第312話
ルリとベニは双子だった。なぜだったかって?巨人の俺がシッカリと2人の顔を確認できたのが冒険者ギルドでクランを作った時に、座って話し合った時だったからだよ。あっちなみにクラン設立は冒険者ギルドで作れたぞ。ランクの制限も設立資金も無しだった。こんな簡単に作れて良いのか?
そんでもって俺の認識の話だけど。普段の俺の視界に映る人ってのは頭頂部が大部分を占める。同じ巨人種や竜種なんかは別なんだけどな。普人種の最大身長が180cmな時点でお察しだ。
顔なんて相手が話しかける時に俺の顔を見上げてこないと確認できないからな?だから2人の印象が髪の色だけだったんじゃよ。
「何で隠居爺の様に顎を撫でてるんですか?それにしても顔だけじゃなくて装備まで見てなかったとか酷いですよねぇ。」
「全くですわ!!2人の職業も解らずに勧誘していたなんて!!」
「それはしょうがない。印象に残らなかったんだから。」
「僕、ちゃんとそこら辺の解ってて勧誘したんだと思いました・・・。」
「兄ちゃんデカいもんなー。」
「お姉ちゃんと私、クリンさんとルゼダさん4人が肩に乗れそうですもんね。」
「シアも乗れるよ!!」
「σ(゚∀゚ )」
まぁ体デカいから必然横幅もでかくなるしなぁ。でも全員が肩には乗れないと思うぞ?両手を使ってやっと乗れるくらいだ。
「それで?クランに入って貰ってから聞くのも何だが、2人はどんなプレイスタイル何だ?」
「それならステータス見て貰った方が早いかなお姉ちゃん?」
「せやなぁ。もう同じクランの仲間やし、特別に見せよか!!」
そう言う事で見せて貰ったステータスがこちら!!
名前 ルリ
種族 普人種
所属 冒険者 ランクE
ギルド ティーターン(ランクF)
HP 100
MP 10
スキル
<銃使い>
銃による攻撃が出来る。ダメージ5ポイント
<鷹の目>
弱点を狙いやすくなる。クリティカル率10%UP
<高速装填>
リロードを素早く行う。攻撃のリキャストタイム-10秒
<軽業>
羽毛の様に軽い体は縦横無尽に空間を動き回れる。
<両銃持ち>
銃を2丁持ち出来る。銃に関する効果2倍
装備
頭 望遠ゴーグル(クリティカル率10%UP)
体 初心者の服
右手 初心のラッパ銃
左手 初心のラッパ銃
腰 初心者のズボン
足 初心者の靴
アクセサリー
頭 初心の羽飾り
体
左手
右手
称号
所持金 0マネ
名前 ベニ
種族 普人種
所属 冒険者 ランクE
ギルド ティーターン(ランクF)
HP 100
MP 10
スキル
<槍使い>
槍で攻撃できる。ダメージ5ポイント
<盾使い>
盾を使った場合に敵の攻撃ダメージを10ポイントカットする。
<チャージ>
走った距離によって次に命中する攻撃の威力が変わる。メートル×1ポイントダメージに+
<優れた体幹>
相手の攻撃を受けた際、態勢が崩れにくくなる。ノックバック抵抗
<運命の慈悲>
稀に即死ダメージを受けてもHP1で生き残る。
装備
頭
体 姫騎士の鎧(胴体に受けるダメージ-20ポイント)
右手 初心者のランス
左手 初心者の盾
腰 初心者のズボン
足 初心者の靴
アクセサリー
頭 初心の羽飾り
体
左手
右手
称号
所持金 0マネ
ルリはガンナーだな。後方から遠距離で攻撃を加えるDPS職って感じだ。銃を2丁持てる何て初めて見たな。
スキル構成も銃のデメリットであるリロード時間を短縮出来て、なおかつクリティカルが狙いやすく手数2倍なんて火力かなり高くないか?軽業が在るから動き回ってぶっ放す!!って感じだろうなきっと。
ベニの方はと言うとこれ完全にタンクだな。どっしりと構えて相手の攻撃を盾で受け、槍で反撃するっていうオーソドックスな盾職だ。うんうん、タンクが俺1人で不安だった所にタンクがもう1人増えると。これはパーティープレイの安定度も上がるし鍛え甲斐が在るんじゃないか?
「この2人、結構いいスキル構成してますねルドさん。」
「そうだな。これならすぐに即戦力だな。」
「2人の装備に初心者装備じゃないのが在るのは何で?」
「うちらシングルナンバーのソフト当たってん。」
「一桁生産のソフトには特典が付いていたみたいでして・・・・。」
あー、ALOでもあったあれか。イルセアさんが魔女の帽子当たった奴。今回復帰組はその特典が当たらない様になってるって機器とソフトを希望した後にメールで来てたな。この2人は運良く2人共シングルナンバーのロットに当たったのか。ちなみにDLが主流の時代にシングルナンバーとは?と思った人も居るだろうが、ゲーム販売店で購入する時のDL用ソフトカードに記載されている番号だったりするぞ。
「ねぇねぇパパ?2人共冒険者ランクパパたちより高いよ?」
「(((uдu*)ゥンゥン」
「げっ!?マジか!!」
「そう言えば、皆さん冒険者ランク低いですね?」
「これ、クラン設立にランクの上限決まっとったらどうするつもりやったん?」
「そこは皆でクエストを受けまくるつもりでしたわ!!」
「僕達先にスキルを充実させようと修行期間に入ったからね。」
「ランクDくらいまでならすぐだと思ってました!!」
「あー、ランクDまでならすぐですもんね。」
「おつかいクエストやってたらすぐ上がるからなぁ。」
まぁ俺達は急いでその冒険者ランクを上げないといけないんだけどな?その事を皆に伝えるのはとても心苦しいが・・・。
「これでイベントに参加出来ますね!!」
「せや!!クランも作ったし、イベントの参加申請もしたんやろ?」
「友魔の鈴楽しみだねお姉ちゃん!!」
「あー、それなんだが・・・・。」
「ちょっと問題が在るんですわよねぇ・・・。」
「うん、何かあったの2人共?」
クラン設立の手続きは、(しぶしぶ)クランマスターになる俺とサブマスターに自分から立候補したルゼダで行った。だからこそ皆は知らないんだが、実は今度のイベントに参加するのに非常に重要な情報が抜けていた。
「実はイベントに参加する為にクランのランクをDまで上げないと行けないらしくてな。」
「これからクランのランク上げですわ!!」
「「「「「えぇ~!?」」」」」(゚д゚)!
さっきルリとベニのステータスを見て気が付いた人はいるだろうか?クランの名前の横にランクが表示されている事を・・・。これは個人の冒険者ランクとは別のクランランクという物。これも冒険者ランクと同じようにランク付けが在り、S~Gまでランク分けがされている。
うん?なんでGランクからスタートじゃないんだって?Gランクは冒険者ギルドに登録して“いない”旅人がクラン内に居るとなるランクだからだ。まぁつまり一般人が居るクランだからまずは何が出来るのかを見せてね?と言う事らしい。クランって冒険者ギルド以外でも作れるんだな。生産職クランは商業ギルド所属になるんだってさ。
「まぁ俺達は全員戦闘職だ。だからランクFからスタート何だが・・・。」
「クランのランクを上げるにはクランクエストを受けないと駄目らしいんですの。」
「それは冒険者ギルドのクエストとは別ですか?」
「リダの言う通り別扱いらしいんだわ。」
「じゃ、じゃあそのクエストは何処で受けれんねん!早く受けてランク上げんと!」
「それがなぁ・・・・。」
「同じ考えのクランが沢山居るという事ですわねぇ・・・・。」
「まっまさか!?」
「受けられるクエストが今無いんだとさ。」
ここら辺はALOの仕様と一緒だな。クエストはこの世界に住んでいる住人から出される物だ。つまり困りごとが無いとクエスト何て出てこない。そして同じクエストを何回も受ける、何て事もない訳だ。まぁ定期的に同じクエストを出す人も中に入るが、大抵1回困り事を解決するとそのクエストは出てこなくなる。
「それじゃあ私達がクランに入った意味って・・・。」
「入り損やないか!?どうしてくれるんや!!」
「まぁまぁ、そういきり立つな。」
「解決策はありますのよ。」
俺達の言葉に首を傾げる他のメンバー。うん、クエストが無いと言ったのに解決策が在るとは何で?と全員の顔に書いてあるわ。
「で?その解決策って何ですルドさん?」
「せやで兄ちゃん!!もったいぶらずに教えてぇな!!」
「私も気になります!!」
「その解決策ってのはな?」
「別の街に行くことですわ!!」
ルゼダの発表に全員がポカーンとした顔になったのは言うまでもない。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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