第274話

ALO2のメンテナンスは予定時刻丁度で終わった!!いやぁ、神様達皆とセカンドライフ社の人達が頑張ってくれたから俺達は遊べる訳でして、ニュースサイトやSNSでセカンドライフ社社員の怨嗟の声が多数呟かれていたのには目を瞑って・・・・ご苦労様でっす!!


と言う事で早速ログインでございます!!1週間後のイベントまでに色々と準備しないとな。その為にも速く流派スキルを覚えておきたい!!


降り立ったのは例の不思議空間から見えていた路地裏だった。そこには師匠がうつ伏せに倒れていて、俺の横にはリダやルゼダ、クリンが居る。シアとアイギスも俺のログインと同時に実体化した。


「パパ無事だった!!」

「・゚・(つД`)・゚・ ウェ―ン」

「おう、心配させてごめんなぁ。」


俺が無事な事に安心して胸に飛び込んでくる2人を抱きとめて頭を撫でてやる。しばらく泣いていたが、落ち着いて来ると肩の上に乗って足をプラプラさせ始めた。


「もうあの変なの居ない?」

「あぁ居ないぞ。」

「ε-(´∀`*)ホッ」

「空間に亀裂も無くなってますね。」

「あれは何だったんですの?」

「あー、バグの元凶だ。あれをどうにかする為にメンテ入ったんだよ。」


ルゼダとクリンがあの素材グチャグチャモンスターの事について聞いて来たのでバグの元だと説明する。まぁバグから生まれた存在だから嘘は言ってない。呪いスキルの影響で生まれただけだしな。


「それでこれからどうしますか?」

「とりあえず師匠を連れて帰って、ギルドにクエストの報告かな?そう言えばどれくらい倒したんだ?」

「ちょっと待ってくださいまし・・・・。365匹になってますわね。」

「そんなに倒してたの?」

「シチートさんの分がかなり多そうですわね。街に帰ってくるまでにも暴れてましたし・・・。」

「リダさんも一緒になって暴れてたもんねぇ。」

「あの時はルドさんの事が心配で仕方なかったんです!!」


まぁ魔物を倒した動機はともかく、これで365000マネの稼ぎになったと。それを師匠とリダ、クリンとルゼダに俺の5で割ったら73000マネか。師匠の分と合わせたら10万マネ行けるな。


「パパ、ドロップ品もあるよ!!」

「☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエーイ」

「おう、それは今後の活動資金にするか。」


ALO2では友魔が倒した魔物のドロップ品は友好度によって入手量が変わる仕様になった。もちろんオーバーキルでのドロップ消失の後での入手量だ。


俺の場合は娘になるくらいの友好度なので、普通の旅人が倒した魔物のドロップの8割が手に入る様になっている。ALO時代の友魔をBOT化してアイテムを自動回収しない為の措置だな。奴隷の様に使ったり放置し過ぎれば友好度が下がってドロップが手に入らないという寸法だ。まぁ俺はシア達が手に入れた物なんだから彼女達が使いたい事に使う様に言っている。使っていいよと言われたら使わせて貰うけどな。


「それじゃあ私達がクエスト報告に行ってきますわ。」

「ルドさん達はシチートさんを連れて先に戻っていてください。霊廟で集合と言う事で。」

「この悪魔は私が運びますので!!何やらルドさんに運ばれるのを待っている気配がしますので!!」

「ちっ!?」

「今舌打ちした?ねぇ師匠?今舌打ちした?本当は起きてる?」

「・・・・・・・・。」

「ちゃんと気絶してるよパパ?」

「(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪」

「気のせいか。とりあえず報告は任せた。俺達は先に霊廟に戻ろう。」


と言う事でシチート師匠をリダが運んで俺達は霊廟に戻った。師匠を部屋に寝かせた後、シルが居るか家事をしていたファランに聞くと、今は緊急で国王との謁見に行っているらしい。何かあったかな?


「ただいま戻りましたわ。」

「クエスト報酬貰って来ましたよー。」

「おうありがとう。」


師匠は寝たままなので俺が師匠の分まで報酬を預かる。いやぁ、何もしてないのに報酬貰って悪いなぁ。今度シアとアイギスに何か美味しい物を買ってあげよう。


「本当ですわ。突然いなくなったと思ったらあのような変な空間に居るんですもの。」

「まぁそのおかげでスキルが貰えたから良いじゃない。」

「そうですわね。」

「はっ?スキルを貰った?リダも?」

「あー、私も貰いました。」


俺には何も無いんですが?一体何で?


「どんなスキルを貰ったか聞いても良いか?」

「気配察知と言うスキルですわ。」

「僕も一緒です。」

「私もです。効果は索敵と似ていますね。索敵との違いは生命じゃなくて動く物を察知するという物です。」


スキルを見せて貰うとこんな奴だった


<気配察知>

 自身を中心とした半径50メートルの動く物を察知してマップに表示する。


「いや良いじゃん。俺も欲しいんだけど。なんで貰えてないの?」

「一応メンテナンスに入ってしまったお詫びと言う形で貰いましたから。」

「ルドさんは本当に何も貰っていませんか?」

「いや、本当に何も・・・・うん?」


インベントリに見慣れないアイテムがあるな?


『絵本世界への招待状』

 とある作戦で使われる絵本の世界にキャストとして登場する事が出来るアイテム。絵本の中での役割に応じてスキルを獲得する事が出来る。


もしかしてこの絵本ってやつが巨神様達が言っていたイベントに関係するのか?役割に応じてって事は攻撃スキルも覚えられる?いや期待しないでおこう。絶対に手に入らない気がする。俺こういうの詳しいんだ。(血涙)


まぁでも有用なスキルが覚えられるならありか?イベントの際に巨神様が俺の事を呼ぶって言ってたし、そこで役割を自分で選べるなら実質好きなスキルを覚えられるチケットだぞこれ。うん、複数スキルを取得できる可能性も在るし当日を楽しみにしていよう!!


「すまん、俺にもお詫びのアイテムがあったわ。」

「それはどんなアイテムですの?」

「あー、言えないんだ。すまんな3人共。」

「ルドさんが秘密にするとか珍しいですね?」

「私には教えてくれますよね!ねっ!!」

「リダ近い!!近いから!!教える事は出来ないんだって!!」

「パパ?私達にも秘密―?」

「(。´・ω・)?」

「シアとアイギスには教えられるなぁ。」

「わーい!!」

「ワァ───ヽ(*゚∀゚*)ノ───イ」

「2人だけずるい!!」


何とか3人の追及を躱してまずは師匠の道場再開の為の支払いを行う事に。事前にシルに必要な物を伝えてあるのでファランに金額を払うだけだ。


「と言う事で10万マネだ。これで頼むな。」

「畏まりました。・・・・確かに10万マネお預かりします。明日には道場が再開できると思いますので、それまでご自由にお過ごしください。」

「解った。」


道場の再開が明日なのか。ファランが言ったって事はゲーム内時間で明日だな。つまりリアルで夜には修行に入れると。それならイベントまでに十分間に合うか?


「さて、それじゃあ俺達はどうしようか?」

「そうですね。手に入ったスキルの効果を試しに草原に出ても良いですが・・・。」

「今は止めて置いた方が良いですわよ。今草原は人で一杯らしいですわ。」

「皆考える事は同じだね。」


SNSによると今回のメンテナンスに際して詫び石ではないけど詫びスキルが配られたらしい。どれも気配察知や振動探知何かの索敵系スキルで、使い勝手も悪くなく実用的なスキルばかりだ。


手に入ったスキルがどのように使えるのかを調べる為に多くの人が草原に出て魔物を狩っていて、すでにリスキル状態らしい。ALOの初期を思い出すなぁ。


「じゃあ元ゴーレムダンジョンはどうだ?ダンジョンなんだから魔物も出るだろ?」

「シチートさんの事件の後に潜った人の報告だと、あの洞窟で魔物は確認されていないそうです。」

「そもそもシチートさんが飛び出した後にあのダンジョンは死んだらしいですわ。マップもすでに別扱いではなくただの洞窟となって居るそうですの。」

「クリン君もルゼダちゃんも色々詳しいね。」

「そりゃメンテナンス中にSNSで情報を集めてましたから。」

「2人共偉い!!」

「(((o(*゚▽゚*)o)))」


ふむ、草原もダンジョンもダメとなると後1か所くらいしか無いよな。


「ここら辺のマップだと後は森くらいか?」

「森も人が多そうですねぇ・・・。」

「あー、どこもリスキル状態で魔物が足りないそうです。」

「旅人暴走ですわね。魔物も可哀そうに・・・。」


うーむ、他のマップに行くことを考えるべきか?ただそれぞれのマップの奥に行ったという話がSNSに出てないんだよなぁ。それ所か草原も森も途中で先に進めない様になっているらしい。


「街中でゆっくりしても良いが、何かしたいよなぁ・・・・。」

「せっかく集まりましたしねぇ・・・・。」


バタンッ!!


「ルド兄様!!ルド兄様は居られますか!!」


これからの行動に悩んでいると、扉を開けてシルが部屋に飛び込んで来た。その様子はかなり焦燥していて、ただならぬ気配が漂っている。


「どうしたシル?俺ならここに居るぞ?」

「ルド兄様!!すぐに私と一緒に来て下さい!!」


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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