第272話
※ちょっとリアル側のお話。書いて見たかったんや・・・。
「さて、時間が余ってるし何するかなぁ・・・。」
ALO2がメンテナンスに入ってリアルに戻って来た。とりあえずEEDを外してこれから何をしようかと考えていると・・・。
ピンポーン♪
「うん?何か頼んだっけ?はーい今でまーす!!」
家に誰かが訪ねて来た。そして扉を開けるとそこには・・・・。
「あっ守さん!!来ちゃいました!!」
「いや来ちゃいましたって何やってんのさ理沙ちゃん・・・・。」
リダの中の人である藤堂理沙その人が玄関に立っていた。
「ALO2がメンテナンスをしている間守さんとお出掛けしようかと!!」
「今日は仕事も休みだし、出掛けるのは良いけど前みたいにアクティビティ施設をたらい回しにするのは止めてね?俺もおじさんだから翌日が大変なのよ・・・。」
「大丈夫です!!もうその必要はありませんので!!」
「どういう事?」
「こっちの話です!!」(すでに肉体改造済みです!!はぁ~、シェイプアップした守さんはやっぱりカッコいいです。ポッ♡)
理沙ちゃんは俺が変質者から助けた時に引っ越しをしていて、実は俺の家からそう離れていない所に住んでいる事がオフ会の時に解った。それ以降はちょくちょく家に遊びに来てあんまり外出しない俺を連れ出してくれてるんだが・・・。
その行き先がクライミング施設だったり、プール(遊ぶ場所じゃなく泳ぎを主体としたガチプールの方)だったり、スポーツジムだったりと体を動かす事中心の場所ばかりだった。まぁ運動不足を痛感していたから丁度良いと思って行ったけどね。
そんでもって遊んだ後にお礼として食事を奢っていたんだけど・・・。まぁその要求が細かいのなんの。野菜中心のメニューが在るレストランに行きたいからと言われて、その時は女の子らしいなぁと思っていたら。次の機会にはがっつり焼肉が良いと言われたり。かと言えば魚中心のちょっとお高い店に連れて行かれたり。まぁ俺の奢りだからどこに行っても構わなかったけど、注文するメニューまで細かく理沙ちゃんが決めてた。おかげですっかり痩せちゃったよ。
「それで?どこに行くの?」
「お洋服を見に行きたいので一緒に行って欲しいんです。」
「俺みたいなおじさんで良いの?言っとくけどセンス全く無いよ?」
「大丈夫です!!」(狙いは守さんとの買い物デートですから!!あわよくばペアルックを・・・・ふふふ。)
何やら不穏な気配を感じるが、このまま家に居ても小説読んでるか次回作のアイデア練るだけで終わりそうだしな。
「じゃあちょっと準備するから待ってて。近くの商業施設で良いんだよね?」
「はい!!BEONに行きますのでそんなに時間は掛かりません!!」
「解った。行くついでに足りない物でも買って来るか・・・・。」
と言う事で待たせちゃ悪いのでささっと準備を整える。財布と情報端末を持てば十分だけど、さすがに女の子と出かけるんだから少しは身だしなみに気を使うぞ?一回適当な服装で一緒に出掛けたら職質されたからな!!
最初は俺も遠慮してたんだけどなぁ。理沙ちゃんの押しが強いのと、変な人に絡まれるのが怖いから防波堤になってくれって言われたら、知らない仲じゃないし力になりたいと思うじゃん?その後はずるずると一緒に出掛ける様になって行った訳だよ。
「お待たせ。それじゃ行こうか。」
「はい!!」(一緒に出掛ける事に違和感が無くなって来ましたね!!後は家にお泊りできる様になれば・・・・。)
「何か言った?」
「何でもないです!!早く行きましょう!!」
俺のマンションから電車で30分の所に複合商業施設であるBEONが在る。全国に同じような店を展開する巨大企業で、日用雑貨から食品、服や専門的な道具を取り扱う店が数多く入っている場所だ。レストランやフードコートもあって休日は多くの人で賑わっていたりする。
「今日も人が多いですねぇ。」
「まぁ休みだしな。しょうがないさ。」
多くの人達が店の入り口吸い込まれて行く。ふと横を見ると、商業施設の入り口にある巨大な電光掲示板には、ALO2発売の表示と一緒に現在メンテナンス中である事が書かれていた。その後にネットニュースが表示され、そこにもALO2の初日メンテナンスについて書かれた記事が。
「発売初日に大規模メンテだもんなぁ、ニュースにもなるか。」
「でも騒いでいる人は一部だけみたいですよ?他の人は初日メンテしていいから問題を全て洗い出して対処して欲しいって書いてます。」
理沙ちゃんが見せて来た情報端末には、公式SNSが表示されていた。メンテナンスはゲームシステムだけでSNSは使えるのか。
その表示されたSNSには初日メンテナンスは結構ある事と、セカンドライフ社社員のつぶやきに社内映像が添付されていて。まるで火事場の様に慌てふためき一心不乱にメンテナンスに取り組んでいる社員が映し出されていた。
「これ見せられたら文句は言えんよなぁ。」
「この人なんて目の下のクマがひどい事になってますよ。大丈夫なんでしょうか?」
「ぶっ倒れる前に休憩取らせるだろ。それに管理AIが頑張るだろうしな。」
ログアウト前に全力でメンテナンスに取り組むと宣言したんだから頑張って欲しい。メンテナンスの延長が無い事を祈ろう。セカンドライフ社の社員の為にも本当に頼むぞ?このままじゃ過労で死ぬからな?
「いつまでもニュースを見てないで中に入るか。さすがに外は暑すぎる。」
「そうですね。中に入って涼みましょう。」
俺の腕を引っ張って歩き出す理沙ちゃんに追い縋る様に慌てて店内に入る。店内ではクーラーが効いていて涼しくて気持ちのいい風と共に落ち着くBGMが流れていた。
「まずは服だっけ?理沙ちゃんは確か2階にあるHEGOブランドが好きなんだったか。」
「そうです。覚えててくれてうれしいです。」
「そりゃあれだけ教えられたらなぁ・・・・。」
毎回毎回服と言えばここ!!と力説されたからな。興味なくても嫌でも覚えるぞ。
「と言う事で行きますよ!!」
「落ち着きなって、服屋は逃げないから。」
(守さんとの時間はすぐに過ぎちゃうんですよ!!だから)「急ぎましょう!!」
「なんでっ!?」
理沙ちゃんに引きずられる様に服屋に辿り着いた俺は、その後は理沙ちゃんの「どっちが良いですか?」攻撃に晒された。
良いか世の男性諸君!!女性の「どっちが良いですか?」に適当に答えてはいけない!!こういう時は大抵女性の中でどちらかが決まっていて、そちらを選ばなかったら怒られるのは男だと覚えておけ!!たとえ理不尽でもそういう物なのだ!!
本当に意見を求められた際には明確に理由を述べる事!!適当な理由だと不機嫌になって機嫌を取るのに苦労するぞ!!あの時はアイスとケーキと帰るまで手繋ぎで帰宅する事で機嫌が直って良かった・・・。もう俺はあんな失敗は二度としない!!
と言う事で服選びに2時間を掛けて、なぜか俺の服も一緒に購入して(もちろん自分でお金を出した。)施設内にあるブタバでコーヒーブレイクだ。
「俺の服まで買う必要あった?」
「守さん服に無頓着過ぎですからちょっとはオシャレしないと。今着ている服だって前に私が選んだ奴ですし。」
「その節は面倒を掛けて申し訳ない。」
黒のシャツに黒のズボンで、黒色のパーカー来てたら職質されたんだよな。それを見かねて理沙ちゃんが俺に似合うように服を選んでくれたんだよ。おかげで自分でも見違える様に普通の人になった。痩せる前だったし、今思うとあの格好はどうかと自分でも思う。いやぁ本当に服装センス無かったんだよなぁ。
(それに守さんとペアルックもゲットしました!!これを着て出かければ周りから恋人同士に見えるはず!!守さんゲット計画は順調です!!)「くふふ。」
「突然笑いだしてなにかいい事でもあった?」
「いいえ、お気になさらず。」
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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