例のあの人の復活

第262話

ダンジョンの中でリダ達は移動を続けるシチートを追撃していた。


「このっ!!待ちなさい色魔!!」

「ふふふ、雌猫はそこで発情してなさい。<誘惑>」

「にゃん!?」


なんとかシチートを捕まえて動きを止めようと飛び掛かったリダにシチートは攻撃を行う。


シチートの攻撃。

魅了魔法による攻撃。<誘惑>スキルが発動。

ダメージ0ポイント 状態異常(発情)の付与。


シチートの瞳から怪しい紫の光りが飛び、リダに命中する。驚きからなのかリダの口から猫の様な言葉が飛び出した。


「リダさん大丈夫ですの!?」

「様子がおかしいよルゼダ!!」

「はぁ・・はぁ・・このっ!!待て!!」


リダの事を心配するルゼダとクリン。攻撃を喰らったリダはと言えば、顔に赤みが差し少しだけ体を身悶えていたが、呼吸を整えてすぐにシチートを追いかけ始めた。リダの様子が変だと言われルゼダはログを確認する。


シチートの魅了攻撃によりリダに(発情)の状態異常を付与。

プレイヤー名リダは年齢制限がONです。魅了攻撃による効果を微熱に変換します。

リダは状態異常(微熱)になった。


「あらぁ~?あなたまだ成人して無いの?まだまだお子ちゃまだったのねぇ~。スキルが失敗しちゃったわ。大人の経験はまだ早かったわねぇ。そんなのでルドきゅんを満足させて上げられるのかしら?」

「~~~~っ!?絶対ぶん殴る!!」

「本来の効果はどんなのだったんだろう?」

「私達はまだ知らなくていい事ですわ。」


ダンジョンの中を飛びながら逃げるシチート。その後ろから顔を赤くしながら追いかけるリダは壁を蹴りシチートに襲い掛かる。


リダの攻撃。

拳による攻撃。<拳闘><格闘術><心義夢想><軽業>スキルが発動。

ダメージ10ポイント


シチートの回避

リダの攻撃は外れた。

ダメージ0ポイント


「くっ!!」

「ふふふ、辛いでしょー?微熱だと言っても目線は定まらずに攻撃に威力も乗らないわ。そんなへなちょこパンチなら何度でも避けてあ・げ・る♡何度もルドきゅんとの間を邪魔した罰よ♪」


シチートの言葉に疑問を覚えたルゼダは、追いかけながらシチートに話しかけた。


「シチートさんは私達が誰か解っているんですの?」

「そんなの解ってるわよ?ルドきゅんのお仲間でしょ?剣士君と巫女ちゃんは背が縮んだわねぇ。そこの雌はルドきゅんに媚びる為に猫になったんでしょ?残念だったわね!ルドきゅんの心は私が貰うわ!!」

「なんでそんなに自信満々なのよ!!貴方疎まれてたのよ!!」


シチートの返答にどうやら彼女は姿が変わっても自分達の事が解ると判断したルゼダ。その間にもシチートとリダの言い合いは続く。


「ふふふ~ん♪雌猫はそこでニャンニャン鳴いていればいいのよ。待っててねルドきゅんいま貴方のシチートが行くわ♡」

「質問に答えなさーい!!」

「あっ待ってくださいまし!!」

「ルドさんに連絡できないのが辛いねこの状況は!!」


あっという間に洞窟の奥に姿を消していく2人。見失ってはまずいとルゼダとクリンも慌てて後を追うのだった。


一方、洞窟の出入り口に居るルド達。


「さてと、そろそろ中に突入するか。」

「ルドさん、回復は十分ですか?」

「おう、大丈夫だ。それにさっさと中に入らないとこの2人がな。」

「さっき活躍できなかったから次はシアの番!!」

「( `,_・・´)フンッ」

「大分気合が入ってますね。」

「暴れて発散させないと暴走しそうだからな。」


キラー達との戦闘で使用不可になったグラスの銃のメンテナンスを待ちながら、洞窟探索も手伝っても良いという人達と回復や装備のメンテナンスをする為に休憩を取った。集まった全員の準備が整い、やっと洞窟の中に入れるようになったな。


シアとアイギスはキラー達を撃退する時に手を出させない様にしてたからなぁ。中に魔物が居るのかどうか分からないが、リダ達が出てこない所を見ると何かトラブルがあった事は間違いない。この2人にはその対処をして貰ってこのやる気を発散させないとな。


「さて、それじゃあ各自警戒しながら洞窟に「・・・・・・・!!!」何か聞こえたか

?」

「洞窟からでしょうか?」

「パパ、アイギスが声が聞こえるって。洞窟の奥からだって。」

「(((uдu*)ゥンゥン」

「そうなのか?」


アイギスの話を信じてその場でじっと耳を欹てる俺達。すると、洞窟の中から何やら言い争う声が聞えて来た。


「・・・・!!!」

「・・・・・・・っ~♪」

「この声は・・・・リダか?」

「もう一方は誰でしょう?」

「この声聞いた事在るよ?」

「(。´・ω・)ん?」

「・・・・・りなさいこの淫乱!!」

「止まる訳ないじゃ無いのよこの雌猫!!」


洞窟の奥をじっと観察していると、体のラインがシッカリと出るレオタードの様な服を着た女性と、その女性と言い争いをしながらどうにか攻撃を当てようとするリダの姿が見えて来た。


「無事かリダ!!」

「ルドさん!?なんでここに居るんですか!!」

「いや、リダ達と連絡が取れなくなって心配になってな。」

「そんな事は良いです!!今すぐ逃げて下さい!!その人は!!」

「あっ・・・あっ・・・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」


奥から走って来たリダに俺が声を掛けると、リダが俺に逃げろとと言う。その言葉に首を傾げていると、後ろばかりを見ていた女性が俺の方を見て動きを止めた。ってかあの顔見た事ある様な?


「ルドきゅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううん!!」

「ぐへぇっ!?」

「パパ!?」

「Σ(´∀`;)」


それはあっという間の出来事だった。一瞬で俺の視界から消えた女性が、俺の腹にタックルを仕掛けて押し倒して来たのだ。そのあまりの勢いに俺は口から息を漏らしながら結構な距離を吹っ飛ぶ。


「ごふぅっ!?」

「あぁぁぁぁ!!姿は変わっても私には分かるよ!魂の色が一緒だもの!!あぁルドきゅんのにほい・・・・くんかくんかくんか。」


吹っ飛ばされた俺はそのまま後ろにあった木に衝突して後頭部をしたたかに打った。その元凶はなぜか俺の腹に顔を埋めて匂いを嗅ぎまくってるわけですが!?


ルドが後頭部を強打したために眩暈に襲われました。


視線の端に浮かんでいるログにはこんなことが書かれていた。確かに視界がぐわんぐわんにゆがみ、頭がふらふらする。うまく体も動かん!!


「はぁ・・・はぁ・・・!はぁ・・・・!!もう我慢できない!!このまま全員が見ている前でルドきゅんと結ばれるのよ!!」

「パパから離れて!!」

「(×□×;)」


腹の上に乗っている女性が年齢制限にバチバチ引っ掛かるようなことをしようとしている!?眩暈の最中である俺は何とか体を動かそうとするがやっぱり動けない!!ってか眩暈って状態異常じゃないのか!?体の異常だから対象外何だろうか?だーれか助けてぇぇぇぇぇぇぇ!!


そんな時、シアが女性に対して攻撃を繰り出した。


シアの攻撃

<精霊魔法(樹)>による捕縛攻撃。地面の下から植物の根が伸びる!

捕縛攻撃の為ダメージ0ポイント。


シチートの回避

上空への回避。捕縛失敗。


「ちぃっ!!邪魔するんじゃないわよ!!」

「パパに変な事しちゃダメ!!」

「《゚Д゚》ゴラァァァァァァァァァァァァア!!」


アイギスの攻撃

背部兵装:8連誘導魔道ミサイルが起動。

ダメージ40ポイント


「こんな物で私の愛は止められない!!」


シチートの迎撃

爪による魔法攻撃。

<真空刃><魔導体><魔眼>のスキル発動。

迎撃成功率100%

ダメージ0ポイント。


シアの捕縛攻撃から逃げ、アイギスのミサイル攻撃を迎撃する為に女性は俺からかなり距離を取った様だ。おかげで公衆の面前でモザイク必須な事にならなかった。本当に助かった・・・・。


「(;゚Д゚)」

「この人強い!!でもパパから引き離せたよ!!」

「良くやりました2人共!!シチート覚悟!!」

「はいっ!?」


今リダはあの女性の事をシチートって言ったか?うーーーーん・・・・師匠の面影は・・・・在るか?


「退きなさい雌猫!!私は今度こそルドきゅんと結ばれて子供を15人作るのよ!!」

「野球チームでも作るつもりですか!?絶対にさせません!!」


リダの攻撃

蹴りによる攻撃。<蹴闘><格闘術><心義夢想><軽業><気功>スキルが発動。

ダメージ15ポイント


シチートによる迎撃。

爪による攻撃。

<爪使い><爪撃><悪魔の肉体><魔眼>発動。

ダメージ20ポイント 状態異常(麻痺)の付与。


女性を追って洞窟から飛び出したリダが、付近にある木を蹴りながら上空に浮かんでいる女性に攻撃を仕掛ける。女性の方も爪を伸ばして赤い目を黄色く輝かせながら、リダを迎撃しようと接近していた。


ルドの眩暈が治った。


「ちょっと待ったーーーーーー!!」


やっと眩暈が治った俺の声がその場に響き渡った。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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