第359話

さて、次の階層に降りて来た訳だが俺達は不測の事態で足を止める事になった。まぁその事態と言うのはお約束みたいに分かりやすい事態だけどな。


「まさか階層全体が水没してるとわなぁ。」

「どうしますこれ?」


うーむ、前ならアクセサリーの効果で何とかなったが今回どうするかなぁ・・・。


「何を言ってますの?私達は今なら水中で自由に動けますわよ?」

「うん?何か在ったか?」

「兄ちゃんボケるには早いで?」

「ルド兄さんの作った料理で私達全員水中で活動出来ますよ!」


あっそうだった。海藻を食べたおかげで水中呼吸と水中移動のバフが掛かってるんだった。


「僕はこういう時の為にルドさんが準備してくれたんだと思ってたんですけど、違うんですか?」

「あー、完全にその場のノリとさっぱりしたスープが在れば良いかなぁって・・・。」

「まぁそのおかげでこのまま階層を探索出来ますわ。攻撃の挙動が変わるので十分注意して下さいまし。特に飛び道具はかなり速度が落ちますわ。」

「うへぇ~。うちの銃ほとんど意味無くなるやん・・・・。」

「まだ撃ち出せる分使えるよ。僕のスリングショット何て使用不可だよ?」

「(`・∀・´)エッヘン!!」

「そうだな。アイギスはガトリングじゃ無ければ普通に使えるな。」


さて、水中呼吸と水中移動がきちんと発動しているかをちゃんと確認してから階層を進む。時間にはまだ余裕が在るし、海藻ならスープに使った奴が残ったのでわかめおにぎりにして持って来ている。途中でアクシデントが在っても大丈夫だ。皆にくばっとこ。


「水中での動きはどうだ?特に体験してないベニとルリは。俺は特に問題無いぞ、攻撃しないからな。」

「やっぱあかんわ。銃がほとんど使い物にならへん。」

「私は体が少し重いくらいです。槍を使うくらいは平気です。」

「ルドさん大変です!!」

「どうした!?なにかあったかリダ!」

「私水中に居る筈なのに全く動きが変わりません。それ所かほら!」


どぱぁぁぁぁっ!?


「海が割れる様になってます!!」

「嬉しいのは解るが手加減しろ馬鹿!!ぬおぉぉぉぉぉ!吸い込まれるぅぅぅぅぅ!!」

「楽しいねパパ!!」

「ワァ───ヽ(*゚∀゚*)ノ───イ」

「わっわっわっ!あかん!飲まれるぅぅぅぅ!」

「ウォータースライダーみたい!ちょっと楽しい!」

「水中呼吸が無かったら完全にプレイヤーキルの所業ですわ・・・。」

「赤落ちしなくて良かったですね?リダさん?」

「ごめんなさい。」


リダが割った水が元に戻る時の力でどこか分からない所に飲み込まれて行く俺達。バラバラにならない様に俺が全員を捕まえているから良かったものの、結構脇道が在ったぞこのダンジョン。迷子が出なくて良かった、合流が面倒くさい事になる所だった。


そしてやっと水流が落ち着いて動かなくなった時にはなぜか小部屋に辿り着いていた。


「リダは全力で殴るのは緊急時を除き禁止。解ったな?」

「はい・・・・。」

「死ぬかと思いましたわ・・・。」

「ルド兄さんの体が大きくて良かったです・・・・。」

「捕まえてくれてなかったら死んでたわ。」

「すみません・・・・。」

「さて、リダも反省しているみたいだしこの部屋の探索をするか。と言ってもめぼしい物は1つだけだがな。」


そう、たどり着いた小部屋にはポツンとボロボロになった宝箱が置かれていた。ダンジョンと言えば宝箱!宝箱と言えばお宝!!しかもこの場所に入るには結構入り組んだ通路を進まないとこれ無さそうだった。中身に期待できるんじゃないか?


「という事で開けたい人!!」

「ルドさんが開けて下さいまし。」

「僕もルドさんが良いと思います。」

「うちも兄さんがええと思う。」

「ルド兄さんが開けて下さい。」

「ルドさん開けましょう!!」

「パパが開けて!!」

「(´―`*)ウンウン」

「そうかぁ~?本当に良いのかぁ~?」

「「「「「「「「どうぞどうぞ。(・∀・)つ」」」」」」」


そこまで言われたら仕方ないなぁ。オープン!!バシュッ!!


宝箱には毒針の罠が仕掛けられていた。


ルドに1ポイントのダメージ。

食事効果によりダメージ-400ポイント

ダメージ0ポイント


純潔の効果により毒は無効化された。


「・・・・・・・・・。」

「やっぱり罠が在ったんですねぇ。」

「ルドさんに開けて貰って良かったですわ。」

「これ毒針だね。僕達だったら毒を貰う所だったよ。」

「兄さんに任せて良かったなぁ。」

「中身早く確認しましょう!」

「パパお疲れ!!」

「(_´Д`)ノ~~オツカレー」

「お前等俺を罠避けに使ったな!!」


妙に進めて来るからおかしいと思ったんだよ!!


「だってこういう宝箱には罠が付いてるのが御約束ですし?」

「大抵の攻撃をダメージ0で乗り切るルドさんに任せるしか無いですわね。」

「純潔のお陰で状態異常無効化出来るやん?」

「僕達じゃそうは行かないですから。」

「あっ!!中身銃みたいだよ!!」

「ほんまや!!でも矢みたいなのが見えてんで?これほんまに銃?」

「水中銃ですわね。水中で減衰なし。水中生物にダメージ増加の効果が付いてますわね。」

「やった!!これでうちも普通に戦える!!」

「納得いかねぇ!!」

「まぁまぁルドさん落ち着いて。」

「パパどうどうどう。」

「ヾ(・ω・*)なでなで」


ベニは【白鯨狩り】を手に入れた。


白鯨狩り

伝説の白鯨を討伐した時に使用された水中銃。水中に居る生物に対して大きなダメージを与える。(ダメージ+50)


水中時命中・速度補正 水中生物ダメージ増加(2倍)


耐久値 1000/1000


「一個しか無いのが不満やけどな。」

「それは仕方ないよお姉ちゃん。」

「ここは盾が出て来る所だろー!!」

「まぁまぁ、これでルリちゃんが戦闘に参加出来ますから。」


確かにルリが水中で攻撃できるようになったのは嬉しいし、攻撃力も上がったから頼りに出来るが、それとこれとは別だろ!?


「盾出て来いよぉぉぉぉ・・・・・。そろそろ俺も装備更新したいんだよぉぉぉぉぉ・・・。」

「ルドさん、アイギスちゃんの倹約の呪いの所為で店売りの装備買えませんものねぇ・・・。」

「お店で装備買おうとしたらめちゃくちゃ悲しそうな顔をされた上に好感度が下がる音がするんだよ・・・。無視して買ったらアイギスがどっか行きそうで怖い・・・。」


家出程度なら良いが本当に居なくなられてると困る。家の大事な娘だからな!


「だからこういう時に装備出てくれないと装備更新が出来ない!!盾出てこーい!!」


ゴゴゴゴゴゴ!ドゴーンッ!!


「キシャーッ!!」


シールドハーミーズ HP10000

背中に大量の盾を背負ったヤドカリ。その防御力でいかなる攻撃も受けきり、鋭い爪で相手を攻撃する。(中ボス)


「そういう事じゃねぇ!!」

「なんで相手の情報が見えてるんですかね?」

「シアちゃんの目が光ってますね。」

「シアちゃん?精霊の目使ってますわね?」

「うん!流されてる時に周りが良く見えなくて使ったよ!」

「良く使って貰ってたから熟練度が上がって効果が上がったみたいだね。周りに居る人にも情報が見える様になったみたいだ。」


どれどれ?おっ本当だ!シアの奴スキルが進化してるぞ!!


<精霊の瞳>

 隠された物を見抜く瞳。嘘や擬態を見抜く。主人とそのパーティーメンバーにも視界を共有できる。相手の隠された情報を見抜く場合もある。


「ってこんなのんびりしてる場合じゃねぇ!!皆戦闘準備!!」

「もう終わってるで!!この銃の効果試すいい機会や!」

「頑張ってお姉ちゃん!!」

「私は何時でも行けます!あっ全力は出しませんよ?」

「僕達も準備完了です。」

「いつでも行けますわよ。」

「シアの新魔法もお披露目するよー!」

「(´・ω・`)」

「アイギスはそのうち交換部品見つけてやるからな?さぁ覚悟しろよヤドカリ君。その背負ってる盾寄越せやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「「「「「「欲望駄々洩れ!!」」」」」」」┐(´д`)┌ヤレヤレ


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited 


本年の更新はここまで!沢山応援して下さってありがとうございました。結構色々抜けている作者ですが、これからもルド君たちの冒険は続くので来年も応援よろしくお願いします!!(クリスマスにクリスマス話盛り込むの忘れてた・・・・・)


皆さん良いお年を!!

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