員リダにぶっ飛ばされるぞ!


何とかリダ達の手を借りながら現場をリセット!メイドさん達には服をきちんと着てもらい。シーラに関しては俺の半径2メートル以内には近づかないように皆に周囲を固めて貰った。本当、なんでそんなに俺にくっ付きたがるのかこれが分からない。


「残念です。まぁお楽しみは後に取って置きましょう。」

「お楽しむ事は何も無いからな?俺は一切何もしないからな!!」


そんな事より早く飛行船技師を紹介してくれ!そしてとっととここから逃げるぞ!!


「はいはい、この方が飛行船を修理“出来るかもしれない”クイナさんですわ。」

「クイナやん。よろしくお願いしますやん。」

「ん?修理出来るかもしれない?修理出来る人じゃなくて?」

「飛行船を1から組み立てる程の修理が出来る人は残念ながらこの大陸に残って居ませんよ。この人が唯一その知識を継承している人なのです。」


ほうほう、つまり知識は在っても実際に修理した事が無い人なのか。でもほら、1人くらい修理経験者が残ってたりしないか?どっかに隠れてるとかさ。


「残念ながら。そもそも飛行船技師が廃業してしまった理由が後継者の追放と言う名の大量処分と、継承者の高齢化なんです。このクイナさんのお爺さんが最後の飛行船技師でした。20年前に亡くなった時に飛行船技師はこの大陸に居なくなってしまったんです。」


おっおう・・・。飛べる奴等が飛べない人達を大量に殺した話は聞いたが、そこに繋がって来るのか・・・・。まぁそりゃやっと手に入れた権力を脅かそうとする奴が居れば処分したくなるだろうが、実際にやっちまったらそれは唯の外道だろ。


「もちろん実行犯や計画していた者達はすでに処分済みですよ?」ニッコリ

「・・・・・。処分の内容に関しては聞かない事にする。普通にその笑顔が怖いわ。」

「それが賢明かと。」


まったく、ふざけている時はそんな迫力無かっただろうに。腐っても女王様って事かい。


「まぁでも知識が在るだけマシだ。なんてったって機関部と浮遊ユニットを作れさえすれば良いんだしな。」

「問題はそれやん。うちは設計図は持ってるけど、実際に作った事は無いやん。それに、作り上げる為の素材が必要やん。地上にはそんなに素材が沢山あるやん?」


素材と言うけど具体的には何が必要なんだ?


「炉心には空気中に漂う魔素を取り込んで魔力に変換する為の素材が必要やん。ドラゴンの心臓辺りが適してるやん。浮遊ユニットには飛行型の魔物の被膜が在れば十分やん。」

「ドラゴンの心臓と言えば昔手に入れた巨大な魔石の名前だったな。それで合ってるか?」

「そうやん。死んでも力を失わず、特殊な加工によって空気中の魔素を魔力に変換するように出来るやん。」


あれはドラゴニアと交流を深めた時に手に入れて、地竜の卵を温める為に使ったっけなぁ。城塞首都に残ってたりしないかね?もし無かったらドラニア地方に行ってみて素材を探さないとだな。


「飛行型の魔物の被膜は何でも良いというお話でしたけど。ドラゴンの被膜でも良いんですか?」

「ドラゴンの心臓を使うならドラゴンの被膜が一番相性が良いやん。次点でワイバーンの被膜やん?」

「似たような種族の素材の方がええって訳やな。」

「集めるの大変そうですねぇ。」

「魔力を伝達する導線は似た種族の血管か、血を吸って育った植物の蔓を加工するやん。」

「むぅ、結局はドラゴン素材を集めた方がより良い物が出来る訳ですわね。」

「その通りやん。」


いや待て、それはおかしいんじゃないか?だって最初に飛行船を作った時はまだドラゴン素材は手に入って無かったぞ?なんせドラゴンを狩りに行く為に使ったくらいなんだから。だから他の素材でも良いんじゃないのか?


「最初に作った人が天才過ぎたやん。金属で魔素を変換する装置を作り上げたやん。この文献には賢者の石を使ったって書かれてるやん。」


どれどれ。うわマジだ。動力炉には光り輝く赤い結晶体を用い、高効率の変換を行っていたって書いてあるな。固く、壊れず、何をしても傷がつかなかったらしい。修理してた爺さんも動力部に関しては弄れなかったってメモ書きが在る。


「それなら残骸の中に残っている可能性もありますね。」

「そうですわ!そんなに壊れ難いならそのまま残っている可能性がありますわ!」

「何にしてもクイナを連れて一旦城塞首都に戻る必要があるな。使える素材と使えない素材を見極めて貰わないと。という訳でシーラには悪いが俺達は一旦地上に戻るぞ。」

「仕方ないですね。地上に戻るにはあなたの飛竜を使わないといけないそうですし、今回は我慢します。ですが、この方達を地上に送り届けたらすぐに戻って来て下さいね?シアの本格的な修行を始めますので。」

「簡単に継承できるとか言ってなかったか?」

「結界を張る力以外にも教えて上げたいじゃないですか。その為の修行ですよ。」

「パパ!シアやりたい!もっと強くなってパパを助けるよ!!」


うーむ、シアがやる気になってる所に水を差すのもなぁ。・・・うっし!なら俺達はすぐに戻って来て修行するか。シチート師匠もついでに連れて来て俺の修行も一緒にやって貰おう。


「解った。すぐに戻って来る。それじゃあ皆!一旦城塞首都の帰還するぞ!」


俺達はやっと飛行船修理の為に地上に戻る準備を始めるのだった。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る