第221話

「お前等なんてものを作ってんだよ・・・・。」

「これ、ルシファーも着艦出来たっすよ。本当に空中要塞っす。」

「いやぁそれ程でも。」

「「褒めてないぞ(っす)」」


ドラゴニア公国に向けて飛び続けていたら、何やら公国の方が騒がしくなって無数の飛行船がアイギスに向かって飛んで来た。


何事かな?と思ったら飛んで来た飛行船はアイギスをぐるっと囲むように動いたわけで・・・・。うん、敵認定されてたわ。


だから攻撃される前にルシファーに居るウケンに連絡を取って俺達の船だと紹介。そんでもって飛んで来た飛行船を招き入れて、今アイギス見学会を実行中って訳だな。


「はぁ・・・。俺達がやってるのはファンタジーゲームだぞ?これじゃまるっきりSFじゃないか。」

「一応アイギスもファンタジーだぞ?頭脳はご神木、コアはドラゴンの魔石、制御は御神木と神器にシアの合わせ技。ほら、十分ファンタジーだ。」

「規模がおかしいってんだよ!!しかも海から島を4つ拾って来て乗せたって馬鹿なのか!!今空中都市建造しようって奴等が一番苦労してるのは土地の確保だぞ!!」

「いや、だってなぁ?」

「拾えちゃいましたからねぇ。」

『正確にはロアと言う友魔のお腹の中に入っていましたけどね。』

「ルゼダ殿の友魔ですね。」

「島を飲み込む友魔ってどんだけデカいんすか・・・・。」


巨神様の水晶の影響で胃袋が体よりでかくなったクジラちゃんだよ?そこまで大きくないって。さてさて、公国に到着したのは空の神復活の30日前だ。復活直後に空中都市を見せないとだからこのまま移動しますかね。


「ちょっと待て。」

「ん?どうしたウケン?」

「頼みが在る。」


何やら真剣に頼むので話を聞くと。旅人同士で協力して巨大な空中都市を作ったのは良いんだけど。動力機関の事を考えてなくてまったく動かない物になってしまったそうな。そこで、飛行船でその都市を引っ張って行くつもりだった所に俺達が登場。パワーもありそうなアイギスに牽引を頼みたいんだそうだ。


「出来そうかアイギス?」

「( ´∀`)bグッ!」

「だいじょうぶだってぇ~。」

「・・・・・。なんで空中要塞が返事するっすか?」

「こいつ俺の友魔だからな。」

「「「「「「「「「「はぁっ!?」」」」」」」」」」」」


そっからはまぁ、また質問攻めにされた訳だけども。まぁ必要な物が揃えられないってんで全員が諦め。何やら話を聞いて不穏な動きを見せた旅人が居たそうだが・・・・。船そのもののアイギスが監視している中で悪い事が出来るはずも無く。要塞から叩きだされて地面の染みになった様だ。アイギスの本体である御神木にテイム系のスキルを使おうとしたって後で聞いた。神器で守られてるから不可能なのになぁ。


「それで?引っ張ってってくれるのか?」

「アイギスが大丈夫だって言うならいいぞ。」

「よし!!それなら早速頼む!!」


そう言って持って来たのはアイギスよりもでかい空中大陸だった。いや土地確保が難しいって言ってたのにどれだけ集めたのよ。


湖に岩山、森もあって大陸の端からは水が流れ落ちていってる。大陸の中心部には木で街が作られていて何人かの旅人がまだ作業を行っていた。


「十分な土地確保してんじゃねぇか。」

「馬鹿野郎。何人が関わってると思ってる?ほぼすべての旅人がゲットした土地をくっつけてこれだぞ?」

「これ貢献度はどうなるんでしょうか?」

『土地の確保の大きさと、それから空中大陸に必要かどうかで算出ですかね?』

「・・・・。もしかしてこのクエスト、巨神様が出したっすか?」

『そうですよ?』

「「「「「「「「「・・・・・・・・・。」」」」」」」」」」

「なぁ、お前等の周りでだけ色々起き過ぎじゃね?」

「そう言われても知らん!!」


そもそも普通に・・・いや普通じゃないけど、攻撃力が無くても楽しもうとしてただけでこうなっただけだから。そんな羨ましそうな顔されても困るぞ。住民と仲良くして特殊種族にでもなれば同じようなクエスト出るから頑張れ!!


「せつぞくおわったよ~。」

「ワァ───ヽ(*゚∀゚*)ノ───イ」

「それじゃあ帝国に向けて出発してくれ。」

「はーい!」

「ヽ| l l│<ハーイ」


道中の敵はアイギスが全部請け負った。どんどん落ちて行く敵に唖然とするウケン達。倒した敵の素材は俺達の物だからウハウハだ。と言っても今の所使い道が無いんだよなぁ。防具は皆良い物装備してるし。ドラゴン素材で作ることも出来るし。まっ、城塞都市で売ってお金に変えればいいか。


そんなこんなで30日。丁度空の神復活のタイミングで帝国に到着した俺達の前には、沢山の黒龍が空を飛んでいた。


「げいげきー。」

「(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!」

「飛行船部隊も出るぞ!!」

「大陸に近づけさせるなよ!!」

「復活まであと3時間です!!防衛線となりますので頼みますよ!!」


合流したメガネ達と一緒に戦闘に入る俺達。一応黒龍たちに空の神に渡す土地だって言ったんだけどあいつ等、敵対者から施しは受けないと聞く耳持たないのよね。


【黒龍のブレス来ます!!】

【龍鱗装甲に損傷無し!!耐えられます!!】

【こちらからも攻撃開始!!翼を狙って飛行能力を奪え!!】


飛行船のスピーカーから船の状況が響いている。っていうか操縦室に居る奴!!損害報告とかはスピーカー切ってやってくれ!!


「シア、こっちに被害は?」

「ないよ?ぶれすもこうかなし~。」

「( `,_・・´)フンッ」

「アイギスちゃんが気合を入れてバリア張ってくれてますから。本体に届いてすら居ませんよ。」

「友魔になってどんだけ強くなったんだよコレ・・・。」

『そろそろ出てきますかねぇ。じゃあ私も出ませんとね。と言う事でローズ。お願いします。』

「はい巨神様。私の体であればいつでも使って下さい。」

「えっ?何すんの?」


黒龍と戦っている最中に、巨神様とローズが連れ立って操縦室を出て行った。何するのかを聞こうとしたらもうその姿は操縦室に無くて・・・・。緊急脱出口が開いてた。


「はぁっ!?ちょリダ!!ローズと巨神様が落ちた!!」

「とびらしめるよー。」

「┐(´д`)┌ヤレヤレ」

「あれ?ルドさんは聞いてませんでしたか?空の神様と話し合うからローズの体に再度入って降臨するそうですよ。巨大になる為に船から降りたんです。」

「まっっっっっったく聞いてなかった!!」


リダの説明が終ると同時に、外を映すモニターに光りの巨人が現れた。まぁ巨神様なんですけどね。


姿を現した巨神様にビビる黒龍達。丁度その時、空の神復活のカウントダウンがゼロになった。


ピカァァァァァァァァァァァッ!!


森の中から何やら紫色の光りが空に向かって立ち昇る。晴れていた空がどんどん厚い雲に覆われて暗くなって行く。そして光りの中に何やら巨大な影が見え始めた。いや、巨神様と同じくらい大きいってどんだけだよ。


『ボエーッ!!』

「うるっさ!!」


アイギスの中に居てもビリビリと体を揺らす声の振動。あまりの大音量に俺達は耳を塞ぎその場で動けなくなってしまう。そして光りが収まるとそこには、体に山や森を乗せた空飛ぶクジラの姿が在った。


イベント『空の神復活を阻止せよ!!』は特殊クリア条件に入りました。旅人の皆様は空の神を宥める事に協力して下さい!!


特別クエスト『空中都市を作れ』をクリアしました。報酬は後日送られます。


目の前に浮かんだウインドウでこのイベントの進行状況が確認できた。どうやら無事クリアになった様だ。イベントの方も特殊クリア条件に入ったんだな。後は流れに身を任せるだけだ。巨神様の手助けが出来るように準備はしておきますから後は頼みましたよ!!


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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