後継者問題再び

第319話

色々とやる事を終わらせてからのログイン!!残りは明日の俺頑張ってくれ!!


客室で目が覚めた俺はそのまま外に、皆と合流しようと思ったんだが・・・・。何やら船の中が騒がしい?なんか在ったか?


「すまん、船の中が騒がしいみたいだが何か在ったか?」

「ルド様!!丁度今お呼びしようと思っていた所です!急いでブリッジに来て下さい!」


丁度通り掛ったマジックドールに事情を聞こうとしたら、向こうもこちらを探していたみたいだな。ブリッジに来いって事はウィンドルに何か在ったか?皆はそこに居るんだろうか?


「事情はブリッジで艦長が説明してくれます。急いで向かって下さいませ。」

「あぁ解った。ありがとう。」


ちゃんと理由が聞けるならまずはブリッジに行くべきだよな。待ってるみたいだし少し急いで向かうとするか。


少し早歩きでたどり着いたブリッジには、ルゼダとアインの2人が頭を付き合わせてうんうんと唸っていた。他の面々はどこ行った?ログインしてるはずなんだけどな。シアとアイギスも居なかったし。


「ん?おぉルド!!やっと来たのか!」

「遅いですわよ!ルドさんが最後ですわ!!」

「忙しい社会人に何言ってるんだよ。これでも急いでログインしたんだぞ?それで、何か在ったのか?」

「密航だ。未遂だけどな。」

「密航ぅぅぅ?」


24時間マジックドールが監視しているこの船に密航?なんでそんな考えに至ったんだか・・・。全マジックドールが普通に戦闘出来るレベルなのに自殺行為だろそれ。


「どうやらその密航者はマジックドールの事を知らなかったみたいなのですわ。」

「しかも、自分達がヒュマニアの後継者だと言っている。」

「えっなに?そいつらいい所の奴なの?」

「確認は取れていないがな。」


ふーむ、俺達が向かっているヒュマニアの偉いさんならここで印象良くして置けば後々利益になるか?でもそれが事実かどうか確認取れてないって事は詐称の疑いもある訳で・・・。


「それで?その問題の3人は今どこにいる?」

「客室の1つを使って閉じ込めている。」

「リダさん達は話を聞きにそちらに行きましたわ。シアちゃんとアイギスちゃんも連れて。」

「なんでまた?」

「相手にも子供が居るみたいでな。見た目の歳が近ければ何か情報が得られると思って勝手に借りた。事後承諾になってすまないな。」

「2人が了承したんなら問題無いよ。」


シアとアイギスには約束事をいくつかしているが、基本自分で判断して動くように言っている。その2人が行ったって事は大丈夫だって事だ。


「で、2人して唸っていた理由は?」

「キニスが昨日の晩に聞いた話が問題でな。」

「どうやら今ヒュマニアでは都市の代表の座を巡って後継者争いが発生している様ですわ。」

「あぁ、その密航しようとしていた奴の中に後継者候補が居て、ヒュマニアに帰ろうとしているのを妨害されてるって感じか。」

「さすがルドさんですわ。たまに察しが良くて助かりますわね。」

「こういうのは結構話のバリエーションで在るからな。帰路の妨害や暗殺何てのもオーソドックスな話だぞ。」

「まさにそれらのオンパレードだったみたいだな。」


どうやらシア達と見た目が近い子供が後継者候補で、遠くの街に執事と侍女を連れて留学していたんだそうだ。留学途中でヒュマニアの後継者問題が起こった事を聞きつけ、急ぎ街に戻る途中だったらしい。


道中借り受けた馬車の車軸が折れたり、普段はいないはずの魔物が進行方向に現れたり、宿の食事に毒が盛られていたりとまぁ妨害工作のオンパレード。けど3人で協力してここまで来た処で、道の先に大勢の兵士の姿を確認したんだとか。ヒュマニアの兵士だった為に安心して近づいた所・・・。


「剣で襲い掛かられた、と。まったくお約束が過ぎるな。」

「それで逃げる途中に空中で兎と戦っているウィンドルを見つけたらしくてな。」

「空を飛べるなら兵士を無視して街に乗り込めると密航しようとしたそうですわ。」

「街に連れて行ってもどうにもならんだろそれ。それに連れて行く報酬はどうするんだよ?俺達が冒険者だって説明したんだろ?」

「家宝のペンダントを差し出すとさ。」

「うわぁ、絶対それ狙いだろ後継者争い起こした奴。」


家宝のペンダントは密航者の父親が留学前に持たせてくれたもので、これだけは絶対に守るようにと言っていたんだそうだ。これもうほとんど決まったようなもんじゃん。


「そんで?その3人をどうするんだ?」

「もちろんヒュマニアに送って行く。ただし、一度城塞首都に戻ってからだな。」

「時間はどんな感じだ?」

「ギリギリですわね。でも、後継者問題を解決したらクランがランクアップする為のクエストとして十分だと思いませんこと?」

「依頼を出す事は了承したのか?」

「そこら辺の説得も皆に任せている。」


本題はそっちだろうな。必要な情報はほぼ出てるから、クエスト発行をしてくれればこちらとしても大助かりって訳だ。仲良くなって追加報酬を!!っていう下心も感じないわけでは無い。


「あっパパお帰り!!」

「(〃・ω・ノ)ノ ♪♪」

「おうただいま。今事情を聞いた所だ。説得はどうだった?」

「バッチリ!!今リダお姉ちゃん達が細かくお話してるよ!」

「v( ̄Д ̄)v 」

「そうか、それで?子供の顔は見たのか?」

「うん!!皆黒いローブ来てたけどシアには見えたよ。男の子の格好してるけど女の子だったよ。」

「( ゚Д゚ノノ”☆パチパチパチパチ」


精霊の目を持っているシアにとっちゃ、ローブ何て透明なビニール袋の様な物だ。それに格好を変えても性別は変えられないしな。いや性別変換薬使ってたらまた違うだろうけど・・・、まぁそれは置いといて隠している事をすぐに暴けるシアはやはり凄いな。


俺が作って隠していたおやつもすぐに探し出して食べちゃうからな!!この前隠したプリンも瞬殺だったもんなぁ・・・・。


「あのプリンはすっごく美味しかった!!」

「ヽ(`Д´)ノプンプン」

「早くアイギスも食べられる様になればいいな。」

「本題に戻って良いか?あの3人は城塞首都に戻る事も了承したと見て間違いないな?」

「うん!!リダお姉ちゃんがもう向かっても良いって!!地下ドッグでウィンドルを完全に修理してから突撃だ!って言ってた。」

「よし、ならさっさと出発しよう。不穏なやつらが近づいているみたいだしな。」


アインが視線を向けた先は、ネズミの獣人種が見ている球体レーダーだった。そこには飛行戦艦を遠くから伺うように赤い点が3つ、森の中に隠れていた。しかもその赤い点は徐々にこちらに近づいて来ている。


「あれが襲撃者か?」

「船の乗員と認めた者の敵対者は赤く表示される。間違いなく襲撃者だろうな。」

「シアが改造しといた!!」

「σ(゚∀゚ )」


いやそれどんな改造したんだ?便利過ぎるだろその機能。改造内容は気になるが、つまりこの表示されている点は完全に敵だって事で良いんだな?だったらさ。


「一発かましとくか?」

「昨日のボス戦で武装関連はしばらく使えないな。忘れたのか?」

「甲板から魔法撃てばいいじゃないか。」

「それ良いですわね。ちょっと脅かして上げましょう。艦内に通達ですわ!!ウィンドルが飛び立ったと同時に遠距離攻撃を持っているメンバーは指定座標に遠距離攻撃を行いますわ!ウィンドルはその後城塞首都に戻って修理と改修作業に掛かります!クランランクを早く上げる為にもぱっぱと修理を終わらせてヒュマニアに向かいますわよ!!」


ルゼダの言葉に艦内のあちこちから雄たけびが!?いやぁ皆楽しんでるなぁ。ブリッジから見える範囲に銃や杖を持った人がどんどん集まって来てるし。あっ!ルリとクリンの姿もあるな。


「操舵長、ウィンドル発進だ!!上昇した後は森に狙いをつけやすいようにしてやれ!!その後は全速力で城塞首都に戻る!!」

「アイアム!!機関始動出力30%、上昇開始!!」


ガゴンッ!!


おうおう、ウィンドルが動き始めたのが見えたのか森に居た連中が慌ててこっちに走って来るな。今更慌てた所で遅いんだぜ?俺は何もしないけど!!


「高度500で船体固定。船首回頭60度。」

「今ですわ!!E30ポイントを攻撃!!」


甲板から色とりどりの攻撃が森に向かって放たれる!!襲撃者達は・・・。突然攻撃された事に驚いて足が止まったな。いや、死にたくなかっただけか?何発か至近距離に命中したからなぁ。


「脅しはそれくらいで良いだろう!ウィンドル!城塞首都に向けて全速前進!!」

「全速前進ヨーソロー!!」


さてと、これで襲撃者側に旅人が味方に付いた事が知られた訳だが。これで降参してくれると楽なんだけどなぁ。そんな訳には行かんよなきっと。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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