第108話
さて今日はキリュウさん達とイベントダンジョンに潜る日だ。だがその前に試したいことがある!!そう!!それは経験値の獲得!!シアが魔法攻撃を覚えたという事はつまり、ドロップと経験値が獲得できるという事なのだ!!ドロップが手に入るって気が付いた時に経験値の事まで頭に無かったんだよなぁ。いつも貰えないのが当たり前だったから・・・・。
と言う事で今はシアと2人でイベントダンジョンに来てます。この為に休みを取ったんだぜ!!
「それじゃあよろしくなシア。」
「あい!!ぱぱのためにがんばります!!」
まずは雷突ダツだ!!このダンジョンの魔物は経験値も多いらしいから一匹倒すだけでレベルは上がるはず!!
「それじゃあ呼ぶからな。『俺の経験値こっち来いやぁぁぁ!!』」
「いっぱいきた!!しあもいくよー!!『新緑の鎌鼬』!!」
おぉっ!!どこからか葉っぱが飛んで来て敵を切り刻んでおる!!さぁ鳴り響けレベルアップ音よ!!我に福音をもたらすのだ!!
・・・・・・・・・・・・・あり?鳴らないな?
「シア?ちゃんと倒してるよな?」
「たおしてるよ?」
本当だHP0になって消えて行ってる。えっなんで?シアのレベルアップログはバンバン流れてるのに俺のだけ無いよ?バグ?バグなの?それともシアの所為?それとも俺の所為?助けてヘルプさーん!!
・・・・・・はい、ヘルプさんの回答がこちら!!
『友魔のみを戦わせ経験値とドロップアイテムを取得する旅人が居た事から、友魔からの経験値及びドロップ取得に修正が入りました。戦闘中1ダメージも出さない旅人に経験値分配は無く、同じくドロップも出ない仕様です。』
まぁつまりだ、友魔を経験値とドロップアイテム回収用のBotにしたおバカさんが居たらしい。んでもって狩場の独占やら、横殴りが横行したんだそうな。でそれが出来ない様に修正をしたんだと。
ここで皆さんも思いましたよね?ジャイアントクラブからドロップ出とるやんけ!!と、これね、イベント期間中の仕様だったらしいよ?
『個体名、ジャイアントクラブは魔物ではなく動物です。管理AIによりイベント期間中。お楽しみ要素として“誰が倒しても”足及び体が取得できます。管理AI曰く、「人間は蟹を見たら食べたくなる生き物だから。」だそうです。』
そう!!つまりジャイアントクラブはイベント様に用意された養殖の蟹だったのだ!!そういえば前に潜った時ダツやらタコやら倒してもドロップなかったよ。あそこで気が付くべきだった!!
ジャイアントクラブを倒してもレベルが上がらなかったのもそう言う事らしい。昨日寝る前にあれ?そういえば?と思ってたけどね・・・・。やっぱりそう甘くなかったのか・・・・・。
「ぱぱだいじょうぶ?」
「うーん、まぁ今までと変わらないだけだからなぁ。そんなに落胆してない自分に吃驚だけど。それよりキリュウさん達と合流するまでにまだまだ時間あるから、蟹のお土産取りに行こうか?」
「しあかにだいすき!!いっぱいとる!!」
せっかくドロップが出る(と錯覚して喜べる。)んだから今の内にその気分を満喫しておこう。深く考えると凄く虚しいけど・・・・。早めにヘルプさんで確認取っとけばよかった・・・ぬか喜びだよトホホ・・・。
憂さ晴らしするようにジャイアントクラブを乱獲してダンジョンから出る。やっぱり鍛冶屋を探すしか無いかなぁ。
「ルドさんお久しぶりです。」
「おろ?メガネさんお久しぶりです。どうしたんです?一緒に潜るのは明日でしたよね?」
イベントが告知された時にダンジョンに一緒に潜りたいと打診を貰ってたんだよね。もちろん快く了承したよ。
「今回はこれの試射ですよ。」
「それって銃ですか?」
メガネさんが手に持っているのはウィンチェスターライフルに似た形の銃だった。
「これ、ロロキー王国製の魔法銃です。ルドさんもこの件に関わってると聞きましたよ?」
「あぁ!!赤落ちが襲撃してきた時の!!研究が進んだんですね。」
俺の言葉にメガネさんは苦笑を浮かべている。もしやあんまり進んでない?
「これの銃は研究機関から試しに使って欲しいと渡されたんですけど、すごく使いにくいんですよ。起動にはMPを300以上使いますしね。起動さえしてしまえばMP消費は少ないんですが、威力が出ないんです。」
「たしか聞いた話だと銃の性能で威力が変わるんでしたよね?」
「えぇ、それに現在魔法銃の重要なパーツに使われているミスリルが入手困難になっていましてね。研究もストップですよ。まぁそもそも魔法銃を作り出せる技師が少なくて量産も出来ませんが。」
あぁ~、坑道の件で国内のミスリルの量が減ったもんな。俺も手持ちの分は盾に使っちゃったし、他に入手した人も武器や防具の更新に使っちゃって持ってないそうだ。残して置いたら今頃結構なお金が手に入ったんだけどなぁ。
村長に嫁入りしたルリさんから技術供与は受けなかったのかって?帝国だと魔法銃はすでにコストと威力が見合わないって事で見限られたってさ、ミスリルがもったいないからって研究すらされてないらしいよ。
「でもどうしてメガネさんが魔法銃を?」
「あっこの度銃使いに転職したんですよ。それで専門職が使うと使用感が変わるのかという実験です。それにこの魔法銃の研究には『英知の図書』として参加していますから。我々はこの魔法銃にはまだ未来があると思っているんです。」
なるほどね、自分たちの研究成果の確認でもある訳だ。そういえばメガネさんって元々盗賊だったよな?それで銃使いになったって事は将来的にレンジャーとかそういう風な職業に就くのかな?
「そのような複合職がないかどうかの確認もしていますよ?」
「おっと口に出しちゃってましたか。詮索したみたいで申し訳ないです。」
「いえいえ気にしないで下さい。そうだ!!いつか魔法銃の研究でお手伝いをお願いしたいと思っているのですが、その時には声を掛けても大丈夫ですか?」
「えぇ、手が空いていたらいつでもお手伝いします。」
「それは良かった!!今は材料が取得できずに研究できていませんが、様々なアプローチを計画していますので是非お手伝いをお願いします!!おっとそろそろ行かないと時間が、それでは失礼しますね。明日のダンジョンアタック楽しみにしています。」
「こちらも楽しみにしています。検証頑張って下さい。」
メガネさんが囮ゴーレムを連れてダンジョンに潜っていく。最後までシアには気が付かなかったなぁ。まぁ仕方ないか、ずっと背中に張り付いて隠れてたから。
「ぱぱ、おはなしおわった?」
「おう、終わったぞ。なんで隠れてたんだ?」
「わるいよかんした!!」
まぁそうなるか。情報収集を主な活動にしている『英知の図書』が友魔の種族進化を知ったら根ほり葉ほり聞かれるに決まってるからなぁ。シアの場合はどう考えても特殊進化の類だし・・・・。
進化と言えばシアが進化した時にアナウンスなかったな?もしかしたらもう他の人が友魔の種族進化を発見していて、その情報をメガネさん達は持ってるかもしれないな。でもシアが悪い予感を感じたんだったら情報収集の最中か?
「ぱぱ、しあかにさんたべたい!!」
「そうか、まだ時間があるしバーベキュー会場で食べるか。」
「やったーー!!」
結局経験値もドロップも手にはいらないまま、俺何が楽しくてこのゲームやってるんだろう?
「どうしたのぱぱ?」
「ん?いやなんでもない。」
まぁ知り合いも仲間も、そして家族まで出来ちゃったから辞めるわけには行かないか。元から辞める気も無いんだけどな!!
「バーベキュー会場まで競争だぞシア!!負けたら蟹の足一本相手に渡す事!!よーいドン!!」
「あっぱぱずるい!!しあもほんきだす!!」
「蔓で某蜘蛛男みたいに移動するのはずるいぞ!!負けるかぁ!!うおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited
突っ込みが多かったのでこの1話だけ公開、皆さんの疑問もこれで晴れましたかね?
経験値とドロップは修正によって戦闘で相手にダメージを入れないと取得不可に、ジャイアントクラブのドロップは実は運営からのプレゼントだったと。
魔法銃に関しては今後の布石として登場させました!!本当は一緒に潜る時に銃使いになったっていう話にしてたんですけど、ここで出したほうが詳しく説明出来たのでここで出しました。
さて、続きをどうしましょうかねぇ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます