迷惑な旅人による騒動(まだ初日だよ?)
第258話
「くそっ!!あの3人どこに行った!!」
「探せ!!まだそこら辺に居るはずだ!!」
「流派スキルは俺のもんだ!!」
「いいや俺達が貰う!!」
平原を逃げ続け、目の前に森が現れたので私達はその中に逃げ込みました。鬱蒼とした森の中では索敵スキルを持っている人が居なければ私達の事は探し出せない様で、今の所見つからずに潜伏出来ています。
「しかしどうしてこんな事に?」
「・・・多分これです。これ見て下さい。」
「SNSですわね?」
クリン君が見せてくれたSNSには衝撃の事実が書きこまれていました。
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※名前は自動的に割り振られます。設定されていないままであればナナシの旅人と表示されますので気軽にコメントして下さい。
135:ナナシの旅人
誰か流派スキルを新しく覚えた人は居ませんかー?
136:ナナシの旅人
いませーん
137:ナナシの旅人
居ないなぁ。
138:ナナシの旅人
流派スキル何てデマじゃないのか?公式がバグで発表したとかさ。
139:ナナシの旅人
いやいや、ALOの時にはちゃんと流派スキルがあったぞ。
140:ナナシの旅人
ならALO2で消えたとか?
141:ナナシの旅人
いや?引継ぎ組はきちんと流派スキル表示されてるぞ?
142:ナナシの旅人
ガタッ!!
143:ナナシの旅人
ガタタッ!!
144:ナナシの旅人
ドンガラガッシャーーーンッ!!
145:ナナシの旅人
おまいら落ち着けw
146:ナナシの旅人
流派スキルの存在は確認された。なら新しく覚えるにはどうしたら良い?
147:ナナシの旅人
前なら道場なんかに通ってそこで覚えられたんだがなぁ。
148:ナナシの旅人
今は出来ないんだっけ?
149:ナナシの旅人
入門したいって言っても門前払いを貰うわよ?信用できない人には教えられないって事でしょうね。
150:ナナシの旅人
ならどうすりゃいいんだよ?流派スキルとか絶対強い奴じゃん。俺も覚えたい。
151:ナナシの旅人
道場の人に聞いたら、流派スキルを覚えている人の推薦か、街に貢献した人に贈られる流派推薦書ってのを持ってきたらいいそうだ。
152:ナナシの旅人
推薦書って超レアっぽいよな?今まで取ったっていう人見た事無いし。
153:ナナシの旅人
なら流派スキル持ちからの水洗か?
154:ナナシの旅人
水洗いされちゃうの?w
155:ナナシの旅人
実質的にその方が早そうだな・・・・。
156:ナナシの旅人
ヒャッハーーーー!!流派狩りじゃーーーーーー!!
157:ナナシの旅人
流派スキル持ってる奴はいねぇがぁぁぁぁぁぁ
158:ナナシの旅人
やっべ、逃げよ。
159:ナナシの旅人
あっ!!今逃げた奴が居る!!逃がすなぁぁぁぁぁ追えぇぇぇぇぇぇ!!
160:ナナシの旅人
推薦を寄越せぇぇぇぇ!!
「・・・・・・・。いや、これは無いでしょ。」
「明らかに必要な情報が隠されてますわね。」
「どんな流派でも良いのか、似た系統じゃないと駄目なのか。そもそもその情報を“どこの”道場で聞いたのかも書かれていないね。色々情報が歯抜けだね。」
「この騒動を楽しんでいる人が居るというわけですわね。まったく傍迷惑な・・・・。」
流派スキル持ちの推薦で道場に入門できる何て言う書き込みの所為で私達は終われる立場になったという訳ですか・・・・。
「ルドさんに連絡はしましたの?」
「一応救援要請はしておきました。」
「事態の説明はしました?もしかしたらルドさんの伝手なら解決できる見込みが在りますよ?特にシルさんは王国相談役何ですから何とかしてくれるかも。」
「あっ!!事情説明は抜けてました!すぐに送っておきます。」
シルちゃんの協力が在れば現状何とか出来そうですが・・・。すぐには対処は難しいでしょう。
「現状が打開できるまで逃亡生活かぁ・・・。」
「ゲームのジャンルが変わりましたわね・・・。」
「街に戻れないのは辛い・・・・ルドさん早く迎えに来てぇ・・・・。」
もしこのまま逃亡生活を続けないといけないなんて事になったら・・・。考えるだけでも嫌な気分に・・・・。
「いたぞ!!こっちだ!!」
「見つかりましたわ!」
「とりあえず今は逃げますよ!!」
「ダメージは抑えて爆発範囲だけを広げて・・・ほいっ!!」ボウンッ!!
クリン君が腰に下げている袋に手を当ててから爆弾を投げて煙幕を張ってくれました。私達はその隙に森の奥に向かって逃亡を続けます。
「こっちだ!!こっちに居るぞ!!」
「追え追えーーーー!!」
「向こうに逃げたぞーー!」
「追撃部隊は6時から追い立てろ!!」
「あっちの方で音がしたぞ!!」
「逃がすなよ!!絶対捕まえるぞ!!」
段々と、追いかけてくる人たちが組織立って動く様になってきました。それでもクリン君の道具と、私の索敵スキルのおかげで見つからずに丘の様になっている場所の傍まで逃げて来る事が出来ました。
「かなり奥地まで逃げて来ましたね。」
「森も大分深くなってきました。」
「追っ手の方は大丈夫そうですわね。」
何とか流派スキルを求める旅人達から逃げてここまで来られましたがまだ安心できません。さっき私達を発見した旅人の人はどうも索敵系のスキル持ちの様で、SNSを確認すると追撃部隊の人達でグループチャットを作り、情報交換をしながら私達の現在地を明らかにして確実に追い立てようとしていました。まぁその書き込みのおかげで人の居ない場所を選んで逃げる事が出来たんですけどね。
「あら?あれは?。」
「どうしたのルゼダちゃん?」
丘の傍にある背の高い雑草の中に隠れた私達、その雑草の奥、丘がある場所で何かを見つけたルゼダちゃんがそちらに向かいます。
「こんな所に洞窟が在りますわ。」
「本当だ。良く見つけたね。」
「草に隠れて見えませんでしたね。」
「うーん?」
「どうしたのルゼダちゃん?」
洞窟を見つけたルゼダちゃんが首を傾げながら唸っています。じっと洞窟の入り口を見ているという事は何かに気が付いたのでしょうか?
「この洞窟、どっかで見たことがるような気がするんですの・・・・。」
「そう言えば僕も見たことがある様な・・・・。」
「そう言われれば?」
ルゼダちゃんの言葉に私とクリン君も洞窟の入り口をじっと観察していると既視感を覚えました。確かに何度も見たことのある様な雰囲気が・・・。でも私達は久しぶりにこの地に足を運んだ旅人、洞窟を見た事なんて・・・・あっ!?
「「「ゴーレムダンジョン!?」」」
3人の声が揃いました。そうです!この洞窟の形はALO時代に城塞都市の近くに在ったゴーレムダンジョンの入り口にそっくりなんです!ブリンガーや飛行船の素材を取りに何度も足を運んだ場所です!!
「懐かしいですねぇ。残ってたんですか。」
「ですがしばらく誰も中に入っていない様子ですわね。もし頻繁に入っていればこんなに背の高い草は生えませんわ。」
「なにか問題があったんでしょうか?」
ALOの時は世界で有数の希少鉱石が無限に手に入るダンジョンでした。そこが現在では利用されていないというのは不自然です。
「・・・・調査をする為に中に入りませんか?どちらにしろこのままじゃ追ってから逃げるだけですし、ダンジョンだとしたらマップが別扱いですから索敵スキルに引っ掛かりませんよ?」
「・・・確かにいい案ですわね。ルドさんが居ないのが不安ですが・・・。少し中に入って様子を見るだけにするという手もありますわ。」
「索敵スキルから身を隠すには都合が良いですか・・・。」
ダンジョンとフィールドは繋がっていますが別マップ扱いなんです。だから索敵スキルから身を隠す為に中に入るのは良い案だと思えます。
「調査も必要でしょうし、ルドさんに連絡してから中に入りましょう。追手が中に入ってきたら。」
「その時はその時です。出て来る魔物によっても対処が変わりますから。」
「早速中を調査しますわ!!」
と言う事で、ルドさんに連絡をしてから私達は洞窟の中に足を進めました。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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