第345話

「ちょちょちょっ!!ホーラさん!!これ効果が高すぎる!!」

「そうですわ!!これだけの効果が付いてるんでしたら代金はしっかりとお支払いいたします!!」

「こんな効果の付いた寝具、一体いくらするんだろうねぇ・・・・。」

「あかん、値段が想像つかんくて眩暈してきた・・・。」

「わぁーい、ふかふかだよお姉ちゃん。」

「凄い跳ねるよパパ!!」

「ワァ───ヽ(*゚∀゚*)ノ───イ」

「「「「「それで遊んじゃダメ!!」」」」」


ホーラさんが作りだした寝具はそれはもう凄い物だった。何だよスキル熟練度が倍の速度で溜まるって。それにバフ効果3倍に効果時間20時間延長?食事バフは大体20分くらいでなくなるんだぞ?20時間て長すぎるだろ!!それに快眠は解るが防御結界って何だ!!自動修復までついてるとか意味わからん!!


ギュイギュイギュイィィィィィン!!


『落ち着いて下さい!!』

「「「「「「「「はいっ!!/(`;ω;´)」」」」」」」」


いつの間にか仮面をまた被ってチェーンソーを動かすホーラさん。その姿に恐怖から動きを止めて抱き合う俺達。傍から見たら襲い掛かる殺人犯とその被害者に見える構図だな。


「ふぅ。これは私の感謝の印なんです。」

「感謝の印?」

「はい、あのボロボロになった店で、彼の手掛も見つけられずにお店を潰しかけていました。店に来る人は私の姿を見て叫びながら逃げるか、襲い掛かって来るだけ。話を聞いてくれたのは貴方達が初めてなんです。」

「そりゃ見た目ホラーな店主が居たらそうなるわなぁ。」

「もうルドさん!!大事な話なんだからちゃんと聞いて!!」


おっと、リダに注意されてしまった。ホーラさんはそんな俺達の様子に気が付いた様子も無く語り続けているけどな。


「私嬉しかったんです。彼の行方不明の話を聞いて信じてくれたことが、しかも彼の居場所を示す魔道具を持っている何て、あぁ神様は私を見捨てていないんだなって思いました。だからこそ、私の宝物を一緒に探してくれている貴方達に、私の持つ全力で持って報いたかったんです。だからこれはあなた達の物です。是非使って下さい。もちろん代金は要りません!!」

「でも本当に良いんですか?これを売れば店を立て直すのだって・・・・。」

「それは彼を助けられたら2人で頑張るから良いんです!!だから明日、彼の救出をお願いします!!」


これはあれだな。報酬の前払いだな。無条件で助けて貰うと、後で何を要求されるか分からんし、先に報酬を払ってしまえ!!って奴。まぁ俺達は別に搾り取るつもりとか、後で何かを要求するつもりは無くて本当に寝具が欲しかっただけな訳だが。まぁこんな良い報酬貰っちゃったら、気合入れて救出するしか無いよな?


「任せて下さい!!明日は絶対ホーラさんの彼を助け出しますよ!!」

「怪我をしてても任せて下さいな。私が絶対に治して見せますわ。」

「戦闘でも負けませんからね。」

「せやな。こっちには無敵の盾職がおるんやから!!」

「頼りにしてますよルド兄さん!!」

「パパ頑張って!!」

「ファイトォ*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*!!!☆」

「君達も戦うんだからね?俺にばかり押し付けようとするんじゃないよ。まぁあれだ、明日は俺達も全力で救助に当たる。だからまぁ、心配しないでくれホーラさん。」

「・・・・・はい!!よろしくお願いします!!」


さてと、明日は絶対にホーラさんの彼氏を助け出すぞ!!


と言う事で次の日。いやぁ、あの寝具すげぇわ。南国風の島で羽毛布団は暑いのでは?何て考えてた人はいるか?はい俺です。でも不思議な事に全く暑くなかった!!逆に布団から出た方が蒸し暑いというね。布団の中がずっと最適な温度だったからもうぐっすりよ。


「パパおはよう!!」

「( ノ゚Д゚)『おはよう』」

「シアもアイギスもおはよう。良く寝られたか?」

「うん!!」

「( ´∀`)bグッ!」


シア達もぐっすり眠れたようだ。えっ?幼女と一緒に寝る何て羨ましいだって?いや2人は俺の娘みたいなもんだから、そんな気分には一切ならんぞ?それにベットは別だしな。


シアとアイギスに朝の挨拶をしていると、視界の端っこでちかちかと自己主張をするログさんの姿が。光ってるって事は何かお知らせが来てるんだよな。何か在ったか?


俺はおもむろにちかちか光っているログボタンをポチっと押した。するとこんな表記が現れた。


寝具の効果によりバフ効果が上昇

攻撃スキルのダメージ+100

防御スキルの減少ダメージ-100

スキルリキャスト時間-3分

状態異常耐性(全)

バフ効果時間+20時間

残り効果時間19時間50分


スキル熟練度獲得2倍

効果時間23時間50分


※<攻撃封印>スキルにより攻撃力へのバフは防御力に変換されました。

ダメージ-200ポイント


うん、バフ効果強すぎぃっ!!


攻撃力は肉、防御は貝や一部の甲殻類、リキャスト時間は一部の魚、状態異常耐性は野菜で付く。攻撃力や防御力は料理の完成度によっても上下するが大抵10~30前後くらいのバフが付く。リキャスト時間も同じく10秒から1分くらい短縮が付く。野菜で付く状態異常耐性は、サラダの組み合わせや肉や魚との相性によって様々に変化する。実はこの中で一番野菜による状態異常耐性が付け難く難易度が高いのだ。


だというのに!!攻撃力も防御力も補正値が100て!!しかもリキャスト短縮時間が3分何て付いたらほとんどのスキルが使いたい放題になるぞ。状態異常耐性も全部付いている。俺は純潔が在るから意味無いが、他のメンバーは十分その恩恵に預かれるだろう。ってかここでも悪さしますか<攻撃封印>!!まぁ上昇分消失じゃなくて変換だったから良かったけども。


ゴンゴンゴンバタンッ!!


「ルルルルルドさん!!ログ見ましたか!!」


呆然とログを見つめていると、俺の部屋の扉が乱暴にノックされて勝手に開けられた。飛び込んで来たのはリダ。その表情は驚きに満ちている。


「あぁ、起きてすぐに見たよ。俺も寝具の効果を見て10分くらい呆然としてた。」

「寝具の効果だけじゃないですよ!!ルドさんの料理の効果が高いからこうなったんですよ!?」


確かにリダの言う通り、昨日食べた料理の効果は全く確認してなかったな。それが寝具の効果で上昇してこうなった訳か。数値から見るにほぼ最高評価の料理だったのか。


「これなら今日の救出は大分余裕を持って行えますね!!」

「油断は禁物だけどな。けど、バフのお陰で俺達の攻撃力と防御力はかなり上がった訳だ。残念なのはスピード系のバフが付かなかった事だな。ガーリックシュリンプを作り忘れたのが痛い。」

「あー、スピードはエビでしたっけ?」

「後はトビウオとかマグロだな。動きの速い魚介類でスピードバフが付く。蟹とか貝とかだとダメージ減少だな。鎧魚みたいな特殊なやつも居るけど。」

「昨日使った魚は鯛みたいなやつでしたもんね。」


昨日ワイワイと皆で作った所為で作り忘れたんだよな。まぁリクエストした本人であるルゼダも忘れてたみたいだし、今日作れば良いだろ。


「さてと、食事効果と寝具のコンボバフ効果に驚くのもここまでだ。リビングで皆と合流してから早速救出に向かうか。」

「はい!!」


驚きはしたが、これで俺達が出来る準備は全部終わったとも言える。これから行う救出作戦は失敗が許されないし、少しは安全が確保出来たと考えよう。連れ去った犯人が領主だと決まった訳じゃないが、島の権力者が犯人ならかなりの妨害も考えられるしな。気合い入れて行きますか!!



毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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