第179話
「奥義を知りたければ私を抱きなさい!!」
「嫌だ!!ってか何言ってんだあんたは!!」
修業を再開する為に師匠の所を訪れた時、最初に言われた言葉がこれです。なに考えてんだこの変態師匠は!!シアも強くなるために御神木と同化して色々教えて貰うそうだから広場に置いて来た。1人で来るのは失敗したなぁもう!!
道場の中にはいつの間にか俺の写真が山ほど貼って在って、全部の写真にキスマークやら自分の全裸写真やらを張り付けてコラ処理してやがるし、それを見た自警団の人達が俺にどうにかしてくれって泣きついて来るし!!助けて欲しいのは俺の方だっつうの!!
「いい加減にしないとまた捕まるぞ?」
「ルドきゅんがいつまでも私の相手をしないのが悪い!!」
「そもそも相手をする気が無いって何回も言ってるだろうが!!」
「ちょっとだけで良いから!!一回だけ!!先っちょだけで良いから!!」
「それ駄目な奴!!前にも一度このくだりやっただろうが!!良いから修行始めてくれよ・・・・。あっ道場の写真は全部剥がして焼却処分するから。もう守備隊の奴らに頼んどいた。」
「いやぁぁぁぁぁぁっ!ルドきゅんと私のスイートメモリーぃぃぃぃ!!」
「そんな物最初から無い!!」
本当になんで懲りないんだろうなこの人・・・・。
飛行船の完成まで4日掛かった。その間修行に集中する為に師匠の所で世話になったんだが・・・・。なんか毎回ログインするたびに師匠が艶々してるのはなんでだ?ログアウトしたら体消えるよなぁ?
起きてから師匠の家のリビングに行くとなにやらウキウキでご飯作ってたりするし、内容が鰻のかば焼きとか、すっぽん鍋とか意味深な物ばかりだったけど・・・・。俺念のためR18フィルターONにしてあるよな?なぜだ?
そんな事を疑問に思いながら俺は無事修行を終えた。奥義まで習得して免許皆伝を貰って正式に守護双壁流の後継者となった。
まぁ修業が終って師匠の家を出た時に号泣されながら引き留められたがね・・・・。何が二人で新しい後継者を育てましょうだよ!!その後継者は何処に居るってんだよ!!こら意味深に下腹部触るな!!俺はそんな気一切ない!!
と言う事で泣きわめく師匠を家に押し込み、俺は完成した飛行船の停留所に来ていた。そこにはすでにルゼダが完成した飛行船を見ながら待っていた。
「やっと来ましたわね。」
「おーっす。リダとクリンは?」
「まだ来てませんわ。」
「修業はどうだった?」
「地獄でしたわ・・・・。でもその分使える技と魔法が増えましてよ。」
「頼りにしてるよ。」
「おーい!!ルドさーん!!」
「おっクリンも来たな。」
こちらに手を振りながら駆けよって来るクリン。そして俺達の前で煙を上げながら急停止した。
「お待たせしました!!」
「そこまで待ってねぇよ。」
「全く遅いですわよ!!」
「ごめんよルゼダ。でもこれ取るのに苦労したんだ。」
そう言って足を持ち上げて見せるクリン。そこには何やら翼の生えた靴が。
「ペ〇サスの靴かそれ?」
「元ネタですよソレ。これは天馬のは速靴(てんまのそくぐつ)って言います。師匠が免許皆伝の証としてくれたんです!!これを装備してると移動速度と跳躍力が上がり特殊な技が使える様になるんですよ!!」
「良いですわね。私なんてまだまだ奥義を教えてくれませんのよ?」
「俺は免許皆伝したが何も貰えなかったな。良かったな。」
「はい!!」
「あっ、私が最後でしたか。すみませんお待たせして。」
最後の現れたのはリダだった。道着が変わっていて、白い道着に心という一文字が入っている物になっている。
「丁度皆来た所だよ。リダの装備も免許皆伝の?」
「はい、心義夢想流免許皆伝の証です。」
「なんでぇ、俺だけ貰ってないのか。」
「その腕輪は違うんですか?」
「へっ?腕輪?」
クリンに指さされた先には見覚えのない腕輪が嵌っていた。砦の様な意匠の施された腕輪は、鑑定すると免許皆伝の証で城塞の腕輪という。奥義発動時に守る人数が多いほど奥義の耐久値が上がる効果を持っていた。
「まったく師匠め、きちんと渡してくれればいいのに。」
「いつの間に付けたんでしょうね?」
「さぁなぁ。いつ襲われるか解ったもんじゃないから常に気を付けてたはずなんだが・・・。」
「ログアウト中なんじゃ無いですかね?」
「ログアウトしてたら体が消えるだろ?」
「公式の報告を見ていないんですの?ログアウト関係やR18フィルターに変更がありましてよ?」
「はっ?」
詳しく聞くと、ステータスの変更が在った日の夜、公式から他の機能の変更も発表されていたらしい。それによると、都市や宿屋でログアウトすれば消えていた体が残るように変更された。
外で寝る場合は体が残るのに都市内で残らないのは変だという声が在って変更したんだと。これにより宿屋に泊まれなかったり、広場でのログアウトが不可能になる等、現在色々不具合が起こっているらしい。
声を上げた連中は晒上げを喰らって逃げまどっているそうだ。公式に仕様の撤廃を求める声も上がったそうだが、運営はもう変更できないと発表したんだと。今後はログアウト時も気を付けないといけないそうだ。まぁ安全にログアウト出来る様にテントとか魔道具の一部に仕様変更が在ったらしいけどね。
あとは恐ろしい事にR18フィルターの機能の一部が更新の際に一部機能停止していたらしい。登録年齢で自動的にフィルターがONになっていたんだが、どっかのハッカーがそれを意図的に外すコードを発見。未成年にそのコードを売りつけていたんだと。
そのコードに対するパッチを当てた時に不具合が発生、なんとステータス修正の後からR18フィルターをONにしても適応されてなかったらしい。
丁度ついさっき修正されたらしいんだが・・・・。俺はその話を聞いて顔から血の気が引いて行くのを感じていた。
「どうしましたの?」
「やばいかも・・・。」
「ルドさん?」
「どうしたんですか?」
「・・・・俺、修業の為にゲーム内で4日師匠の所で世話になってた・・・・。」
「「「・・・・・・・。」」」
師匠のアレっぷりは皆知っている。そんな中俺が師匠の所でお世話になっていたという話を聞いて皆目線を逸らしやがった!!
「だ、大丈夫ですよ。修行中はまとも何ですから。」
「そ、そうですわ!!それに結婚システムを使わないと子供は出来無い(はず)ですわ!」
「大丈夫ですよルドさん!!何か在ったら僕達が助けますから!!」
「ログインするとやけに艶々してて、出してくる料理が精力の付く物でも?」
「「「・・・・・。」」」
「ぱぱおまたせ~。あれぇ~?みんなおかおがあおいよ?どうしたの?」
大丈夫だよな?寝ている間に不埒な事してないよな?修行中だったしな?信じてるからな師匠・・・・。あっ駄目だ微塵も信用できねぇ!!
「どどどどど、どうしよう・・・。」
「・・・やっちゃったものは仕方ないですわ。もしそうなったら諦めましょう。」
「ルドさんは被害者ですから、ちゃんと説明すれば分かって貰えると思います。」
「あとはもう天に祈るしか・・・・。」
「ねぇ~?どうしたのぉ~?」
「シアにはまだ早い話だよ。」
くそう!!やけにご機嫌だと思ったんだよ!!家を出た時のあの意味深な行動もそう言う事かよ!!はぁ~。親父に被害届出しとこ・・・・。
「そ、それじゃあ飛行船まで行きますわよ!!もう皆さんお待ちですわ!!」
「巨人族の村を救わないとですね!!」
「急いで行きましょうルドさん!!{最悪あの女に渡す前に私が貰ってあげますから。}ボソッ」
「そうだな・・・。ここで気を揉んでても仕方ないか。まぁなるようになるさ。」
「ぱぱどんまい~?」
考えててもどうにもならない問題より、目の前のクエストを消化しよう!!最悪責任でも何でも取ってやらぁ!!・・・やっぱあの人相手は無理!親父何とかしてぇぇぇぇぇ!!
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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