お山騒動!
第184話
村の子供達の避難は村長の伝手を使ってお願いする事が出来た。移動手段でルシファーを使ったからまぁビックリはされたけどね。でも巨人村の村長が話をしてくれた事で騒ぎは収まったよ。
そんでもって、今俺達は目が覚めた村人達とウケン、メガネと合流して一緒に山門の中に入ろうとしている所だ。
「さて、全員揃って中に入ると又イベントでもあるかな?」
「クエスト進行に最初のメンバーが必要なのは面倒ですわね。」
「仕方ないんじゃねぇか?MMOだし色々な人と関り持って遊んで欲しいんだろ運営は。」
「もし臨時PTとかが見つけたら次に会う約束をしなきゃ駄目っすねぇ。」
「そこから交友関係を広げていくわけですか。」
「結構有効な手段だと思いますよ。」
何て雑談をしながら山門を潜った瞬間。目の前にいきなりウインドウが現れた。
【プレイヤー対抗陣地取り合戦開始!!】
今や聖地の在るお山は瘴気勢力と巨神勢力の代理戦争の場と化した!!あなた方は瘴気勢力の力を削ぎ、お山を奪還しなくてはいけない!!
レッドプレイヤーVSプレイヤーでこの山の陣地取り合戦をしていただきます!!プレイヤー側の勝利条件は相手より陣地を多く取得する事!!陣地の奪い方は山に現れるモンスターを討伐した際のドロップ品である浄化石を土地に使用してください。果たしてあなた方は勝つことが出来るのか!!
※特殊条件クリアによりプレイヤー側にNPC協力者が付きました。NPC協力者は浄化石を使い広い範囲を浄化出来ます。張り切って石を集めましょう!!
「なるほどね。こっちは山を浄化して行けば勝てるのか。」
「相手の勝利条件が気になりますわ。」
「とりあえず村人がどれくらい浄化出来るのか試してみるっすか?」
「是非そうしましょう!記録を取らなくては!!」
「落ち着きなさいノート。焦っても良い記録は取れませんよ。」
「おう!!ちょっといいか村の衆!!この石使えばお山を浄化できるんだが協力してくれ!!」
今までため込んだ浄化石はかなりの数になる。早速それらを村の人に渡して浄化を試して貰った。まぁその方法はかなり豪快だったんだけどな!!
まず村の人が浄化石を持ちます。半巨人何で手に沢山浄化石を持つ事が出来ますね?村人は一定間隔で広がり、村長の合図で腕を振りかぶります。ここまで来たらもうお分かりでしょう?そうですね、全力投球ですね。
ゲーム的なシステムが働いたかなのか、投げられた浄化石は均等に広がり、かなり広い範囲を浄化する事が出来た。俺達が投げて浄化出来るのが1マスとしたら、一気に20マスくらい浄化する。まぁ俺が巨大化したらもっと広範囲に浄化石を届けられそうだな。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「あっあんなところに赤落ちが居ますわ。」
「偵察に来てたんだろうなぁ。浄化石の広範囲爆撃に巻き込まれたのか。」
「この石は敵側にダメージを与えるんですね。メモメモ・・・。」
「逆も出来ると考えた方がよさそうですね。」
「お前ら気を引き締めて行けよ!予定通り4班に分かれてこれから行動するからな!!村人は絶対守れ!!」
さて班分けですが、なんとキーメンバーは別々に動いちゃ駄目らしい!!PTを分けようとしたら ブーッ!! というエラー音が鳴って出来なかった。
だからテッタをリーダーとして盾職のフォローになれたリダとクリンを編成した1PT。カイトをリーダーとした攻撃職を固めた1PT。イルセアさんをリーダーにしたPT。それと俺達のPTに分ける事になった。村人もそれぞれのPTに分けて、浄化を進める事に。
「皆様の健闘を祈りますわ。」
「師匠見ててください!!僕頑張ります!!」
「私1人でこの人数管理できるかしら?」
「私達も手伝うから安心するデーッス!!」
「それでは行ってきます!」
移動中も浄化を掛けながら予定ポイントに向かう事になる。仲間がやられたから赤落ち達からの攻撃もあるだろうしな。皆気を付けてくれよ!!
イルセアサイド
私達は今山門の逆側、地理的に言えばお山の北部まで移動して来ている。巨人族の村はお山の中腹にあるらしいので、ここからそこに向かって浄化していく計画よ。
「索敵は任せるわね。」
「任されたデーッス!!何でもできる『ピエロの喝采』にお任せデーッス!!」
見た目は完全にピエロの格好のマルデ。彼女のギルドは本当に何でも出来る。特にトラップ発見や索敵においては本当に頼りになるギルドだ。
「私達は火力で援護するわよ。村人の皆さんは浄化出来ていない場所にどんどん浄化石を投げて下さい!!」
「解った。」
私達の後ろには半巨人の村人の人達が石を持って待機している。体の大きさがかつてのルド君と一緒だからどこか懐かしさを感じてしまうわね。
最初の出会いは開拓村のフィールド、あそこで敵を集めるだけ集めて倒さない迷惑プレイヤーが居ると聞いて様子を見に行ったのよね。
確かに敵をヘイトスキルで集めて一向に倒さない、体の大きなプレイヤーがそこに居たわ。でも倒さないんじゃなくてどう見ても倒せなくて困ってる様子だったのよ。
だから私の方から声を掛けたわ。倒しても良いですかって。そうしたら彼は快く提案を受け入れてくれた。それにあの大きな盾を使って魔物を倒しやすい位置に飛ばしてくれるサービスまでしてくれたの。
一通り狩りが終ってどうしてこんな事をしたのか理由を聞いたら、スキル上げの為だと言った彼。攻撃力が無い事もそこで聞いたわ。だから人の迷惑にならない様にする方法を一緒に考えたのよねぇ。
どこか放っておけない雰囲気を感じて色々お節介を焼いてしまったわ。でも仲間と一緒にギルド立ち上げの為に動いていたから、開拓村に残った彼とはなかなか一緒に遊ぶことは出来なかったわ。
これでも何度か一緒に遊びましょうと声を掛けたのよ?でも彼は迷惑を掛けるからと遠慮してしまったの。ギルドを創設した時ももちろん入らないか声を掛けたわ。これも同じ理由で断られたけどね?
迷惑なんて思う人はうちのギルドには居ないと何度も説得したのだけど。村の事も心配だからと言われたら何も言えなかったわね。そんな人が今、仲間と一緒に楽しそうに遊んでいるのを見て、勝手だけど成長した子供を見送る気持ちになったものよ。
「何をニヤニヤしてるデースか?」
「あら?そう見えたかしら?」
「そうにしか見えなかったデース。」
「ちょっと昔を思い出してね。それより敵さんは?」
「こっち側にはほとんど居ないみたいデース。どうやら本隊の方に人員を割いているみたいデースね。」
「ならここは一気に浄化してしまいましょう。村人の皆さんお願いします!!」
彼はまだギルドに入っていないみたいだし、仲間と一緒にギルド入ってくれないかしら?あの様子じゃ無理そうよね。まぁ頼られて悪い気はしないし、しっかりとお仕事をしましょうか!!
カイトサイド
僕は今お山の東側に来ている。僕の役目はここから土地を浄化して、お山への道を確保する事だ。村長の話によると巨人族の村から出て東に回ると頂上に行く道が在るらしい。
「ミアズマの攻撃を受けた人はすぐに浄化を!!盾職の人手も厳しいデバフが付きますから気を付けて!!」
頂上からの道があるからなのかこっちは魔物が多い。その分浄化石が大量に手に入るから良いんだけど、回復薬の消耗が激しいな。
「兄ちゃん張り切るのは良いが前に突出しすぎだ。ちょっと下がれ。」
「あっすみません。」
僕に声を掛けてきたのはルドさんのお知り合いのキリュウさん。見た目がスーツを着たいかついお兄さんで、頼れる兄貴!!って感じの人だ。
「リーダーを任されて気負うのは解る。周りは見ず知らずの人だろうしな。だがそんな時こそ大将はどっしりと構えて、不測の事態に備えるもんだ。解るか?」
「はい、すみません焦ってしまいました。」
「反省出来るならまだ大丈夫だ。これからこういう機会もあるだろうからな。俺達がフォローするからここで勉強していけ。失敗は誰にでもあるからな。」
カッコいいなぁ・・・。キリュウさんのこういう所に惚れ込んだ人が集まってギルドを立ち上げたんそうだ。だからか、『夢幻の龍星会』の団結力は凄くて集団戦闘の練度が高い。
「兄貴!!赤落ちはこっちには居ないようですぜ!!」
「ちっ!1人とっ捕まえて向こうの勝利条件を知りたかったが仕方がねぇ。おめぇらさっさとここを片付けて他の隊の援護に行くぞ!!」
「「「「「「「へい兄貴!!」」」」」」
僕よりキリュウさんがリーダーやった方が良くないかなこれ?
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited
2022/7/8 さぁやってまいりました更新のお時間ですよ!!今回は190話までお届けします!!えっなに?更新話数少なくないかって?ベベベ別にエルガドへの出張が楽しくて執筆が止まりがちなんて事は無いんだからね!!
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