第358話

ルゼダの魔法で明かりを確保しながら洞窟を進む。海が近いからなのか、じめじめとした洞窟だなぁ。岩が棘の様になって地面から無数に突き出している鍾乳洞になってる。よく見ると天上からも結構な数がぶら下がってるな。


「何か居るかと思いましたが・・・・・。魔物が一匹も居ませんね?」

「ダンジョンでは無かったんですわね。」

「ダンジョンやったらお宝探したかったのに残念やわぁ。」

「ダンジョン何て簡単に見つかる訳ないよお姉ちゃん。」


ふむ、ダンジョンか。そう言えば今回のイベントでダンジョンの話が在ったような・・・・。そうだ思い出した!!確か最初イベントの優勝賞品は極楽島の年間パスとダンジョンの入場権に賞金だったはずだ!!ん?でも宝探しの賞品はクランハウスだよな?対抗戦とイベントはもしかして別賞品なのか?イベントの優勝はどうやって決めるんだ?


「なぁ。イベントの優勝の仕方って知ってるか?」

「はい?それはお宝を集めてポイントを稼ぐんですよね?」

「それはクラン対抗戦の宝探しだろ?最初の優勝賞品は年間パスとダンジョンの入場権、それと賞金じゃなかったか?」

「そう言えば、情報屋さんがそんな事を言ってましたわね。」

「イベントとクラン対抗戦の勝敗は別って事ですか?」

「でもイベントの優勝なんてどうやって決めるん?」

「対抗戦の勝敗がそのまま反映されるんじゃないんですか?」


確かにそう考えても不思議じゃない。だけど思い出して欲しい。俺達って完全に対抗戦から外れた行動を取ってるんだぞ?


「イベント中にクエストが在るってのは今まであったから違和感なかったが。対抗戦をしている最中にクエスト何て出すか?クラン同士の戦いを優勝したい人達からしたら邪魔でしか無いだろ?」

「ルドさんが言いたいのは、私達がやっているクエストが本来のイベントで対抗戦は目眩ましだと?」

「そこまでじゃないと思うけどな。だけど対抗戦とは別で俺達にさせたいことが在ると考えるとな。」

「それがジョーゴさんとホーラさんを助ける事なんですか?」

「多分な。」


確か優勝賞品は1人しか貰えないって話だった。つまり、イベントで勝ちを得られるのは1クランだけって事だ。今の状況考えるとバッチリその条件満たしてるんだよな。だって俺達以外このクエスト参加出来ないし。


「でだ。報酬に在った隠されたダンジョンの入場権が、イベントで行けるダンジョンに再度潜れる権利だとしたら?」

「・・・・・ルドさんはここがダンジョンだと言いたいんですわね?」

「唯の洞窟じゃないって事は確かだな。まだ確証はないが。」


この島はALOの時に来たリゾート島の未来の姿だったはずだ。なら、海底都市に繋がるダンジョンが在ったはず。海底都市も、そのダンジョンも消えたという話は聞いていない。だからまだ島に残ってるはずなんだ。観光資源にしてないのは気になるが・・・・。何か事情が在るんだろう。


「そう言えばそんな事もありましたわね・・・・。」

「そんでもって出て来る魔物を覚えてるか?」

「確か雷突ダーツとかジャイアントクラブとか・・・・。」

「ルドさん?もしかして私達が見てる岩って・・・・・。」

「リダお姉ちゃん何言ってるの?これ全部蟹さんだよ?」

「はっ!!本当です!!岩の下の方を見たら岩殻クラブって書いてます!!」

「上に張り付いてるのも全部ですか!?」

「バレた事に気が付いて動き出したな。来るぞ!!」


岩殻クラブの群れが現れた。


「まずは定番の<陽動>!!」


岩殻クラブの攻撃対象はルドに固定された。


岩殻クラブの殻で突く攻撃

岩纏い・刺突・硬くなるスキル発動

ダメージ50ポイント


「効くかそんなもん!!」


ルドの防御

万想の鎧・盾使い・両盾使いスキル発動

ダメージ-70ポイント

ダメージ0ポイント


「良い匂い・・・お腹空いちゃった!蟹さん頂きまーす!!」ぐぱぁ!!


シアの暴食攻撃

暴食スキル発動。


岩殻クラブの防御

岩纏い・硬くなる・爪を構えるが発動

ダメージ-50ポイント


暴食スキルの効果。防御貫通

岩殻クラブは食われた。

ドロップ、経験値消失


シアは<精霊魔法(地)>を覚えた。シアの<精霊魔法(樹)>が強化された。


「おいし~い!!」

「お前等早く倒さないと全部シアに食われるぞ!!こいつ等ジャイアントクラブの進化個体みたいだからめちゃくちゃうまい蟹素材を落すはずだ!!素材集めてカニ料理にするぞ!!」

「美味しい食材にルドさんの調理の腕が加われば・・・じゅるり。」

「これは気合を入れないと行けませんわね!!」

「あかん。うちの銃じゃこいつらの背負うとる岩壊せへん・・・。」

「お姉ちゃん援護お願い!行きます!!」


ベニの槍攻撃

槍使い・チャージ・優れた体幹・空歩・足捌きスキルが発動

チャージの効果 ダメージ+200ポイント

ダメージ205ポイント


岩殻クラブの防御

岩纏い・硬くなる・爪を構えるが発動

ダメージ-50ポイント

ダメージ155ポイント

岩殻クラブは倒れた。

オーバーキル!!ドロップが消失。

岩殻クラブの足・岩殻クラブの爪を手に入れた。


「こいつら体力そんなに多く無いですよ!!」

「ならばこうです!!」


リダの格闘攻撃

拳闘・戦闘術・心義夢想・連撃・手加減・闘気術スキルが発動

気力50ポイントを闘気術で使用 ダメージ+40ポイント

ダメージ70ポイント


岩殻クラブの防御

岩纏い・硬くなる・爪を構えるが発動

ダメージ-50ポイント


10連撃達成!!ダメージ+10ポイント

心義夢想の効果発動 防御貫通 岩殻クラブの現象ダメージを-30ポイントに修正。

岩殻クラブにダメージ50ポイント

手加減の効果発動 岩殻クラブはHP1で気絶した。


「よし!!アイギスちゃんこいつを撃ってください!」

「(‘◇’)ゞ」


アイギスの腕部オートタレット(ガトリング)攻撃

節制スキル発動 消費MP0 消費が無い為倹約の呪いが不発。

単発発射 ダメージ1ポイント

岩殻クラブは気絶している。防御不可能

岩殻クラブは倒れた。

ジャストキル!!ドロップ品が増加します。

岩殻クラブの足・岩殻クラブの爪・岩殻クラブの体・岩殻クラブの岩塊・岩殻クラブの甲羅を入手した。


「良いぞ!!その調子でどんどんいけ!!沢山素材を取って蟹祭りじゃ好きな料理作ってやるぞ!!」

「私は焼きガニが良いです!!」

「僕は茹でたの食べたいなぁ。」

「蟹しゃぶを頼みますわ!!」

「うまぁーい!!」

「(๑・﹃ ・๑)ジュルリ」

「なんや皆の目がおかしなってない?」

「皆蟹の事しか見てないよお姉ちゃん・・・・。」


昔乱獲したジャイアントクラブの味を思い出してしまい、口の中が涎で一杯になった俺達はそれからしばらくずっと蟹狩りをしてしまった。だがそのおかげで蟹素材山盛りゲット出来たぞ!しばらく蟹食い放題だ!


「はっ!!蟹の所為で本来の目的を忘れてますわよ!!」

「ルドさんお札を探さないと!僕達蟹狩りに来た訳じゃないんですから!」

「そうだった!!」

「兄ちゃん達蟹狩りしながらしっかり奥まで進んでたやん。ここがダンジョンやと分かったんやし、そろそろ次の階層に行けるんちゃう?」

「あそこに階段も見えますし。」


ルリとベニが指さした先には、確かに次の階層に降りる為の階段が在るのだった。うん、ここはダンジョンで間違いないな!!


「勢いで誤魔化そうとしても今更遅いで?」

「まぁまぁ、後でめちゃくちゃうまい蟹食わしてやるから。蟹、嫌いじゃないんだろ?」

「そりゃまぁそうやけど・・・。」

「むしろ大好きですけど・・・。」


シアの喜びようから言ってジャイアントクラブの時よりかなりうまさが増してるみたいだしな。非常に楽しみだ。


「さて次の階層で出る食材は何だろうなぁ。」

「ルドさんルドさん。また目的が変わってますよ。」

「おっと、ついつい海の幸に興味が移っちまった。」

「それじゃ、降りますわよ。」

「美味しいのが居ると良いなぁ。」

「(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン」


別の目的が加わりつつ、俺達はお札を探す為にしたの階層に降りるのだった。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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