第394話
巨人説明中・・・・・巨人説明中・・・・・・巨人説明中・・・・・。
「という事が在った訳だ。」
「2体のボスが合体ですか。」
「人や仲間を洗脳してくるなんて家の子達がそんな目に遭うなんて考えるだけで・・・、ブルルッ!!そんなの私達じゃ絶対勝てないですよ。」
「そんな相手にも対抗できるなんてさすが兄弟だな。防御面に関しても以前より固くなって無いか?」
「磯巾着と魚・・・・。人を操る術と海の汚染・・・。確かどこかで・・・・。」
「良く勝てたわねぇ。普通ならそれ死んじゃってるわよ?さすが私のルドきゅん!」
「いやいや、止め刺したのはベニだから。」
俺達が遭遇した厄災、魔禁魚の情報を全部話した。と言っても俺達も知ってる事は少ないけどな。洗脳と魔法で戦っていた2体のボスが合体して、なぜか海全体を汚染する力を持っていたって事くらいか。後は専用装備とドロップ品の情報か?
「その金魚を倒した時に手に入れたのがあの槍か。」
「おう、あれはもうベニ専用装備だからな。他の人じゃ使えなくなってるぞ。」
「攻撃力とか特殊能力が破格ですね。力で奪えるなら狙うって人も多そうですねぇ。」
「あの武器事態に意思でも在るのでしょうか?それにボスそのままの見た目で厄災の力が使えないというのも考えにくいです・・・・。もしやあの武器は成長する?検証したいですねぇ。後で交渉してみましょうか?」
専用装備の名の通り、あの槍はすでにベニ以外が使っても使えない。というよりも他の人は持つ事すらできない。勝手に空中を泳いでベニの元に戻っちまうからな。実はちょっと試したんだよ。
「・・・・思い出しました!!人心を惑わし、海を荒れさせる海魔3匹の話がありましたね。」
「あら、シルちゃんは知ってたの?」
「万魔図書で読んだ事が在りまして・・・・。」
おっ?シルの奴が何か思い出したみたいだな。師匠もその話を知ってるのか?一体それはどんな話だ?
「御伽噺の類でしたが、世界で悪さをしていた海魔、空魔、陸魔、そして人魔の話です。」
これまた壮大な物語をぶっこんで来たなぁ。
「ならそのお話を聞かせて貰えませんか?」
「俺も興味あるが・・・。全員に話しても大丈夫なのか?」
「ルド兄様が信頼している人達です。構いませんよ。」
「一体どんな話なんだろうな?」
「怖い話じゃないと良いです・・・。」
「大丈夫よ、そこまで怖くないから。」
メガネのお願いを聞いてシルはその御伽噺を語り始めた。
遥か昔、神消失の混乱に乗じて魔が生まれた。魔は、この世界を使って遊び始めた。
海に生き、人心を操る外法を使う蔦
海を支配し、近寄る物全てを永遠に閉じ込める臆病者
2匹を従える深き闇の魚
3匹は海を我が物として暴れ回った。しかし、海に生きる者の抵抗と賢者の魔法により魚は姿を消し、蔓と臆病者はどこかに逃げて行った。
空の果てに在り地上に悪さをする雲
空の上で泣き叫び続けている泣き虫
2匹を従える光りの翼
3匹は空を我が物として暴れ回った。空には抵抗する物もなく、今もなお空は3匹の物になっている。
陸の底に眠り、時折その身を揺らして周囲を驚かせる岩
陸の上で思うがままに走り回る怒りん坊
2匹を従える重力の甲羅
3匹は陸を我が物として暴れ回った。だが地上には敵が多すぎた。数多の命の抵抗により、3匹は無残にも粉々に引き裂かれてばら撒かれた。
人の中に在り人を騙す影
人の不幸を笑う笑い上戸
2匹を従える時の鏡
3匹を人の営みを我が物として暴れ回った。今もなお、3匹は人の中に隠れ、人々を嘲笑っている。
気を付けよ。魔は何時でもそこに居る。魔は何度も復活する。
「以上ですね。」
「これが厄災に関係あんのかい?」
「あー、海の部分に関しては大有りだな。蔓は磯巾着で、臆病者はカクレクマノミだな、魚が金魚だとしたらそのままズバリの事を言ってると思うぞ?」
「で、でしたら他のお話に出て来るのも同じ厄災と言う事ですか?」
「たぶんな。」
海の魔が実在していたんだから他の魔が実在していても不思議じゃないだろう。他の面々も同じ事に思い至って今の話を元にどんな相手なのかを考えているみたいだ。
「それを倒せば専用装備が・・・・。ゴクリッ!」
「おいおい嬢ちゃん。さっきの話を聞かなかったのか?兄弟じゃなかったら簡単に全滅する相手に勝てんのかよ。」
「・・・・・無理ですぅ・・・・。」
「私達のスキルを鑑みるにまだ序盤も良い所でしょうからね。今挑んでも返り討ちに遭うのが目に見えてます。ですがこのまま何もしないのでは世界が危ういでしょうし・・・・。」
まぁこの世界の存亡が掛かってるってアナウンスされてたもんなぁ。そう言えば空は魔の支配領域になったままだな。これ大丈夫なのか?もう世界終わって無いか?いや、皆無事だしそれは無いか。空を解放したら何か恩恵でも在るんだろうか?
「ワールドアナウンスでは他の大陸にその魔、厄災が居るって言ってましたね。」
「その情報を聞いて他大陸に渡ろうとする人が増えて困っています。」
「困らなくても良いじゃないの。勝手に行く分には放置すれば良いんじゃなくて?」
「旅人だけでしたらそれでも良いんですが、首都の市民を巻き込む人も多く。現在渡航は取り締まり対象にしています。」
「まぁ行くなら旅人だけで勝手に行けってな。うちもそれで迷惑掛けられたって話が多く来るぜ。」
シルとキリュウは住人の為に色々とやってるみたいだからな。助けた人からその手の情報が流れて来るらしい。中には脅迫紛いな事をして船を無料で作らせようとした奴も居たとか。全くそんな事してもすぐに行けるわけじゃないだろうに・・・・。
「それで?兄弟はこの後一体どうするんだ?他の厄災を倒しに行くのか?」
「うんにゃ。他の厄災は別の人に任せる。俺達はしばらく自己研鑽に励むさ。」
「兄様は厄災を倒す為に動いてはくれないのですか?」
「助けを求められたら動くぞ?だけど俺達だけですべての厄災を倒す事は考えていない。手助けぐらいはしても良いけどな。」
それに全部俺達が倒せるとも思えないしな。よしんば倒してしまって専用装備を独占!!何て事をしたらこのゲームを遊んでいる他の人に申し訳ないしな。
「救援が来たら兄弟も動くんだな?」
「今そう言っただろ?それに今居る大陸からの移動手段をどうにかしないとだな。まぁ俺達にはマロっていう移動に強い仲間が居るけどな。」
「きゅっ?」
「マロちゃんに全員は・・・・乗れないですね。」
「無理だな。」
「まずは移動手段からですね。飛行船の開発技術が失われたのが痛すぎますね。」
「知識は在っても資源が少ないですから。かのゴーレムダンジョンが復活すれば急ピッチで整備できるのですが・・・。」
残念そうに語るメガネ。彼の言葉にシルは資源不足を嘆く。まぁゴーレムダンジョンが復活すれば資源不足は一気に解決されるだろうけどな。
さて、ここまで話した反応だがメガネ達はどうしても直接厄災と対峙して情報収集したいみたいだな。モフモフ倶楽部も関心が在る感じか?あわよくば友魔の強化に繋がらないかとか言ってるな。
逆にシルやキリュウは住人を巻き込まない為にはどうすればいいかを話し合ってるな。今後厄災が巻き起こす騒動に対してどれだけ対応出来るのかを真剣に話してる。後で海底都市の事を教えて置こう。もし同じ物が作れるなら避難場所として活用できるだろうしな。
まっ後は自分達で頑張ってくれ、俺達はのんびりしているから!!
そんな事を考えていたら黙っていたシチート師匠がおもむろに口を開いた。
「まぁ現状ルドきゅんとベニちゃんが居ないと厄災を倒す何て夢の又夢でしょうけどね。」
師匠の言葉に一斉にこちらを見る面々。なんでそうなる?俺達以外にも戦える奴なんてゴロゴロ居るんじゃないのか?
「分かって無さそうだから説明して上げる。無敵時間が使える鉄壁の盾のルドきゅんに、移動しなきゃいけないという制約が在りながらも神さえ屠れるベニちゃんの一撃。これが揃わないと厄災何て倒せないわ。もし倒すならそれ以上のスキルが使えるメンバーが必要になるの。そんなの心当たり在るのあんた達?」
師匠の言葉に全員が首を横に振る。盾はまぁ、盾職を集めてスイッチして行けば何とかなると思うが、攻撃はたしかになぁ・・・・。
「だから結論として、早期に厄災をどうにかしようとしたらルドきゅんとベニちゃんの参戦は必須と言う事よ。だからルドきゅんも覚悟を決めなさい?絶対に声が掛かるわよ。」
「おれこの後師匠に修行つけて貰おうと思ってたんだけど?」
「あら、それならしばらく一緒に動いてあげる。テッタちゃんもしばらく海底都市から戻ってこないでしょうしね。」
ふむ、修行しながら別大陸に移動して厄災討伐か・・・・。いやいや、俺達がやったらまずいんだって。
「わん!!わん!!」
「どうしたで候銀郎?」
突然銀郎が空に向かって吠え出した。他の友魔達も頭上を見上げて警戒している?するといつの間にかシアとアイギスが傍に来ていて、同じように空を見上げていた。
「パパ、何か落ちて来るよ?」
「何かって何だ?」
「⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン」
アイギスが突然両手を広げて驚いたが、その後にもっと驚く事になった。なぜなら、空から煙と炎を吹き出しながらウィンドルが落下してきたからだ。そう言えばアインの奴も呼んだのに来ていなかったな。一体何が在った?
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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