第338話

リダ達が俺達を追いかけて来ていたクランの相手をしている間、俺はと言うと女性クランの方の相手をシアとアイギスと一緒にしていた。と言っても陽動が聞いてる間はずっと俺が相手の攻撃を受け止めているだけなんだがな。


そんでもって俺がずっと攻撃を受け止められるからか、戦闘で鞭を振るっていた網タイツとボンテージに蝶の仮面といういかにもな風貌の旅人が悔し気に奇声を上げる。


「うきぃぃぃぃぃっ!!なんで私の鞭が効かないのぉ!!あんた達もしっかり攻撃しなさいよ!!」

「やってるわよ!!あんたこそその自慢の鞭を使ったら男はイチコロ何て言ってたじゃない!!」

「いや・・・それは別の意味でお子様には聞かせられないというか私の憧れと言うかゴニョゴニョ・・・・そんな事は良いのよ!!このままだとせっかく挟み撃ちにしたのが無駄になるわよ!!」


鞭を使って散々攻撃してきた女性の旅人が仲間の言葉に顔を真っ赤にして俯く。相手の会話から推察するに、リーダーやってる奴が一番年上なのか?そして現実でも女王様をやっていると思っていたがそんな事は無く、実は唯の憧れであんな格好をしていると・・・・。うん、ここを深堀するのは止めて置こう、鞭の人が可哀そうにな事になる未来しか見えないからな!!クランメンバーは未成年が多いみたいだしこの話題は終わり!!終了!!解散!!


そんな事を考えていると、俺の横に居たシアとアイギスが動いた。


「アイギス!狙い撃って!!」

「( ・_<)┏━ バキューン」


アイギスの銃攻撃

腕部オートタレット(ガトリング)×2の斉射攻撃

節制スキル発動 消費MP0

最大斉射 ダメージ(1×300)×2ポイント


狙い撃て、何てシアが言うもんだから狙撃だと思うだろ?でもアイギスの場合乱射しても全弾命中する様に撃てるから、数撃っても変わらないんだよ。ピンポイントで狙う時は一発しか撃たないがな。


シアの作戦?なのか声を聴いて警戒していた相手が、アイギスの腕からガトリングが乱射されるのを見て慌てる。そんな中相手クランのメンバーの1人、ピンクのローブを着た女性が前に出て来て杖を構えた。


「狙い撃ち何て嘘じゃない!!嘘つきにはお仕置きが必要なのよ!!」


そう声を張り上げながら杖を掲げる女性。すると相手の周りに半透明のドームの様な物が現れた。


ヒルの反射

障壁使い・魔法制御・リフレクト・柔軟・反射倍増スキル発動

アイギスの攻撃は反射された。


アイギスの銃弾がドームに命中すると、ドーム自体がぐにょーんと変形して銃弾が1か所に集まった。しかもその姿を1つの光りの玉に変化させた後にぼよよーんと跳ね返り、アイギスに向かっていく。


「Σ(´∀`;)」

「ふふん!!ヒルはキャラクリの時にランダムを選んでレア職を引いたのよ。その職業の名前は障壁使い!!障壁使いは壁職の魔法版!!物理盾職よりも防御能力は低いけど、その分応用が利くわ!!さぁ自分の攻撃で倒れなさい!!」

「ヨル。私の台詞全部取らないでよ!!」

「よいしょっと。」


声高々に解説してくれてありがとう自称女王様。だけど俺がそんな事させる訳無いでしょうが。今までさんざん攻撃を防御して来たの忘れたのか?


ルドの防御

陽動・万想いの鎧・盾使い・両盾持ち・純潔・被ダメージ減少・ヘビィウェイト・盾強化・身体硬化スキル発動

身体硬化にHP100消費 ダメージ100ポイント無効化

スキルコンボ!!万想の鎧・盾使い・両盾使い・純潔スキル発動により<守護者の鎧>スキル発動

ダメージ100ポイント無効化 HPを100回復

ルドにダメージ195ポイント

ルドの残りHP105ポイント


ルドの自己回復 ルドのHPが15回復した。

ルドの残りHP120ポイント


飛来する光球を盾で受け止める。銃弾であれば一発一発にダメージ計算が入り無効化できるが、今回はアイギスの攻撃力に相手の反射能力が加わって威力が増している。結構いいダメージ入ったなぁ。まぁだけど我慢できない程ではないし、HPも危険域という訳でもないな。


「(´・ω・`)」


俺がダメージを受けたことに落ち込むアイギス。まぁでも相手の攻撃だけだとダメージ0なんだから気にする必要は無い。放っておけばすぐに完全回復できるしな。


「だからそう落ち込むなアイギス。今後は気を付けたら良いだけだからな。シアも同じだぞ?」

「はーい。じゃあ回復するねパパ!」


シアの精霊魔法(癒)

ルドのHPが30回復した

ルドの残りHP150ポイント


ルドの自己回復

ルドのHPが15回復した。

ルドの残りHP165ポイント


シアの魔法で俺の周りに緑色の光と葉っぱが舞う。そのおかげでHPは3分の2近くまで回復した。MPがもったいない気もするが、シアの心遣いには感謝しないとな。


「ありがとなシア。」

「えへへ~。」

「うきぃぃぃぃぃっ!!何よあんたのそのG並みの生命力は!!削っても削ってもすぐに回復するじゃない!!ずるよ!!チートよ!!運営にチクってやるぅぅぅぅぅ!!」

「そんな事言われてもなぁ。スキルの相乗効果とか仲間の力とかでこうなってる訳だしな。別にズルしてる訳じゃないぞ?」


ドンドン回復していく俺のHP。それを見て喚く自称女王様。俺もチートだと思うが、攻撃できないんだからこれくらいは許してくれや。えっ?シア達が攻撃できるだろうって?出会わなかったら攻撃出来なかったんだからノーカンで。出会いも運だからな。


「そもそも私達の攻撃は全然通って無いのです・・・。」

「ダメージ通ったのって、ヒル先輩の反射が入った時だけだよね?」

「他の人を攻撃しようとしてもあの人になぜかターゲットが固定されちゃうし・・・。」

「あの不思議な鎧でダメージ与えられないんですよねぇ・・・・・。」

「「「「これ手を出す人間違えたんじゃない?」」」」

「ハモるな!!私も今そう思ってた所なの!!何なのよもう・・・。初日だから弱い所からお宝奪おうとしたのに・・・・。初心者装備を使ってるから弱い人だと思ったのにぃぃぃぃぃ!!」

「いや、なんかすまんな?ずっとスキルの修行してて装備更新してなくてな。」

「人を見た目で判断したらダメなんだよ?それに装備が良くてもスキルが弱いとよわよわなんだよ?シルが言ってた!!」

「(´―`*)ウンウン」

「「「「「「ひぃぃぃぃぃぃん!!」」」」」」


まぁずっとこんな感じだったからリダ達の様子を見る余裕が在った訳だな。相手の攻撃でダメージが入らない。こっちから攻撃しないと反射も喰らわないっていう膠着状態だったわけだ。


さてそんな状態がもう1つのクランが潰れた所でひっくり返った。ならやる事は1つ。そう、反撃のお時間だ!!


「という訳なので、あのピンクローブには注意な。反射貰ったら俺でも痛かったから。」

「なら他の奴から倒していけば良いんですのね。」

「その障壁ってどれくらい無効化するんでしょうか?私の心義夢想とどちらが上なんですかねぇ?」

「リダ姉、獲物を狙う目になってんで?相手見てみ?涙目になって完全に腰引け取るやん。やめたり?なっ?」

「僕の爆弾の威力だとどうなるんでしょう?全体攻撃のダメージが反射でどのようになるのかは気になりますねぇ。」

「クリン兄も止めて上げよ?ほらあの人女王様?みたいな格好の人の後ろに隠れちゃったから。」

「いつまでもこうしてたら他のクランが来る可能性もありますわ。さっさと片付けますわよ。」

「「「「「はーい」」」」」


結果だけを言うとまぁ完封でした。相手の攻撃は完全に俺が受けきり、相手の反射障壁はリダの攻撃で簡単に割れていた。他の皆の容赦ない攻撃に全員がポリゴンになって消えて行きましたわ。窮地を脱出しようとしていたはずなのに、気が付いたらクランを2つ潰していた。どうしてこうなった?


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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