第408話

洞窟の中に入った俺達。中は真っ暗で何も見えないんじゃないかと思っていたが、そうでも無かった。壁に生えた光る苔が周囲を照らしていて結構明るい。もしやここはダンジョン?

いやそれだったらマップの表示が変わるから違うか。


洞窟のコースには地面と天井から無数に突き出した鍾乳石と、少し奥に頭上から流れ落ちる大量の水が見える。ありゃもう滝だな。先頭の奴らは悠々と鍾乳石を躱し、滝に勢いよく突っ込んでいく。マロもその後を追い、鍾乳石の隙間をギリギリで躱しながら後を追い掛けた。


「しっかしなんでわざわざ滝に飛び込んで行くんだ?水を被らなくても十分飛べるスペースがある様に見えるが・・・・・。あっ!なるほど。ここでさっきのゾーンで喰らったう〇この匂いをここで流すのか。考えてんなぁ。」

「きゅ~っ!」


俺が水に飛び込んで行く鳥人達の真意に気が付いて独り言を言うと、それを聞いたマロが真似をして勢いよく滝の中に突っ込んだ。一発も喰らわなかったのに匂いが纏わりついてる気がして嫌なのだろう。いや俺もそう思う時が在るよ?汚れを流してもずっとそこが汚い気がしたりとか、ちょっと匂う気がしたりとかさ。だから気持ちは解る!


だけどやり過ぎじゃないか?マロが念入りに体を洗うように回転しながら滝に突っ込んだもんだから、結構な量の水を周りにまき散らす結果になったぞ。


「まぁ周りには何も影響しないだろうから良いけどな。」

「きゅ~?」

「ん?どうしたマロ?」


滝を抜けた後に周囲を警戒しだすマロ。何に対して警戒してるんだ?と周りを見回したら、苔の明かりの中に蠢く物を見つけた。


⁽⁽(ી₍₍⁽⁽(ી⁽⁽(ી₍₍⁽⁽(ી(^ω^)ʃ)₎₎⁾⁾ʃ)₎₎ʃ)₎₎⁾⁾ʃ)₎₎ウネウネ


おぉっ!なんとも懐かしい魔物が出て来たな!!あれはシアの元の種族であるベビーレイシアでは無いか!!どっかにクイーンレイシアも居るのか?ちょっとレース中に会いたくはないなぁ。


⁽⁽(ી₍₍⁽⁽(ી⁽⁽(ી₍₍⁽⁽(ી(^ω^)ʃ)₎₎⁾⁾ʃ)₎₎ʃ)₎₎⁾⁾ʃ)₎₎ウネウネ

⁽⁽(ી₍₍⁽⁽(ી⁽⁽(ી₍₍⁽⁽(ી(^ω^)ʃ)₎₎⁾⁾ʃ)₎₎ʃ)₎₎⁾⁾ʃ)₎₎ウネウネ

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⁽⁽(ી₍₍⁽⁽(ી⁽⁽(ી₍₍⁽⁽(ી(^ω^)ʃ)₎₎⁾⁾ʃ)₎₎ʃ)₎₎⁾⁾ʃ)₎₎ウネウネ


うん?見間違いか・・・・・。見間違いじゃないな。なんでこんなに一杯居るんだ?


「ってヤバイ!!触手が四方八方から飛んでくる!?」

「きゅっ!!」


洞窟の至る所から俺達を捕まえようと触手が伸びて来る。ってかさっきまで一切姿を見せなかったのに一体全体どうしたってんだ!!と思ってましたらですね。答えはさっき通った滝の下に在りました。よく見ると滝の下に沢山のベビーレイシアが集まって水を吸収してました。つまりこの滝はこの子達の水飲み場で、俺達は盛大にその水をまき散らして食事の邪魔をした悪者なんですねぇ。


鳥人達はそこの所をうまくやっていたんだな。そう言えば翼を畳んで勢いだけで突き抜けて行った気がする。あいつ等ここにベビーレイシアの群れが居る事知ってたな?


⁽⁽(ી₍₍⁽⁽(ી⁽⁽(ી₍₍⁽⁽(ી((# ゚Д゚))ʃ)₎₎⁾⁾ʃ)₎₎ʃ)₎₎⁾⁾ʃ)₎₎ウネウネ

ビュッ!!ビュッ!!


「捕まったら絶対に食われるぞ!!死ぬ気で避けろ!!」

「きゅあっ!」


ベビーレイシアは元々暴食花と言う名前だ。つまりあいつらは常に飢えている状態の花なのだ。見つけた物を蔓で捕まえて花弁の中央に在る口で食べてしまう。攻撃能力を持たない俺達が捕まったらゆっくり齧られて死ぬしか無いぞ!!


しかも何でか知らないが昔のシアみたいにしっかり蔓で顔文字表現しやがって!!ん?この空中大陸には俺達が持ってきた島も入ってたよな?もしかしてシアが何かしたか?こいつらはシアの子供だったりする?だったら俺はお爺ちゃん?ほーらじぃじだよぉー。


ダダダダダダダダダ!!


「ちょっなんで攻撃が激しくなるんだ!ちょっとしたジョーク!ジョークだから!!俺は君達とは無関係です!!だから邪魔者はさっさと退散するよ!」


ヽ(`Д´)ノヽ(`Д´)ノヽ(`Д´)ノヽ(`Д´)ノヽ(`Д´)ノヽ(`Д´)ノヽ(`Д´)ノヽ(`Д´)ノ


迫りくる触手を時には回転し、時には速度を上げ、最後には狭い洞窟で宙返りをしながら進む。事故りそうな中を巧みに飛ぶマロには後でご褒美を上げようと思います。


そして洞窟の奥まで進むとベビーレイシア達は諦めたのか追いかけて来なくなった。もう来るなよ!!と言わんばかりに怒りの顔文字を大量に浮かべて・・・・・。あぁ怖かった。


「きゅぺっ!?」

「今度はどうした!」


一息ついて居たらいつの間にかマロの体に白いネバネバした物がへばり付いていた。もうそのネバネバを見た瞬間に気が付いたね。こういう洞窟にはお約束の虫が居るもんな!!俺達はそいつの巣に掴まっちまった訳だ!!


「クルルルル。」

「やっぱり蜘蛛かよ!でも大蜘蛛辺りを予想してたのに何でアラクネ何だよ!」


上半身すっぽんぽんでボインボインの美女の体を乗っけた蜘蛛が暗闇の中から姿を現す。た一定下半身の蜘蛛にも顔が付いて居たりするんだが、こいつは人間の体がメインなのか下半身に目は無い。黒い紙に赤い瞳が素敵ですね?


そんなアラクネが大きめの鍾乳石から手を伸ばして、糸に絡まったマロを手繰り寄せようとする。だけど残念だったなぁ!マロの推進力はこれくらいの糸じゃ止まらないぜ!なんせマッハで飛ぶからな家のマロは。


「ぎゅーーーーーーーっ!!」シュゴオォォォォォォォォォ!


ブチブチブチ・・・・ブチーン!!


力いっぱい踏ん張ったマロの力に耐えられずに、アラクネの糸は千切れ飛んだ。勢いのままアラクネの巣を飛び出す俺達。進行方向には僅かに光りが見えている!出口はあそこだな!!


ってなんかこの周りに沢山の白い糸が見えるんだが?つまりここって大規模なアラクネの巣なのか?それにしては卵みたいなものは見えないが・・・。


「クルー!」シュバッ!

「回避!!」

「きゅっ!」


巣に居るアラクネたちが飛行しているマロに向かって糸を飛ばしてくる。これもベビーレイシアの時と同じで捕まったら碌な目に遭わんぞ!!


「ぬわーっ!」


すると目の前を飛んでいた鳥人がアラクネの糸に掴まった!あいつはもう駄目だ・・・・。この後頭からボリボリ食われて死んじまうんだぁ・・・・。


「このっ!羽無しの癖に放せ!!離しやがれ!」

ニタァ

「ひっ!やっやめっやめろーーーー!あっあっあーーーーーーーっ!!」


パンパンパンと洞窟に何かがぶつかる音が響く。そして鳥人の男の悲鳴と、何やら甲高い声を上げるアラクネ。・・・・・、あれ性的に食われてね?食事的な意味で捕まえた訳じゃなかったの?よく見ると女性の鳥人を捕まえたアラクネは表情を落ち込ませて解放してるし・・・・。ここってそう言う場所なの?つまりはアラクネのラブホなのか?・・・・ちょっと遊びに行っちゃおうかなぁ。


「ぎゅっ。」

「あぁ!!ちょっとくらい止まってくれても!!」


無情にもマロがスピードを上げてさっさとこのエリアを抜けてしまう。ちょっと休憩するだけでも駄目?あっ駄目ですか、そうですか・・・・・。


光りの中を抜ける俺達、すると眼前に突然崖が現れた!


「マロ急上昇!!」

「ぎぃぃぃぃぃっ!!」


歯を食いしばって上昇を始めるマロ。だがスピードを上げていた所為で慣性によりどんどん崖が目前に迫る!粘れ!頑張って上昇するんだマロ!俺も名一杯体重傾けるから!!


ガリガリガリガリガリッ!!グンッ!!


何とかマロが粘り、後部を崖で擦りながらも墜落せずに上昇に転じた。ふぅ、なんて心臓に悪いレースなんだ・・・・。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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