第260話
何やら今回の騒動の黒幕っぽいのが現れた。そいつは引継ぎ組に思う所があったからこんな事をしたらしい。
「そもそも引継ぎ組なんて奴等が居ること自体が気に食わないんだ。スタートは平等でなければならない。そう思うだろ皆?」
髑髏仮面の後ろに居る奴等が頷いている。つまりここに居る奴はこの騒ぎを起こした仲間なのね。まだサービス開始1日目なのに良くやるわ。後こいつ唯自分が気に入らないからって暴れる子供だな。じゃなかったらこんな言葉は出てこないはずだ。ということで正論でぶっ叩いてやることにした。
「お前等阿呆か?スキルは取得条件が変わったから引継ぎ組も取得方法は分からんし、そもそも引継ぎ要素は格差を広めない様に調整されている。今はまだ序盤のマップだから強そうに見えるが、序盤を抜けると格差は無くなるようになっている。後は自分の努力次第とアイテム運で決まるんだぞ?この情報はきちんとALO2の公式サイトに書かれている。さっきも言ったが引継ぎの無い旅人にはスキルが覚えやすくなるブーストにドロップアイテムの増加、最初に貰えるマネの増量なんかもあって対策取られてるんだぞ?それでも優遇されてると言うのか?」
「うぐっ!!優遇されてるだろうが!!装備もアイテムもマネもスキルまで持ち込んでるんだからな!!」
「装備は性能を大分落とされる上に、アイテムは消費アイテムのみでドロップアイテムはなし。マネも持ち込み上限が決まっていて、スキルに関しては後から誰でも覚えられる物しかないが?」
「この人お馬鹿なのかな?全然情報知らないよ?」
「ヾ(*´∀`*)ノキャッキャ」
「ぐぬぬぬぬ・・・・。」
俺の正論の後シアとアイギスに馬鹿にされて顔を真っ赤にする旅人。今にもこちらを殺しそうな程睨んでいるがちゃんと調べたらこれくらいの情報は簡単に出て来るんだぞ?
リダ達が引き継いだ装備は調整されていてかなり弱体化しているし、呪いスキルはさすがに除外だろうが。スキルに関しては条件を整えなければいけないスキル以外は全部、努力次第で取ることが出来る。特殊スキルやオリジンスキル何て物は引き継いでないんだよな。アイテムとマネについてもスタートしてすぐに強装備を作れない様に対策されてるんだよ。流派スキル?道場行けば覚えられるぞ?
「いーけないんだいけないんだ!思い違いで人を襲ったらいけないんだぁー!!」
「(´・ω・)(・ω・`)ネー」
「五月蠅い五月蠅い!!お前等目標はこの奥だ!!こいつ等をさっさと倒してやっちまうぞ!!」
「おいおい、論破されたから次は暴力ってか。おまえシアやアイギスより考え方が子供だなぁ・・・。一応お前等に忠告しとくぞ?旅人に攻撃を加えた段階からお前達は中立扱いだ。攻撃を続ければ敵対となって赤落ちする。そうなったらもう街には入れない上に住人とも敵対関係になる。あとは公式情報だが赤落ちになった状態で倒されればスキルの消滅と所持品の半分がドロップ。そしてマネの全損だ。その覚悟が在るか?」
「あるのかぁー!!」
「ヽ(゚皿゚)ヽ ガオー!!」
「おいお前等戦えよ!!何ビビってんだよ!」
ALO2が始まってまだ1日目だ。そんな序盤も序盤で騒ぎを起こした上に、デメリットしかない赤落ちになんかなりたい奴は少数だろう。この先のイベントやクエストなんかでも住人と友好関係を築かないと出来ないモノがあるかもしれない。それらに参加出来ない状態になるなんて怖くて出来んわな。
「この役立たず共が!!お前達が動かないなら僕がやってやる!!死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「ほいっと。」ガインッ!
キラーのナイフ攻撃。
投げナイフでの攻撃。<ナイフ使い><投擲>が発動。
ダメージ10ポイント。
ルドの防御
盾での防御。<盾使い><両盾使い>スキル発動。ダメージ-2ポイント
ダメージ8ポイント
体力自動回復の効果、ルドの体力が5回復した。
「こんなの効かんぞ?」
「このっ!!」
「パパに攻撃した!!シア達も反撃ぃーー!!」
「( `,_・・´)フンッ」
「しなくていいから見てなさいって。」
投げナイフ何て簡単にはじけるしな。だからシアもアイギスもまだ手を出しちゃだめだぞ?赤落ちもしてない旅人を倒しちゃったら討伐目標になっちゃうしな。
「これで死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」
相手がナイフを手にこっちに向かって走り寄って来た。
体力自動回復の効果、ルドの体力が5回復した。
キラーのナイフ攻撃
ナイフでの攻撃。<ナイフ使い><急所狙い>が発動。
ダメージ15ポイント
ルドの防御
盾での防御。<盾使い><両盾使い>発動
盾の効果、相手の<急所狙い>が不発。ダメージ5ポイントに変化。ダメージ-1ポイント
ダメージ4ポイント
体力自動回復の効果、ルドの体力が5回復した。
「さっさと死ねよぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
「うん、お前じゃ無理。」
いくら攻撃されてもこいつじゃ俺のHPは削り切れない。ってかキラーって名前どっかで見たことがある様な?
「このっ!!このっ!!このぉぉぉぉぉっ!!」
「そろそろやめとけよ。ってあーあ、遅かったか。」
「反撃の時間―!!」
「(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!」
何回も旅人である俺に攻撃を繰り返すキラー。すると奴の名前の前に赤い血の滴るナイフアイコンが浮かんだ。うん、完全に赤落ちしたな。するとどうなるか?うちのちびっこ共が手を出せるようになる。まぁ今回はその必要は無いんだけどな。
「今です!!」ダァーンッ!!
「グエッ!?」
グラスの銃による攻撃。
魔法銃による攻撃。<銃使い><狙撃><急所狙い><バースト><好機>が発動。
頭部にクリティカルヒット!!ダメージ+5ポイント
<急所狙い>の追加効果発動。ダメージ+10ポイント
未発見ボーナス!!ダメージ+5ポイント
弱点属性攻撃!!ダメージ+10ポイント
ダメージ35ポイント
<バースト>の効果発動。ダメージ2倍。
ダメージ70ポイント
<好機>の効果発動。ダメージ2倍。
ダメージ140ポイント
キラーの防御
不意打ちにより防御不可
キラーに140ポイントのダメージ。
キラーは倒れた。
<バースト><好機>の反動。グラスの使用武器がメンテナンスされるまで使用不可。
「そっそんな馬鹿なぁぁぁぁぁぁっ!?」
叫び声を上げながらポリゴンになって消えていくキラー。そしてその場には髑髏の仮面とナイフ。消費アイテムが無造作に転がった。持ち物少なすぎない?ってかこいつも絶対引継ぎ組だろ。じゃないとこんな短時間でこの仮面は作れないわ。
髑髏の仮面:頭装備
髑髏を模した仮面。敵対した相手を倒すとスキルを1つ入手する。
これが在るから引継ぎ組を襲ったんだな。スキルを手に入れて自分だけ強くなるつもりだったか。
「他の方々はどうしますか?これでも敵対しますか?」
「やるなら覚悟しろー!」
「( ・_<)┏━ バキューン」
俺が仮面を確認しているとグラスがキラーの仲間に声を掛けていた。グラスの言葉が引き金になったのか、グラスの仲間たちが銃を向けながら襲撃者を囲んでた。シアとアイギスもいつでも攻撃できるように構えてるけど止めなさい。こいつ等赤落ちじゃないんだから。
しかし間に合ってよかったよ。こっそりと救援チャットを送っといて良かったぁ。さすがに人数の不利はどうしようもないからな。アイギスが要れば何とかなりそうだけどもしもが在るしな。フレコは別れる前に交換済みだ!!
「ひっ!?逃げろ!!初日からデスペナ何て冗談じゃねぇ!!」
「俺は赤落ちじゃないからな!!堕ちてないからな!!」
「一発でHP消し飛ばすとか普通じゃねぇ!!」
銃口から逃げる様に森を抜けて行く旅人達。これに懲りたらこの世界で悪い事するなよぉー!!
「ブー!!シアが倒したかった!!」
「(*´з`)」
「お邪魔でしたか?」
「いやグッドタイミングだ。助かったよ。しっかし強いなそれ。」
「色々と制限スキルを使って何とかって感じですけどね。<バースト>は装填されている魔法を一気に解放するスキルです。<好機>スキルはチャンスになると発動するんですが、その後デメリットの効果が倍増します。今回は武器が使用不可になりました。」
そう言って持っていた銃を見せるグラス。元々はリボルバーだったんだろう魔法銃は銃身が曲がり、弾を込める部分が粉々に砕け散ったのか何も入っていなかった。
「すまんな、リダ達と連絡が取れれば良かったんだが。ダンジョンの中までチャットが届かないっぽいんだよな。」
「そこら辺はALO2になってからの変更点ですかね?とりあえずこのまま入りますか?」
「グラスの銃の整備が終ってからでいいぞ。」
「ではお言葉に甘えて。」
地面に座り、銃のメンテナンスを始めるグラス。もうメンテナンスというよりは製造だけどな。予備パーツを持っていたのか1から組み立ててるわ。
「おっと、この仮面はグラスのだな。銃の補填って訳じゃないが持って行ってくれ。」
「ルドさんは必要無いんですか?持って行っても良いんですよ?」
「それがな。俺が装備しようとすると・・・。」バチッ!!カランカランッ
旅人名ルドはこのアイテムを装備できません。
「こうなるんだよ。」
「残念ですね。もしこれが使えれば攻撃スキルを覚えられたかもしれなかったのに。」
「まぁ呪いの効果なんだろうな。どうも相手に影響を及ぼすアイテムは攻撃扱いらしい。」
この世界でも相変わらず攻撃出来ない俺。いつか攻撃できる日は来るんだろうか?いや来い!!
「パパ、諦めよ?」
「(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪」
「お前達に言われたら出来ない気がしてくるから止めてくれ!!」
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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