第219話

「よいしょっと。これで設置は全部か?」

「そうですわね。それが最後の浮遊装置ですわ。」

「いやぁ、これだけの材料を確保してくるなんて、ルド君はどれだけ僕たちを喜ばせれば気が済むんだい?」

「旦那様、せっかくですからこの際搭載艦を増やしませんか?この規模でしたら100は積めますよ?」

「いいねそれ!!建造中の小型、超小型飛行船を載せられるだけ乗せちゃおう!!何せ城塞都市と同じくらいの大きさだからね。兵器も人も乗せ放題だ!!」

「その分燃費が馬鹿にならないんですからあまり調子に乗らないで下さいまし!!」

「そこはルド君たちが倒した地竜の魔石でどうにかしただろう?」

「他にもドラゴンさん達から買い取った魔石で余剰はあるはずですが?」

「だからって何でも乗せて良い物じゃありませんわ!!」

「シアの処理能力にも限界があるからなぁ。」

「ごしんぼくときょうりょくしてぎりぎりだよ?」


空の神復活まであと30日。俺達が何をしているのかというと。空中要塞を作ってました。もし空の神と戦うならば必要だという巨神様の忠告を受けて。当初戦艦と空中都市に分けようとしていた物を全部ひとまとめにしちゃったのよね。


形としてはかなり大型の船を土台として5隻使い。その上に空中都市用の島を乗せた感じ。空気抵抗やらもろもろを考えて土台は半球体になってるよ。その中には動力機関として地竜の魔石とドラゴン達から買い取ったドラゴンの心臓と呼ばれる魔石の大きいのを系8つ搭載している。


水金地火木無天冥っていう、8属性の考えに添って揃えられた魔石が動力なんだよね。金属性とか無属性の発見、天が聖属性、冥が闇属性だった何て新たな発見があったけど、まだ公表してない。だってこれ空の神側の考えだから万魔図書にもない知識だもん。メガネ達が目を血走らせて詰め寄って来る光景が目に浮かぶよ・・・。


そんでもって要塞の上側何だけど。中央に大型の島が1つ、その周りに3つの島が乗っかている。中央の島には街が作られ。周りに配置された島には砦と迎撃施設が乗せられた。


そんでもって一番の目玉は結界装置。要塞上部の突き出た4本の柱と、下部に突き出した4本の柱から超強力な魔法結界を展開できる。複数のドラゴンの攻撃にも余裕で耐えるとルゼダが自慢していた。まぁ実際にまだ使った事がないから後で実験するそうだ。


地上部分と動力部分の間には格納庫や飛行船用のドッグ。後は滑走路が作られていて。ルリさんの言う通り100所か1000くらいは小型飛行船を載せられる。最近開発された1人乗りの超小型に至っては万くらいは平気で乗りそうだ。


城塞都市とおんなじ規模になったこの空中要塞は100万人乗せても大丈夫な程大きくなってしまった。


「こういうのってゲームならではだよなぁ。」

「そうですねぇ。提供した船何て1000隻くらいでしたから。」

「僕たちが持って来た船の中には超大型艦もありましたから。これくらいが妥当じゃないですか?」

「しあそうじゅうがんばる!!ごしんぼくもはりきってるよ!!」

「そうかぁ、シアは偉いなぁ。」\( ̄0 ̄*)ヾ(・ω・*)なでなで


中央の島に作られた街にはアルバトロスに搭載されていた神器とご神木を植えた。このご神木は城塞都市の最初のご神木から分けて貰った枝で。いつもシアとくっついていたから相性は抜群だ。この空中要塞の有機コンピューターとしての活躍が見込まれている。実際今も取り付けた浮遊装置を動かして調子を確かめているのはご神木だ。一体どんな教育したのシアちゃんや?


「さてじゃあルド君。最後にこの都市の名前を付けて貰おうか。」

「えぇ!?俺?」

「当たり前じゃないか。君たちがこの都市を作る為の材料を集めて来て実際に作った。君たちのチームに代表はルド君なんだから。この都市の代表はルド君と言う事になるんだよ?」

「いやぁ、俺なんかよりルゼダかリダに任せた方が良くないか?」

「それは違いますわ!!」

「そうです!!この都市を管理するご神木、そのご神木と繋がるシアちゃんはルドさんの友魔です!!ルドさんが代表にならないと色々と問題が出るんですよ!!」


この空中要塞の代表が俺以外になった場合。要塞の全権限をいつでも乗っ取れるシアと俺の存在は邪魔だ。かといって、ご神木だけで全部を動かせるかと言ったらそうでもない。細かい調整や少し浮くくらいなら出来るだろうが。十全に施設を使うならシアの協力が必要。うん、俺がやるしかないわな。


「はぁ。じゃあやりますよ。」

「うん頼むよ。じゃあ今日からルド君は守備隊隊長じゃなく。この姉妹都市の代表として任命します。同部隊をこの都市の要職に編入。守備部隊も兼ねるっと。」


なにやら紙に色々と書き込んでいくリク市長。そして最後の項目でその手が止まる。


「それじゃあ、この要塞の名前をどうぞ?」

「うーん・・・。そうだなぁ・・・・。」


要塞・・・・要塞ねぇ・・・・。戦争に使われたりするんだろうか?いやまぁ使われるだろうなぁ。でも敵の殲滅だけに使われるのもなぁ。それだったら誰かを守れるような要塞になって欲しいよなぁ。


そうだよな。俺の要塞何だから誰かを守る盾になるような存在になって欲しいよな。この要塞が来たらもう大丈夫だと思って貰えるような絶対の盾。そんな要塞にしたいよな。


「決めた!!アイギスだ!!」

「アイギスですの?」

「おう!!ありとあらゆる邪悪・災厄を払う魔除けの能力を持つとされているギリシャ神話の防具の名前だ!!イージスと迷ったけどな。」

「両方共同じ物の名前ですね。」

「最後にはメデューサの首をくっつけて攻撃力を持たせたんですよね。あれ?これってルドさんの願掛けも入ってます?」

「バレたか。」

「ははは、亜空の神が使っていた防具の名前か、良いじゃないか!!それじゃあこの要塞は空中要塞アイギス。領主はルドと。よしそれじゃあこれで正式にこの要塞は君の物だよ。」


リク市長が最後に紙に要塞の名前と俺の名前を書き入れると。紙が光り始めて俺と要塞に飛んでいく。両方がほんわりとした光りを放つとステータスにアイギスの表示が現れた。


名前 空中要塞アイギス

種族 オートマタ

職業 自動判別式空中移動要塞 Lv-/-

所属 ルドの友魔(領地)


海底より引き上げられた数多の船を元に作り上げられた空中要塞。1都市が乗る程の広さを誇りその攻撃力は計り知れない。特筆すべきはその防御力で、契約者とのリンクにより物理的、魔法的攻撃に強い障壁を張る力を得た。一部破損をした場合でも自己修復が可能。己の体に乗る者たちをその身をとして守る存在。ステータスは搭載兵器、使用された装甲によって変動する。


HP 100000

MP 100000


ATK  8000

DEF 10000

SPD  5000

MGK 10000

DEX 10000

MIND 1000

LUK 1000


搭載兵器

16連魔道速射砲×100

8連誘導魔法ミサイル×50

20cm無反動狙撃砲×30

オートタレット(ガトリング)×30

解放型誘導魔道レーザー×100

展開式魔道レーザー砲×10

50cm無反動砲×20

グラビティレーザー×30

超大型重力波動砲×1


搭載艦

アルバトロス×1

爆撃飛行船×10

通常飛行船×10

小型飛行船×50

超小型×500

無人爆弾船×1000


「なっなんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


表示されたステータスに俺が叫び声を上げたのは当然だと言えよう。いやほんとわけわからん!!なんで友魔になってるの!?後搭載兵器がおかしい数になってるし、ステータスの数値もどこのレイドボスですか?ってレベルだし!!あと搭載艦ってその飛行船は何処から出て来た!!


「こっそり乗せてたのがバレたみたいですわ旦那様。」

「サプライズのつもりだったんだけどねぇ。」

「乗せ過ぎだわ!!どれだけ金掛かってんだよありがとう!!」

「まぁまぁ、お金は要塞で稼いで返してもらうから。」

「借金かよ!!さっきの感謝の言葉を返せ!!」


どうしてこうなるんだよぉ~。誰か教えてくれぇ~!!


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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