第365話
「相変わらずルド達は面白いねぇ。」
「おかげで助かったの!!」
『ばらばらになると思いましたぞ・・・・。』
はい、現在俺は海でプカプカと浮かんでいます。その横にはボーン・ダッチマン号が浮かび、クラケーンも真っ白な体を波に揺らしている。これ死んで無いよな?色が全く変わってないんだが?(イカは死ぬと白くなる。)
「ルドさーん!!大丈夫ですかぁ?」
「おー、死ぬかと思ったけど大丈夫だ。」
主にクラーケンの攻撃の所為でだけどな!!
「あんたもいつまで死んだふりしてんだい!これだけの人に迷惑掛けたんだからちゃんと謝りな。」
「寝たふりはバレてるの。起きないと刺身なのよ?」
『スルメにするのも良いですのぉ~。』
ざばぁっ!「すんませんでしたぁー!!」
カーラ達がジト目で声を掛けると真っ白だったクラーケンは突然体を起こして頭を下げた。生きててよかったが1つ言わせてくれ。お前話せるんかい!!
「やだなぁ、話せなかったらどうやって島の奴とコミュニケーション取るって言うんです?」
「さっきは一言も話してませんでしたわよね?」
「話せるなら最初から話してくれればここまで苦労しなかったんですけど?」
「君の所為で島の人達に大変迷惑が掛かってる訳なんだけど・・・・。」
「大方操られてるときは知能も落ちてたんだろうさ。」
「拾い食いした魔道具で操られるとかあほとちゃう?」
「お姉ちゃん言い過ぎだよ。」
「ずっと駄目だよって言ってたのに約束破ったの!!」
『おしおきだべぇ~!!』
「本当にすんませんでしたぁ!!」
こちらを小馬鹿にしたような態度を取ったクラーケンに全員が言葉で総攻撃すると、又頭を海面に叩き付けて謝るクラーケン。うん、偉そうに出来る立場じゃないからな君は。
「これ助けてくれたお礼っす!!姐さん貰って下せぇ!!」
「あたい達は要らないよ。ルド達にお渡し。島の人達にも財宝分けるんだよ?」
「復興資金は高額になるのよ。全部出すのよ!!」
『海底の住処から全部持ってきますぞ?』
「ちょっと全部は勘弁してほし「あ“あ”ぁん?」全部持ってってくだせぇ!」
どうやらこのイカは海底にお宝をしこたま貯めてるらしい。どんな宝なのか気になるなぁ。盾は無いかね?
『おーい!ルドくーん!!』
「ただいまパパー!!」
「うん?ジョーゴ達か、ってかボートまで作ってんのかあの人は・・・。」
「ちゃんと全員揃ってますわね。」
「おかえりなさーい!」
「領主はどうなったん?」
「私も気になります!!」
『領主達は今頃島の広場で吊るし上げられてますわ。』
「どうしてそうなった?」
『それはだね。』
領主の館を俺が潰した時、ジョーゴ達はすぐにマロから降りて地下通路を探しに降りた。その後、ジョーゴの魔道具で地下通路を見つけた4人は逃げた領主を追ったそうだ。
地下通路の中は薄暗く、ところどころに設置された魔道具の光りが唯一の明かりだった。そんな中にホラーテイスト満載の2人が入ってみ?ホラー効果は倍増どころじゃない。
『シアちゃんとアイギスちゃんも十分奴等を怖がらせてたけどね。』
『シアちゃんの楽しそうな笑い声と、アイギスちゃんの髪が逆立った時は見ものでした。』
「いや、普通に追いついたんかい。」
『あいつ等、貯め込んで居た私財と一緒に逃げてたからね。』
大きな荷物を背負い、よたよたと逃げる領主達。何者かが追いかけて来る足音を聞いて警戒していると、子供の笑い声まで聞こえて来る・・・。何か思う所が在ったのか恐怖で足が竦む領主達。そして、そっと振り返るとそこにはジェイ〇ンとゴー〇トフェイスが!!慌てて逃げようとした先には髪を逆立て無表情で佇む少女の人形まで!!かなり怖かっただろうなぁ。
『私財も没収して悪事を全部晒して来たからもう大丈夫だよ。』
「でも領主の兵士達は言う事聞かないだろ?本当に大丈夫なのか?」
『大陸の特使の方がその権限を使って領主の地位を剥奪して下さいました。だから大丈夫なんです。』
「そうですのね。」
「今頃火炙りとかになってそうやなぁ。」
「さすがにそれは無いんじゃない?」
「禿の人と、細い人は磔になってたよ?」
「(´―`*)ウンウン」
「・・・・・・。まぁその特使の人が何とかしてくれるだろ。」
他にも隠している罪もありそうだし、そのまま処刑とかは止めた方が良いと思う。
「はぁ、やっとクエストクリアですね。」
「疲れたぁ。早く拠点に戻ってゆっくり休みたいですよ・・・。」
「それは俺も同感。」
領主たちの件も何とかなったと聞いて脱力する俺達。するとすぐ傍の海面が盛り上がり、海底にお宝を取りに行ったカーラ達が戻って来た。
『お宝取って来ましたぞぉー。』
「ボン兄さん堪忍して下さい!本当に全部持って行かないで!!」
「迷惑料だよ。」
「クラちゃんも諦めるのよ。」
お宝と言えば対抗戦のランキングは一体どうなってるだ?最後に見た時は1位の俺達に迫って来ている人達も居たからな。半分は宝探ししてないし負けたか?
クラン『ティーターン』お宝ポイント 3000ポイント お宝数 8
イベントランキング 5位
「あちゃー、やっぱり抜かれてるか。」
「お札を使っちゃいましたしね。」
「領主館から残されたお宝を拾ってる人達も居ましたから。」
まぁそう簡単に1位は取れないって事だよな。クランハウス欲しかったぜ・・・。
「旅人の皆さんには大変迷惑をお掛けしやした!!これは詫びの品です。ほんの気持ち程度でやすが。どうぞ受け取ってくだせぇ。」
イベント限定クエスト『守り神の目覚め』をパーフェクトクリア!!
守り神は無事に目覚め、暗躍していた領主達は捕らえられた。極楽島は今よりももっと発展するだろう。君達のお陰だ!!
報酬 100万マネ 『極楽島』プラチナパスポート 超絶復元錆落とし 海神のブーツ
パーフェクト達成報酬 クランハウスの権利書
クラーケンから俺が貰った報酬はこれになる。それぞれのアイテムの説明は以下の通りだ。
『極楽島』プラチナパスポート:極楽島にいつでも来ることが出来るパスポート。島の全施設を利用可能。ダンジョンへの入場券を兼ねている。
超絶復元錆落とし:これ1つあればどんな頑固な錆も一発で落ちる!錆の下に隠れた傷も即座に修復。これ一本でお家の壊れた物を何でも直せます!
海神のブーツ:海神が履いていたブーツのレプリカ。その能力の1部を引き継いでいる。
水中移動 水上歩行 脚部ダメージ-100 ノックバック無効
クランハウス権利書:特定の場所にクランハウスを設置する為のアイテム。外観、内装、庭と敷地の大きさは設置する場所の貢献度によって変わる。
「ファッ!?クランハウス貰ったんだが!?」
「本当ですかルドさん!!」
「やりましたね!!これで僕達だけの拠点が手に入りますよ!!」
「でもなんで貰えたんやろ?」
「パーフェクトクリアが関係してるんじゃない?」
確かに?あのままだったらクラーケンは倒されて終わってただろうし、そうなると守り神は目覚めずに死んじゃってた訳だ。そうならない様に正気に戻すのが条件かね。
「じゃ、あっしは島の守りに戻りやす。」
「拾い食いしちゃ駄目なのよ!!」
「次は急所を突くからな。覚悟しておきな。」
『今度は容赦しませんぞ?』
「へい!!絶対拾い食いはしやせん!!では!!」
俺達にお宝を渡してクラーケンは海の中に潜って行った。カーラ達はどうするんだ?
「あっ!カーラさん達の下に魔法陣が!!」
「おっと、役目が終ったみたいだね。久しぶりに会えて良かったよ。」
「今度はちゃんと会いに来て欲しいの!!」
『今居る場所に来るのは相当きついですぞ?』
「カーラ達はどこに居るんだ?」
「教えちゃつまらないだろう?自力で探しな。」
「シー達ちょっとは有名なの。」
『港でヒントを探すと良いですぞ。』
「解りましたわ。自力で探してみますわね。」
「そんじゃ達者でやりな。」
「バイバイなの~♪」
『おさらばですぞ!!』
カーラ達は魔法陣の中に吸い込まれて帰って行った。カーラ達を探すのも楽しそうだな。
ピンポンパンポーン⤴ 時間になりました。これにて『極楽島』のイベントは終了となります。宝探しの結果はポータル傍の掲示板にて張り出していますので其方をご確認下さい。
又、島のクエストをクリアしたクランが在ります。その影響で『極楽島』に変化が起こります。
領主の交代
島の復興支援クエストの発行
貢献度による各種優遇
魔力回復薬、通称MPポーションの解禁
魔道具を作る生産職【魔具師】への転職解禁
魔道具を使い戦う戦闘職【魔具使い】への転職解禁
『極楽島』ダンジョンの解禁
以上の変化が起こります。イベント参加者全員に配られる【ワンデイパス】にて来島後、貢献度を稼ぐと【月間パス】【年間パス】【プラチナパス】が貰える可能性がありますので、是非島の復興を手助けして下さい。
これからも『Another Life Online2』をよろしくお願いします。
ピンポンパンポーン⤵
「うっし、イベントも終わったみたいだし戻るか。誰が宝探しで1位を獲ったんだろうなぁ。」
「早く確認しに行きましょう!!」
「クランハウスを置く場所も考えないとですわね。」
「いくつか候補地を調べてるよ。」
「クリンさん動きが速いですね。」
「はよ戻ってゆっくりしよ。うちめっちゃ疲れたわ・・・。」
「シアも~。」
「…( っ゚、。)っパタッ」
「ジョーゴに出すとっておきを皆にも食わせてやるから頑張れ。」
「「「「「「「やったー!!」」」」」」」
俺達はそれぞれの戦利品を見せ合いながら島に戻るのだった。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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