第349話
ジョーゴさんの作りだした魔道具で島に閉じ込められたで御座る。いや茶化してるが笑えない状態である事は理解してるぞ?
「一体どうしたら良いんだろうお姉ちゃん・・・。」
「こうなったら一生島で生きるしか無いなぁ。」
「そんなっ!!」
「いや、たぶん何か手は在るだろ。」
「あっルドさんが兄馬鹿から帰って来ました。」
「お帰りですわ。それで?その手とは何ですの?」
「このお札の使い道がまだ分かってない。」
「そっそれは!!」
お札の断片を見せると、ジョーゴさんでは無くてホーラさんが反応した。予想とは違うがやっぱり何か在りそうだ。
「これが何か知ってるのかホーラさん?」
「・・・・・間違いないです。一部だけですけど、そのお札は島の守り神様を祭っていた祠に貼られていた物です。でもどうして細切れになってるんでしょう?」
守り神・・・それがキーか?クラーケンと戦う時に助力してくれるとか?
「次のヒントはその祠ですわね。」
「祠の場所は解りますか?」
「この山の反対側に在ったはずです。」
「それは本当かいホーラ?だとしたらまずいかもしれない。」
「何がまずいんやジョーゴの兄ちゃん?」
「この山の反対側は領主たちが密かに開発して薬草の生産地になっているはずなんだ。もしそこに祠が在ったんだったら・・・・。」
「壊されてるかもしれないんですか!?」
そりゃまずいな。もし祠が無かったら守り神さんに助けを求める事も出来んぞ。
「ですが確認しない事には始まりませんわ。ジョーゴさんも直接見た訳じゃ在りませんのよね?」
「僕はずっとここに居たからね。確認はしていないよ。」
「うっし、なら先にそっちの確認だな。例の棒も途中に在るだろうし、シアを先頭に真っ直ぐ目的地に向かおう。」
「任せてパパ!!」
「ジョーゴさんも出来るだけ荷物を纏めてすぐに出立の準備をしてくれ。」
「大丈夫。いつ救助が来ても良い様に常に荷物は纏めてあるから。ホーラは先に帰って欲しいけど・・・・。」
「あぁジョーゴ!!これ以上1人にされたら私は耐えられないわ!!」
「なら一緒に行こう!!」
「えぇ!!」
「この2人は寸劇挟まんと会話も出来へんのかいな?」
「お約束ってやつじゃない?」
ピコンッ♪
イベント限定クエスト『彼の行方を追え』を最高評価でクリアしました。
チェーンクエスト『守り神の目覚め』に派生します。
イベント限定クエスト『守り神の目覚め』
極楽島領主の暗躍により旅人と旅行者は島に閉じ込められてしまった。この状況を打開するには島の守り神の力が必要になるかもしれない。守り神を目覚めさせ、島の行く末を決めよう!!
※このクエストは『彼の行方を追え』を受注したクランしか受けられません。
※このクエストの結果によりこの先の結末が分岐します。
※協力NPC、ホーラ・ジョーゴが死亡するとその時点で失敗となります。
俺達が家の外に出るとクエストの達成ログと、続きのクエストが表示されていた。思いっきりクエスト名がネタバレになってるが、結末が変わる?嫌な予感しかしないよなぁ。
クエストの内容を確認している所で
『お待たせしました!!』ガッシャガッシャ!!
『さぁ行きましょう!!』ヴィィィィィィン!!
「・・・・・。なぁリダ?俺の目がおかしくなったのか?ホーラさんは相変わらずの格好だけど、ジョーゴさん迄ホラーチックな格好になってるような・・・。」
「大丈夫ですルドさん。私にもそんな風にしか見えません。」
ジョーゴさんの格好は、黒いローブに幽霊の様な仮面を被っている。片手には真っ赤に染まったナイフが。俺この作品知らねぇ!!最近の奴?
「あーゴース〇フェイスですか。色々な所で出てたりしますよ?最初は映画だったかな?」
「少年が化けてたりするんですよね。」
「君達良く知ってるね?」
「他のゲームに出てて原作は何かなって調べましたので。」
リダとクリンが正解を教えてくれた。こんな時いつも教えてくれるルゼダは遠くを見ている。うん、お前もホラー駄目なんだな。同士よ!!
『さぁ早く行きましょう!!』
『守り神様が待ってますよ!!』
「だからその格好で近づいて来るな!!怖いから!!ほら皆もさっさと行くぞ!!シア先導よろしく!!」
「はーい!!しゅっぱーつ!!」
シアの先導で進む俺達。ホーラさんの姿で出てこなかった魔物達が、ジョーゴさんが加わった事でさらに気配迄消しだした。この島の生物はホラー駄目なのか?仲間だな。
戦闘にもならずにずんずん進む。途中例の棒を4本程確保した。さっき確認した時にポイントが爆上がりしててビビったよ。まさかジョーゴさんとホーラさん2人がお宝判定になるとはなぁ。
クラン『ティーターン』お宝ポイント 3142ポイント お宝数 22
イベントランキング 1位
棒一本100ポイント。じゃあ2人は?1人1000ポイントなり。もう数値バグってるよな。本当にこれで良いのか運営よ?
まぁ2人が俺達を見限ったり、他のクランに攫われたら数値が変動するんだろうけどな。この島最大のお宝は2人の愛ってか。やかましいわ!!独身の俺に謝れ!!
「なんで急に不機嫌になったんですか?」
「何でもない、気にするな。」
「簡単に予想できますわねぇ。」
「2人のお宝ポイントが高くて、独り身の俺に謝れ!!何て思ってそうです。」
「まぁそう気を落さんようにな?縁は神さんがくれるもんやし。」
「ルド兄さんなら良い人が居ますよきっと!!」
「そうですよ!!」(私が絶対に貰うんですからね!!)
「若い子に慰められると余計に惨めに感じるなぁ・・・。」
「パパ元気出して?もうすぐ目的地だよ?」
「。・゚・(ノД`)ヾ(゚Д゚ )ナデナデ」
騒ぎながらも山を進むと視界が急に開けた。どうやら山の反対側に抜けたらしい。だがそこは街の光景とは違った、とても殺風景な場所だった。
「段々畑ですか。」
「生えていた木々を無理やり処理したんですわね。そこら辺に雑に積まれてますわ。」
「草花も根こそぎ処理したみたい。地面が剥きだしだ。」
「なんで薬草だけが青々と茂っとるん?なんか怖いでここ。」
「多分あれの所為じゃないか?どう見ても魔道具っぽいしな。」
畑の中心にスプリンクラーの様な道具が設置されていて、今もくるくると回りながら辺りに水を撒いている。あれが薬草を栽培する為の魔道具じゃないか?
『正解です。あの魔道具は薬草“だけ”を育てる水を作り出す魔道具で、その影響で他の草花はここに生えません。』
「うおっ!!ジョーゴさんも気配を消す術を持ってるのか・・・・。」
『ホーラのマネをしたくて練習しました!!』
『あぁジョーゴ!!』『ホーラ!!』
「はいはい、それで問題の祠は何処に在るんだ?」
『こう風景が変わってますとどこに在ったかは・・・。確か小川の近くの洞窟に在ったはずです。』
「小川ってどこ~?」
「(゚Д゚≡゚Д゚)ドコドコ?」
確かに、小川と言われてもどこに在るか全く分からん。というか水が流れていた形跡さえ無いんだが?
「・・・・・ルドさん。多分あそこです。あの木が積まれた場所から水音がします。」
「じゃあその先を調べれば良いな。案内してくれ。」
リダの耳が捕らえた水音は、積まれた木の後ろから流れている水だった。その先の流れをルゼダが予想して下って行く。だがその先も似たような光景が続くだけだった。どこにも洞窟何て見えない。
「もうすでに行き過ぎたとかは無いよな?」
「目印が無いですから何とも・・・。」
「ん~。こっち!!」
「シア?何か気が付いたのか?」
「着いて来て~!!」
こちらに手を振りながら走り始めるシア。見失わない様に後を追い掛けると、大きな岩の埋まっている場所に辿り着いた。するとホーラさんが驚きの声を上げる。
『ここ!!ここですよ!この場所に祠が在ったはずです!!』
「でかしたシア!!」
「えへへ~。」
「祠は一体どこですの?」
『・・・・この岩に穴が開いていて、そこに祠が在ったはずなんです・・・・。元々この岩もここまで小さく無かったような?』
「って事はここを開発した時に邪魔な土砂をここら辺に捨てたんだな。その影響で祠が埋まったんだろう。」
「早速掘り起こしましょう!!」
全員でスキルを使いながらも岩周辺の地面を掘り返していく。無事に祠が出てきてくれると良いんだがなぁ。お札の事も在るし、絶対に何か在るだろ。覚悟だけしておくか。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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