第419話

リダ達がクイナの家の大掃除をしている頃ルド達はと言えば・・・・。


「成程なぁ。そうやって飛べない連中を助けたって訳か。それで今は食糧問題だけは解決したんだな?」

「そうです。でもその所為で飛べる人達には特権を与えないと行けなくなり・・・。」

「差別が助長されたと。まぁでも緊急の処置としては良いんじゃないか?そもそもが飛べる奴等が飛べない奴全員を追放する何て言いだしたのが問題だし。」

「ひどい話だよねぇ~。」

「(((uдu*)ゥンゥン」


シーラ女王に無理矢理私室に連れ込まれた俺は、何をされるかと戦々恐々としていた。だって部屋には馬鹿でかいベットが在って、侍女の人が何人も待機してたんだぞ!シアとアイギスは喜々として女王の傍に行っちまってるし、抵抗できない状態で・・・・・。なんて最悪な状況も思い浮かんだんだからな!!


だけど女王は何をするでもなくベランダに出て、テーブルに人数分の椅子を並べさせお茶会を開き始めた。もちろん強制参加させられた俺達は、そこで女王が行った政策の話を聞いていたって訳だ。


「しっかし50年でそこまでしか改革出来てないんだなぁ。」

「一番の問題が飛行技術を失った事ですから。これ以上の政策は現状難しいのです。ですが今日あなたが来た。旅人が戻ってきているという事は、地上の争いは終わったのでしょう?」

「あぁ、戦争は終わってるよ。だから交易自体は再開できると思う。最悪でもシルに頼めば城塞首都とは鉱石の遣り取りは出来る。どれくらいの量が可能かは分からないけどな。それよりも問題は外の雲と隕石だろ?」


俺の言葉に表情を曇らせるシーラ。シアとアイギスは呑気にメイドさんからおやつを貰ってパクついている。こらこら君達、シリアスが続かないからそんな嬉しそうな顔するんじゃないよ。あぁこりゃ駄目だ、貰ったお菓子が美味しいのか2人共背中に花が飛んでら。


「私達もただ手をこまねいていた訳ではありません。討伐隊を組織したり、残った資源を使って対抗する装置を作ろうとしました。ですがそのどれもが失敗に終わったのです。」

「どちらにも痛手を負わせられなかったと?」

「雲の方は一時的に追い払う事に成功したのですが、隕石の方は無理でした。敵の姿は張るか上に在り、その姿が確認出来なかったのです。こちらから攻撃も出来ず、向こうから一方的に攻撃される。何とか姿だけでも確認しようと奮闘しましたが見つからず、時間だけが過ぎて雲の方が回復してしまったのです。」


まぁ敵の名前からしてクラゲみたいに半透明な奴だろうかなぁ。下から見上げても薄っすらとしか分からんだろうし見つけずらいだろう。えっ?なんで敵の正体が解るんだって?ログにしっかりと残って居たじゃないか。“メテオジェリーの攻撃”ってさ。メテオは隕石、クラゲはジェリーフィッシュとも言うだろ?だから敵の正体はクラゲだと推察したんだよ。


「つまり雲は対処できると。うーん、だったらなおさら飛行船が必要だよなぁ。」

「あなたの乗って来たマロでしたっけ?あの子では駄目なのですか?」

「いや、駄目じゃないんだがちょっと問題が在ってな。」


メテオジェリーの居る場所が成層圏の上としたらそこは完全に宇宙だ。つまり空気も何もない空間。そこにマロが行けるかと言われれば行けると言える。だけど殆ど行動出来なくなるんだよなぁ。


ALO2で宇宙に出た事が無いからはっきりとは解らないが、人の生きていけない空間で宇宙服も無しに活動できるようにセカンドライフ社がこのゲームを作っているとは思えないんだよ。なんせ水中でもスキルが無いと呼吸できなくて溺死するんだぞ?水中移動のスキルが無いと身動きも取れないんだぞ?


酸素は指輪が在るから良いとして、真空と無重力に対する対策は現状なぁーんも出来ない訳で。敵の近くによしんば行けたとしても、身動きとれなくなって殺されて終わるぞ?ベニやリダなら何とか出来るか?いや寒さでマロがやられるか。機械は寒さに結構弱いからなぁ・・・・。


「マロに寒さ対策を施した所で移動は浮遊ユニットを持っているマロ頼り。自由に動ける2人が居たとしても制約が多すぎる。何も出来ないまま落とされて終わるだろうな。」

「地上に在る飛行船が直れば、何とかなると?」

「ウィンドル、まぁ昔のルシファーは飛行“戦艦”だからな。普通に武装積んでるんだわ。それにスペースに余裕が在るからマロに付いてる浮遊ユニットを重力装置にちょちょっと改造して搭載できれば無重力も対策出来る。後は気密性を高めて呼吸問題を解決すれば宇宙戦艦に出来るはずだ。本当ならもう何隻か欲しい所だけどな。」


その際波〇砲も一緒に積むか?・・・・・。アインの奴がノリノリでぶっ放しそうだから危ないな。やっぱり止めて置こう・・・。


「ですが、そのウィンドルはすでに大破しているのでしょう?直せるのですか?」

「技師が必要なのは機関部と動力を伝達する導管、それと浮遊ユニットの設計が必要なんだ。元々俺達が作り上げた訳だが、そこら辺は昔の天才住人が作った設計だったからな。俺達も詳しくは覚えてないんだよ。」


メガネ達なら或いはと思った時も在った。だけどあいつ等も浮遊ユニットと導管の設計図は在っても、配置の注意点やタブーは知らないそうだ。そもそもが機関部の設計図を俺達が持ってない。一番重要な心臓部が作れないからなんとも出来んのだよなぁ。


「それで飛行船技師を探しにここに来られたのですね??」

「そう言うこった。もしリダ達が飛行船技師の協力を得られたら、俺達もそっちに手伝いに行くぞ?」

「えぇ構いませんよ。」

「シアに修行を付けるって話は良いのか?」

「ふふふ、それならすぐに済みますから。」


ふむ、簡単に済むという事はスキルの譲渡が出来るのか?精霊の事はほとんど解っていないから、シーラがどうやって力を与えるのか想像できないな。


「そのシアですが、本当に良い子に育っていますね。」

「ん?まぁいつも助けて貰ってるよ。そう言えばシーラはシアの本当の母親なんだよなぁ・・・。あーなんだ、子供を返せ!とか思ってるか?」

「いいえ、元は親子の関係であっても精霊と成った今は別の存在ですから。それにあなたはシアと離れたく無いでしょう?」


まぁゲームを始めて最初期からずっと一緒に居るからな。今更シアの居ない状態なんて考えられないくらいにはなってるな。


「安心して下さい、無理矢理引き離すような事はしませんよ。ですが、飛行船が直っても空の敵が倒せなかった場合。しっかりと私の後を継いで貰います。」


おぉう、さすが女王やってるだけあって威圧感が半端ないな!空神から頼まれたってのも在るんだろうが、しっかりとこの大陸に生きている者達を守りたいって思ってるんだな。必死さが伝わって来る。


「その時は打開策が出来るまでシアと一緒に守ってやるよ。守りは俺の専売特許だぞ?」

「ふふふ、その言葉は頼もしいですね。星を守った巨双盾神様だけは在ります。」

「おいおい、もうその力は使えないから期待するなよ?」

「えぇ、“今は”使えませんものね?ふふふ。」


何やら不敵な笑みを浮かべて俺の事をじっと見てますな。そもそもあの時は巨神様と空神様に協力して貰って強制的に神化してただけだからな?下手したら俺の脳がパーンして死んでるんだからな?もう2度とやらんぞあんな事。


「さてと、リダ達は一体どうしたかねぇ。」

「パパこれ美味しいよ!ママもどうぞ!」

「(゚д゚)ウ-(゚Д゚)マー(゚A゚)イ-…ヽ(゚∀゚)ノ…ゾォォォォォ!!!!」

「はいはい、おっ本当だな!結構行けるぞ。」

「良かったですわ気に入って頂けて。沢山蜜を出した甲斐が在りました。」

「あぁ、元々花の精霊だもんな。蜜くらい出せるよな。」

「えぇ、この足の間から「ストップ!!教育上良く無いからそれ以上言うな!シアもアイギスも覗き込もうとするな!シーラも股広げるな!!」


まったく油断も隙も無い女王様だな!メイドさんもしっかり注意してくれよ!えっ?注意しても聞かないから諦めた?そこで諦めんなよ!!君達が諦めたらそこで試合終了なんだよ!もっとしっかり教育しろよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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