第373話

設置したクランハウスの外観は土壁の様に見える断熱性の高い壁に瓦の屋根。そしてガラスの窓と近代の和風建築の様な物になった。


建物の形自体は大きなL字型の建物だ。L字の頂点に玄関が在る形だな。そしてL字の横棒の部分がキッチンとリビングになる。詳しい間取りはこれから紹介するとしよう。


玄関から入ってすぐは長い廊下になっている。一番奥に扉が見えて、そこには庭に出られる大きな窓の着いたリビング、そしてL字の短い線の外側にキッチンが在る。ここには拘った!!4口の魔道コンロに備え付けられたグリル。その下には鳥が丸々1羽入るほど大きなオーブンが備え付けられている。冷蔵庫は業務用の大型の物を設置してある。その横には同じ大きさの冷凍庫だ。さらにその横にはまったく同じ大きさの食器棚も置いた。流し台も広くて使いやすい物を設置、そして流し台の下には食器乾燥機を備え付けた。コンロと流し台の間に調理台も大きく取った。もちろん調理台の下にも収納スペースが在るぞ!!リビングの中央には全員が座っても余る大きな机と椅子が備え付けられている。片方に10人は座れるくらいの奴だな。テレビなんかの家電は無いからここまで大胆に空間を使えた。壁際にソファーも置いてあるぞ!庭に出られる窓が在る壁には伝言を残せるように黒板が設置されている。ログアウトする時に伝言を残したり、ちょっとしたやり取りにも使えると思う。遊びでXYZとか書き込んでも良い。


長いIの部分には俺達の部屋と全員が集まってミーティングが出来る様に大部屋を取った。Lの外側にくっ付く形だな。個室が必要かシアとアイギスに聞いたら一緒が良いと言ったので、他のメンバーには申し訳ないが広い部屋を貰った形だ。Iの部分を真ん中から上下に分けて、キッチンに近い方が俺達の部屋になる。そして、キッチンと俺達の部屋の間に2階と地下に行く為の階段が在る。2階はLの上に小さなLが乗っている形だな。右手と奥に行く形で右手に3部屋。奥に2部屋の計5部屋取っている。他のメンバーにも広い個室を用意した形だな。メンバーが増えたら・・・。まぁまだ土地は余ってるので離れでも作ればいい。


そして個室の奥に進めばベランダに出る訳だな。L時の長い部分の半分を占めるベランダは結構広いぞ。


そして最後に転移ポータルの在る地下室だ。必要な空間が解らなかったので建物と同じ間取りにしてみた。そんなに大きな空間は必要じゃなかったから、後10個は転移ポータルが設置できるぞ。扉にどこに繋がるか書くようにしている。


風呂は無いのかって?そんな物、各個室に付けたに決まってるだろうが!!エロハプニング何て起こして堪るか!トイレはどうしたって?俺達には必要無いんだよなぁ・・・・。まぁ何かで必要になるかもしれんし、リビングから飛び出す形で男女に分けて作っとくか。Lの縦と横の線が交わる部分がポッコリ下に出る形だな。


以上が俺達『ティーターン』のクランハウスの全容だ。まぁと言っても建物を作っても土地の5分の1も使ってないというね。同じ建物なら後5つ建てられる訳だ。限界まで土地を確保したら余っちまったな。


「おー!!これが私達のクランハウスですか!!」

「偉いこじんまりとしてへん?」

「そう?家より断然広いと思うよ?」


リダ達の個室の広さはキッチンや風呂、トイレを合わせたワンルームマンションと同じ間取りだぞ?俺達に至ってはそれが2つ分だ。それが全部入ってるんだから小さい訳がないと思うんだがなぁ・・・・。


「庶民のルドさんではここまでが限界ですわ。」

「そう?じゃあルゼダだったらどんなのを建てたの?」

「もちろん城ですわ!!和風のお城でも良いですわここはファンタジーの世界!その世界観に合うように白亜の城を建てて私達のクランを宣伝するのですわ!!」

「そんなの建てたら絶対ご近所さんからクレームが来るから止めなさい。」


これからここら辺も開発地区になるだろうし、このゲームに在るか知らんが日照権で訴えられても知らんぞ?


「まだ土地が余っているので問題ありませんわ!!」

「わーーーい!お庭ひろーーーーーーい!!」

「ワァ───ヽ(*゚∀゚*)ノ───イ」

「キューーーッ!!」


まぁ確かにかなり余ってるけどな?その余ってる土地をシアとアイギスにいつの間にか出て来たマロが走り回っている。だからと言って城を建てるのに一体どれだけの土地が必要になるのか解らんし、変に拠点が目立つと動きずらくなるだろう。だからこのままで良いんだよ。それに城がクランハウス何て全然落ち着けないしな。


「あのう!!」

「そろそろ私達も入れて下さーい!!」

「あっ!すまんカイトにテッタ!今入れる!!」


そう言えばクランメンバー以外は許可がないと敷地内に入れないんだったな。敷地の外で見えない壁を叩いていた2人を中に入れるようにしないと。しかし境目が曖昧だなぁ・・・・。外からも丸見えだしこのままだと色々と問題が出るよなぁ・・・・・。ふむ、まだクランハウスの編集は出来るみたいだし、土地ギリギリに塀でも建てるか。出入口は道の方に作れば良いだろう。塀の高さは・・・・5メートルにしとくか。かなり高いが、他の巨人種に中を覗かれないために必要だしな。ポチポチポチっと。


「うわっ!!突然塀が生えた!!」

「これがクランハウスの建築!?」

「あーたぶん特殊な建て方だから参考にするなよ?カイトとテッタの侵入を許可っとオッケー。これで2人共通れるようになったはずだ。中に入ってくれ。」


俺がカイトとテッタの通行許可にチェックマークを入れるとさっきまで見えない壁に阻まれていた2人がすんなりと敷地の中に入って来る。突然壁が消えてコケるのを期待していたが、お行儀よく待っていた2人はそんな事にはならなかったぞ?


「さて、大分待たせたな。早速ダンジョンに行くか。」

「今更こんな事を言うのはあれなんですが・・。本当に行けるんですか?」

「ダンジョンには問題無く行けるな。だがそこが海底都市に繋がっているかどうかは確認が取れていない。だから絶対に行けるとは言えないんだわ。」

「でも可能性は高いと思いますわよ?あの島で海底都市の伝説を聞きましたもの。」


そう、実はクラーケンを知っていたお爺さんがダンジョンは海底にある幻の都市に通じていると話をしてくれていた。俺達もダンジョンに潜ってあのイベントダンジョンが変化したものだと確信したし、かなりの確率であのまま降りれば海底都市に辿り着いていると言える。


「まぁ心配なら向こうに着いたら直接潜って確認しても良いぞ?今は半分とは言え魚人種何だし、素潜りで行けるだろ?」

「はい!ルドさんのお陰でこれも在りますし。」


そう言って足を上げて見せるカイト。そこには海の様な碧色に輝くブーツの姿が在った。


海神のブーツ レプリカではなく正真正銘の本物 水に関わる場所で真の力を発揮する。(ダメージ-100ポイント 水中移動・水中呼吸・水圧耐性に補正 水中時:耐久自動回復 <海割り><海流操作>スキル使用可能 耐久1000/1000 魚人種・半魚人種以外は使用不可)


おぉ!!俺が渡したレプリカが本物になってる!!装備できる種族が固定になっているが性能はかなり高いぞ!


「これのお陰で海底まで自力で潜れるようになりました!」

「うん?これまでは駄目だったのか?」

「水圧に対する備えが無かったので・・・・。」

「カイト君、途中で水圧に押しつぶされて溺れちゃってたんです。」


なるほど、確かにブーツに水圧耐性に補正と書かれている。カイトは水圧に対するスキルを持っていなかったから、これが欲しくて俺にレプリカブーツの交換を持ちかけたんだな。無事にゲット出来てて良かったよ。


「それじゃあ問題は無いな。向こうで海底に行ける知り合いも居るし、ダンジョンに潜らなくても行けるかもな。」

「それもこれも向こうに行ってからですわ。」

「確認の為にも早く極楽島に行きましょう。」

「うっし、それじゃ全員で行くぞ!!」

「「「「「「「オゥッ!! (* ̄0 ̄)/」」」」」」」」


という事で早速建てたクランハウスの中に入り地下室に直行・・・。


ピピピピピピピッ!!


しようとして耳障りな音が鳴り響いた。何事だ!!と思って音の正体を全員で探すと。どうやらログアウトを催促する警告音が鳴っていたらしい。かなりの時間インしてるからな、しかしこんな音まで追加されたのか。これなら絶対に気が付くし悪くない追加要素だな。


「あちゃー、時間切れやな。」

「残念、続きは次回かぁ。」

「イベントから帰って来てそのまま行動してましたからねぇ。」

「今日は全員まだ行けるだろ?」

「明日も休み何で大丈夫です!!」

「そもそもリアルだと4時間とちょっとしか経ってませんわよ。」

「んじゃ、休憩したら再度集合な。場所は・・・・、ハウス内のリビングで良いか。シアとアイギスはハウスでのんびりしててくれ。カイトとテッタは開いてる部屋使ってくれ。」

「解りました!!」

「お邪魔します!」

「それじゃ、いったんお疲れ様!!」

「「「「「「お疲れ様です!!」」」」」」」」


という事で、極楽島に行く前に俺達は一度ログアウトして休憩するのだった。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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