第220話

「あのね!!あのね!!ごしんぼくがぱぱのなかまになりたかったんだって!!」

「あー、開拓村の時から、というかあのご神木を植える所からの付き合いだからなぁ。元がシアの親だし。」

「しあがいっぱいぱぱとのぼうけんをおはなししてたら、うらやましくなっちゃったんだって!!」

「そこに空中要塞のご神木として分身を送る事になった。さらにはシアちゃんの指導で要塞を自分で動かせるようになったから、ここぞとばかりに友魔になったんですね?」

「そうみたい!」

「ご神木に意思が在るのは確認していましたが、まさか友魔になるとは思いませんでしたよ僕。」

「ユニーク個体の誕生ですわ。ドラゴンの魔石が関与している事も考えられますわね。」


あれこれ話し合うが友魔になっちまったもんは仕方がない。だからそんな心配そうな念を送って来るなよアイギス。


「まっ、これからよろしくなアイギス。」

「(´∀`*)」

「懐かしい表現方法ですわね。」

「しあがおしえたの!!」

「要塞に備え付けられたライトで顔を作っているのですか。器用ですねぇ。」

「友魔になった事で修理については心配いらなくなりましたわ。」

「それどころかエネルギー問題も解決したんじゃない?だって生き物になったわけだし。」

「( ´∀`)bグッ!」

「だいじょうぶだって。」


どうもアイギスの動力炉はそのままコアに変化してエネルギーを無尽蔵に生み出す様に変化したらしい。そんなアイギスを見上げていると俺の所に向かって2人の旅人が走ってくる様子が見える。


「ルドさん!ぜぇ、はぁ、ちょっと!!ぶふぅ、へふぅ、よろしいですか!!」

「話を、ふぅふぅ、聞きたいで、ひ~ひ~、ま~す。」

「とりあえず落ち着け、な?」


走ってきたのはメガネとマルデだった。どちらも俺に質問しながらアイギスを見上げている。


「これ、これ友魔になってますよね!一体どうやって!?」

「何の為にこれを作ったでマース?理由が知りたいでマース!!」

「あぁそれはな。」

『空の神が復活するので、もし戦うとなった時の拠点にする為ですよ。』

「あっ巨神様お帰り。」

「ルド殿ローズもただいま戻りました!!」

「あぁうん、お帰り。」


俺達とは別行動をしていた巨神様とローズが戻って来た。ローズについてはもう体の問題も無くなったんだから巨人族の村に帰れと言ったんだけど頑なに言う事を聞かず。巨神様と一緒に俺達の元に居ると言い始めた。巨神様も俺達と来ることを望んだ為に一緒に行動している。その報告をしたタイハクは泣いてた。主に感激という感情で。巨神様の傍仕えに昇格して嬉しかったんだと。


「巨神様!!ロアはどうなりまして?」

『大丈夫ですよ。体の方は回復しました。後は貴方の案を元に色々と作るそうです。』

「工房の人達が張り切ってましたね巨神様。」


アイギスの上にロアの中に在った土地が在るから察してるとは思うが、ロアは無事に回復した。治療の為に専用のため池を作って経過観察をしていたんだが、今日無事に完治の診断が出たみたいだな。でも案ってなんだ?


「それは秘密ですわ!!」

「どうせクジラに機械くっつけて空中要塞ロアとか言うんだろ?」

「・・・・なんで解ったんですの?」


マジかよ・・・・。本当にそんな事計画してたのか・・・・。いやそれ体乾いたら死んじゃうだろ?可哀そうじゃね?


「そのための散水機付きですわ!!」

「生きた移動要塞ってのも面白いと思って2人で考えました!!」

『ロアの方もやる気でしたよ?』

「本人がやる気だから別に良いのか?」


確か昔の作品でクジラを移動要塞にしている奴が在ったっけ?体の中も改造して色々取り付けてる奴。あれ最後どうなったんだったかなぁ。


「ってそんなお金どこにあった?」

「・・・・・てへっですわ。」

「・・・・なぁクリン、そこはかとなく嫌な予感がするから教えてくれ。こいつは一体何をした?」

「あー、アイギスの材料費を死ぬ気で値切って浮いたお金で?」

「おいおい、それって素材は大丈夫なんだろうな?」

「大丈夫ですわ!!ちゃんとした素材ですわよ!!」

「ならいいんだが。」

「そろそろこっちの質問に答えるでマース!!」

「あれはなんで友魔になったんですか!!」


メガネとマルデがずっと後ろでうるさいのでご神木が元々仲間になりたそうにしていた事、アイギスに組み込んだ魔石が特殊な反応を起こしてコアになった事、頭脳と動力がそろって友魔になったんじゃないかと推察した事を伝えた。


「なるほど!!でしたら我々でも作れるかもしれません!!」

「人造友魔でマース!!夢が広がるでマース!!」

「┐(´д`)┌ヤレヤレ ( ゚д゚)×ブー」

「ん?どうしたアイギス?出来ないって事か?」

「そうだってー。ごしんぼくとじんき、それとすごいつよいしんぞうがいるんだって。」

「神器とコアは何とかなるでマース!でも仲間になりたい御神木はそもそも意思疎通が無理でマース。残念でマース・・・。」

「ならルドさん!!アイギスを譲って」ピチュンッ「あっつ!?」

「ヽ(`Д´)ノプンプン」

「ぱぱいがいとけいやくはいやだって。」

「って事だから諦めてくれ。」

「「そんなぁ~。」」


情報は渡したんだから後は自分達で何とかしてくれ。俺達はこれからアイギスの試運転がてらドラゴニア公国にフライトだ。


「それじゃあ試運転いっちょ行きますか。」

「「「『おー!!』」」」

「私とクリンは残ってロアを改造しますわ!!」

「後で追いつきます!!」


ってなわけで、俺とシアにリダとローズと巨神様、それとアイギスで試験飛行に臨んだ。


「・・・・なんもやる事がねぇ。」

「シアちゃんもアイギスも優秀ですねぇ。」

「( ・´-・`)」

「こっちはまかせてねぱぱ!!」

「ルド殿の娘さんは凄いですねぇ。」

『今堕ちたのはこの前倒した属性ワイバーンでは?』


アイギスの操縦室は下の半円球になっている場所の中に在る。そこで今、アイギスとシアによる無双が始まっていた。部屋の中をウネウネとシアの蔓が行き交い。アイギスが直接機器を操作する。それだけで外にいるワイバーンが面白いように落ちて行く。


「あっまたワイバーンが落ちた。」

「アイギスが敵を補足してシアちゃんが攻撃する。役割分担がしっかりしてますね。」

「息もぴったりですねぇ。」

『これなら問題無さそうですね。』

「過剰火力じゃないかこれ?」


俺達と言えば、俺は艦長席に、他の3人はお客様席に座っておとなしくしている。だってそうしないと2人の邪魔になっちゃうから。


「おわったよー。」

「(`・∀・´)エッヘン!!」

「うん、2人共凄いな。こっちの損耗は?」

「ぜろなの!!」

「( ・´-・`)」

「よくやったなぁ。それじゃあ公国に向けて進んでくれ。」

「「( ´ ▽ ` )ノ」」


通常火力でワイバーンが落とせるって事は主砲なんか撃ったら一体どうなるんだろうな?


襲って来る魔物の対処はシアたちに任せて俺達は俺達で今後の事について話し合っていた。


「空中都市の件はアイギスで一応クリア扱いになるんだろ?」

『えぇ、一応は。』


島を使った部分にはちゃんと居住区も作ってあるからな。これで空中都市じゃない何て言わせない。


「友魔になっちゃいましたから。報酬が貰えない可能性もありますかね?」

「ルド殿はどうお考えで?」

「うーん・・・。アイギスが仲間になったから報酬は別にいいかなぁ。」


友魔と報酬だったら友魔を取るかな?それに俺と一緒に行きたいっていう御神木の分身だし、大事にしてやらないと。


『そうですか。ルド殿は報酬が要らないっと・・。』

「うそうそうそ!!貰えるなら欲しい!!ってか絶対貰う!!」


巨神様が何やらメモを取ろうとするので慌てて止める!!いや貰えるものは貰いたいから!!別にいらないとは言ってないから!!


「それで?向こうに着いたらどうするんです?」

「しばらく公国で待機かな。空の神が復活したら空中都市を見せて反応を見よう。」


ってかそれくらいしか出来る事は無い。空の神復活まで警護はかなり厳重らしいし、何度か他の旅人が復活阻止に動いたけどことごとく跳ね返されたらしいし。


「じゃあルドさんの意見を採用で。」

『今は待つしか出来ませんから。』


アイギスの移動速度だと公国到着に10日。余裕をもって到着できるからな。まぁ転移ポータルを使えば一瞬だけども。空の神さんは空中都市気に入ってくれるだろうか?

 

毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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