第207話

「回避回避!!」

「間に合いませんわ!!」

「シアちゃんバリアの出力上げて!!」

「は~い。」

「ぶつかるぞ!!衝撃に備えろ!!」


バチーン!!グラグラグラ・・・・。


巨大クジラの尾鰭攻撃はアルバトロスの左の翼に命中した。まぁバリアを張っていたおかげで損傷は・・・。


「損傷チェック!!」

「機体自体は無事です。でも左翼に備え付けられていた武装が使えなくなりました!!」

「バリアを突き抜けたってか。おいおいかなりピンチじゃないのこれ!?」

「降りて戦うしか無いんですかねぇ?取り巻きが倒されて島が出て来てますし。」


リダの言葉に下を見ると、あの巨大クジラに飲み込まれていた島がいつの間にか外に出て来ていた。


『さっき鳴き声を上げた時に口から出て来てましたよ。』

「きたな~い!!」

「どうする?降りて戦うか?」

「まだ武装は残っていますわ!!相手の尾鰭攻撃に注意して残った武装で攻撃を続けます!!クリンは損傷した左翼の修理をお願いしますわ!!」

「行って来る!!」

「シアちゃん、出力操作と火器管制は任せます。私は操舵に集中しますね。」

「私はレーダーを見ていますわ。」

「ん?じゃあ俺は何をすればいいんだ?」


今の話じゃ俺のやる事が何も無いんだが?


「「ルドさんは下に降りてあのクジラの注意を引き付けて下さい(まし)。」」

「囮やれってか!?」


まぁ言いたいことは解るけどな!あの島で俺がヘイトを稼げばアルバトロスは攻撃し放題だから、でも1人で島みたいなクジラと戦わせるかね!?


「知ってるんですよ?ルドさん種族変わってるでしょ?」

「最大身長も更新されたんですよね?」

「ぐぬっ!?」

『私の血をまた取り込みましたものねぇ。』


巨人の村を救った時の報酬がまさに、俺が巨人に変化したときのあのアイテムと似たようなものだったのだ。


巨神の血晶:巨神の血をその身に取り込み、種族を変化させるアイテム。取り込んだ後は半巨神に種族が変更される。


巨人の純潔に含まれていた巨神様の血はあまり多くなかったけど、こっちはかなり含まれていたらしく。見事種族が半巨神になった。ステータス的には変化が無かったけど(なんでだよ!!と叫びながら突っ込んだのは内緒。)オリジンスキルの名前と一部効果が変わった物が在る。


<金剛半神体>:その肉体はかつての巨神へ至る体。だがその頂きに辿り着けるかは本人次第。

効果1:基礎DEFとMINDを4倍にする。

効果2:HPが3分の1以上残っている状態で致死ダメージを受けた際HP1で生き残る。

効果3:死亡判定を受けた時、HP総量の半分で生き返る事が出来る。(1戦闘1回)

効果4:体のサイズを任意で変更できる。(最低2m 最大500m)

効果5:肉体で受けるダメージを減らす。(被ダメージ-20%)

効果6:追加HPを3000増やし、HP基礎値の2%を毎秒回復する。(毎秒120回復)

効果7:状態異常(毒・麻痺・睡眠・溶解・魅了・石化・混乱・出血・貧血・呪い)を無効化

効果8:任意で声によるヘイト値の上昇が行える。


変化した所は最大身長が伸びた事と、ダメージ軽減と回復量が増えた。そんでもって憑依と瘴気が無効になった事だ。瘴気に関しては瘴気汚染耐性が吸収された感じだ。


「ここは水深が300メートルですわ。今のルドさんなら行けますわね!!」

「頼みましたよルドさん!」

『期待していますよ我が子よ。』

「へいへい。行ってきますよ・・・。ってちょっと待って巨神様?なんで我が子?」

『私の血を半分も受け継いでいるんですからもはや我が子です。さぁさっさと行ってきなさい。おやつ抜きにしますよ?』

「いきなり母親見たいな事言うのやめて貰えます?頭が混乱するんで・・・。まぁとっとと行って来る。」


アルバトロスの後部には物資搬入用のハッチが取り付けられている。俺はそのハッチから空中に身を投げ出すと、巨大化した。


『よいしょっとーーー!!』ビターン!!

『BUOOOOOOOOO!!』


ザッパーーーン!!


いてててて、着水失敗した。思いっきり腹から行った。めっちゃいてぇ!!あっHP削れてる。身長500メートルが横に着水したからか大きな波が発生してクジラを少しだけ押し流した。こう見ると巨大クジラも全長300メートルくらいか?やっぱりかなりでかいよな。


『BUOOOOOO!!』

『よっしゃこい!!』


ガインッ!!


波で流された事に怒ったのか、クジラが体当たりを仕掛けてくる。だけどまぁ、そんな攻撃が効く訳無かろうて!!


『BUUUUOOOOOO!!』

『あっちょっやめ!!顔に潮を吹きかけるな!!液体は盾じゃ完全に防げないから!!』

『BUON♪BUON♪BUON♪』

『お前今笑ったな!!こんのそこでおとなしくしてろ!!』

『BUUUO--------N』

『逃げるんじゃねぇ!!待てこらーーー!!』

「なんか遊んでませんかあれ?」

「楽しそうですわね・・・。攻撃していいのか迷いますわ。」

「修理終わったよー。」

「ぜんもんせいしゃー!!」


空中に浮かんでいるアルバトロスが一向に攻撃してこないから何してんだと思ったら、修理を優先していたらしい。すべての武装が動き、巨大クジラに攻撃を始めた。


『BUOOOOO!!』

『ほらほら、こっちだこっち!!』


アルバトロスにまた尾鰭で攻撃しようとしたところをヘイトを稼いで防ぐ。何やら魔法を使い始めて、水鉄砲の様な物で攻撃し始めた。魔法だからなのかあまり水は広がっていない。これなら盾で受けられる。


俺が受けて、アルバトロスが攻撃する。終始そんな感じで戦闘は進み、そしてその時は来た。


『KYUOOOOOON』

『おん?なんか声が違うぞ?どうした?』


すでに巨大クジラの体はボロボロ、HPも残り1割という所でクジラが攻撃を止めて俺の周りを泳ぎ出した。


ピロン♪ ジャイアントホエールが友魔となる事を望んでいます。友魔にしますか?


ホワイ?えっこいつって友魔に出来たのか。えっと友魔って複数もて・・・るな。うん、でもクジラだろ?海でしか活躍出来なくね?


『ルドさんどうしましたの?』


俺とクジラが動かない事を不思議がってルゼダがアルバトロスから声を掛けてきた。


『こいつ友魔になりたいみたいなんだよ。どうする?』

『自分の行いを反省しての事です。お好きになさってください。』


巨神様がそう言うなら、友魔にしときますかね。


『だめぇ!!ぱぱのゆうまはしあだけなの!!』


とここでシア物言いが入った!!友魔は増やして欲しくないらしい。どうすっかなぁ?


『俺以外の奴でも大丈夫か?』

『KYUON。』


俺の問いかけに頷いて返すクジラ。どうも俺以外の奴でも良いらしい。だったら別の人に譲るか。


『だれかこのクジラを友魔にしたい人!!』

『KYU~。』


アルバトロスに向かって問いかける俺と、何やら目をウルウルさせてかわいらしい声を出す傷だらけの巨大クジラ。お前今の自分の状態ちゃんと把握してる?ちょっと怖いぞ?


『ちょっと大きすぎですよねぇ。』

『僕もあんまり・・・・。』


リダとクリンはあまり必要としてないみたいだな。


『クジラ・・・哺乳類ですから体の乾燥さえ防げば・・・・。飛行船の技術を応用して・・・。アルバトロスを解体して・・・・。ふふふふふふふふ。』

『ルゼダ?笑顔が怖いよ?』

『アルバトロスは解体させませんよ?』


何やら上から怪しい笑い声が聞こえるな。漏れ聞こえる笑い声にクジラがちょっとおびえている。


『決めましたわ!!私が友魔にしますわ!!こんなこともあろうかと鈴は用意してありましてよ!!』


と言う事で、このクジラはルゼダが友魔にする事になった。今回は好感度を上げる必要は無くて、そのまま鈴で契約をしたら完了だ。


「それで?何やら不穏な事を言ってたみたいだけどどうするんだ?」

「ふふふ、それは完成してからのお楽しみですわ。まずはロアが入れるくらいの池を作りませんと。」


どうやらあのクジラの名前はロアになったらしい。名前の由来は直感らしいぞ?


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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