第84話

どれくらい戦っただろうか?時間を確認する余裕はないけどすでに3時間は戦い続けているように思う。


「ゴーレムの数がなかなか減らないなっっとぉ」ガインッ!!

「そうですねっ」ドガンッ!!「最初から数が減ってない様に見えます。」

ザシュッ「なんで減らないんでしょう。」

「原因は分からないわね。」ぽわんっ


敵の攻撃は今の所俺一人で引き付けられている。いやぁパリィスキルのレベルもカンストしたからね。ダメージカット脅威の24000だよ。HPよりも高い数値だよこれ。ゴーレムが物理系で良かった。


「指揮してる奴は潰せたのか?」ガガガガガガガッ

「物量が凄くて潰せて無いみたいです。」パゴンッ

「ヘイトは全部ルドさんに行ってるんですが。指揮ゴーレムまで他のゴーレムで埋まってますね。」ザンッ!!

「火力が足らないのよね。」ぽわっシューン!!


うーん、騎士団も頑張ってるけどやっぱり物量がなぁ。街に行った旅人が残ってくれてれば・・・。


「あっ!?」

「どうしたクリン?」

「敵の数が減らない原因分かりました!!あいつ等どんどんゴーレム召喚してます!!」

「無限沸きかぁ~。」

「クリア条件が在るんでしょうね。」


指揮ゴーレムを潰せばいいんだろうけど、そこまでの道が無い。道を切り開く火力も無い。これ詰んでね?


そんな時、俺達の横を人影が駆け抜けていった。


どがぁぁぁぁんっ!!


「まったく、村出身だっていうのにいつまでちんたらしているのかしら?」

「カマーンさん?」


ピンクのフリフリドレスを着た元巨漢の大男、現金髪碧眼の巨乳美女カマーンさんが大剣を担ぎながらこちらに向かって呆れた目を向けて来た!!


「ほっほっほ、岩人形か。リダの修行に持って来いじゃのう。」

「お爺さん!?」

「そうですねお爺さん。ほれリダや!!ぼうっとしとらんで早う殴れ!!」

「お婆さんまで!?」


次に飛び出して来たのはシンハさんとミオカさんの農家夫婦


「母さんほいっ。」

「よいしょっとー。」

「さぁお前等ひと暴れしておいで。」

「「「「「「ブモォォォォォォ!!」」」」」」」」

「「「「「「プギィィィィィィッ!!」」」」」」」

「「「「「ゴケーッ!!」」」」」」


次に現れたのは酪農夫婦のサンクチさんとクイシさんと動物達・・・・。って動物たち大丈夫なの!?ゴーレムに向けて餌撒いて攻撃させてるけどさ!?


「シアちゃんの実を食べてたら強くなったみたいでね。」

「たまに森で遊ばせてるから大丈夫よぉ~。」


それは大丈夫と言うのだろうか?あっ大丈夫そうですね。ゴーレムが牛の群れに引かれ、豚の群れに踏みつけられ、鶏の群れに穴ぼこにされてる・・・・こわっ!?


「自警団一同!!ルド村防衛戦に参加する!!」

「自警団は旅人の補助を!!回復はこちらで受け持ちます!!

「親父っ!?それに村長も!!」


最後に現れたのは村の自警団を引き連れた親父と村長。ってか村長が出てきたら駄目でしょうが!!


『ターゲット確認。殲滅する。』ビコーンッ


あぁもうほらっ!!赤ゴーレムと何体かのゴーレムになんか羽生えちゃったし!!飛んでるし!!


「村長は下がって!!咆哮『こっちじゃぁぁぁぁぁぁ!!』」

『任務阻害対象確認、排除。』


クッソさっきまで喋らなかったくせにぺらぺらとしゃべり始めやがって・・・。ってなにぃぃぃぃっ!!ゴーレム同士がくっついただとぉぉぉぉぉっ!!


「ルドさんあれやばいです!!」

「ゴーレム同士が合体するなんて確かにやばそうだ!!」

「じゃなくて!!あれどう見てもWのツイン的なライフルですよ!!」

「解ってるよ!!」


赤いゴーレムに翼が生えたと思ったら、ゴーレムが4機変形してライフル型になった。そんでもって次にやる事は・・・・。はい!!合体させてビームの照射ですね!!


「皆城壁の後ろに!!周囲一帯吹っ飛ぶぞ!!」

「ルドさんも早く避難を!!」

「ヘイト稼がないと被害デカくなるだろうが!!『守護者』+咆哮『こっちじゃ掛かってこいやぁぁぁっ!!』」


これで俺のHPが削れるまでは耐えられる!!うっは照射が始まった!!


ドシュゥゥゥゥゥゥンッ!!


赤ゴーレムが両手に構えたライフルからビームを発射して来る。村長を狙ったそのビームは途中で曲がって俺の構えている盾に命中する。ビームの照射だからパリィ出来なくてダメージいてぇ!!


「ルドさん!!『女神の抱擁!!』」

「ぬごごごごごごごっ!!」

「このままじゃルドさんが持ちませんよ!!」

「あれをどうにかして止めないと!!」

「だが空中に居ちゃ手も足も出せねぇぞ!!」

「術者はあの赤いのを狙え!!」

「駄目です!!距離が遠すぎて当たりません!!」


あっやばいっ死ぬ・・・・。


「ルドきゅんのピンチに私参上!!『こっちよ掛かって来なさい!!』」


HP1のその時に飛び込んで来た影がビームの照射を受け止める。ってか師匠じゃねぇか!!


「ルドさん!!回復します!!」ぽわわわん。

「あっルドきゅんの回復私がしたかったのに!!マウストゥマウスで!!」

「阿保要ってねぇで状況説明しろ馬鹿師匠!!」


えらい余裕ですね師匠?もっと早く助けられたのでは?


「いやぁ、そこはほら。ルドきゅんのピンチに助けた方が好感度上がるかなぁって。」

「好感度駄々下がりだよ阿保師匠。」

「そんなぁ~(´・ω・`)」


ったく、どっかでチャンスを窺ってやがったな。可愛い弟子が死んじまかもしれないって時になんて師匠だ!!


「そこはまぁ弟子を信じてましたからね!!」

「めっちゃギリギリでしたけど!?あとHP1だったんですけど!?まぁでも助かった。」

「お礼に何して貰おうかなぁ。」

「後で“お金”で払うわ。」

「後で“子種”で払うって!?気合入れなきゃ!!」

「どんな耳してんだてめぇ!!」


どんな聞き間違いだよ!!それ唯の願望だろうが!!欲望駄々漏れ何だよそんなだから素直に尊敬できないんだ!!


「ルドさんサイテー。」

「幻滅しました。」

「ルドさん?」

「君達今の俺の言葉聞こえてたよね!?」

「がははははっ!面白いパーティーやってんじゃねぇか。」

「俺がいじり倒されるだけなんだよ!!」


親父達も笑ってないで戦えよ恥ずかしいなぁ・・・。そんなやり取りをしている間に戦場が動いた。


「それじゃあルドきゅんに私の奥義を見せるね。守護双壁流『城塞』」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!


師匠が奥義を発動すると、そこには半透明な城塞が聳え立った。攻めて来ていたゴーレム達をその城の中に閉じ込める城塞。そして外から上に上がれるように階段も出来ていた。


「さぁ皆!!この上から攻撃してくれ!!赤いのはあの塔の上からなら攻撃が届くはずだよ!!」

「シチート殿に続け!!全軍突撃!!」


いやぁ、やっぱり師匠だわ。さすがに城を顕現させるとは思わなかった。


「ルドきゅんが覚えるにはあと4つは流派の技を覚えないとね。」

「さっさと教えてくれよな師匠。」

「それはもう、ベッドの上でねっとりしっぽり教えちゃうよ♡」

「あっやっぱいいです。」

「シチートさんあんまりルドさんを揶揄わないで下さい。」

「本気なんだけどなぁ。」


本気だったらなお質が悪いわ!!えぇい!!いつまでも師匠のおふざけに付き合ってられるか!!


「うっし、じゃあ防御は師匠に任せて俺達も行くか。」

「そうですね。」

「行きましょうか。」

「えぇ“3人”で突撃です!!」


ナチュラルに省くんじゃないよ!!泣いちゃうよ?


「だってルドさん攻撃出来ませんし。」

「壁役をシチートさんがやってくれるなら必要無いですし?」

「村長を守ってればいいのではなくて?」

「へいへい!!村長の護衛をしておきますよ!!」


戦争が終わったら絶対ATKの付いた盾作ってやる!!


『任務続行不能。撤退。』

「あっ赤いのが逃げたぞ!!」

「深追いするな!!それより負傷者の救助と壊れた施設の復旧急げ!!」


あらら、師匠が出てきたらすぐ逃げちゃった。まぁ師匠の城塞のおかげで一方的に攻撃出来てたからなぁ。指揮ゴーレムは・・・・、1つも落とせてないのか。合体したのが全部指揮ゴーレムだったんだな。


「うーん、こりゃまた来るなぁ。」

「何度来てもルドきゅんと私の愛の力で守り抜いてあげるんだからね!!」

「だぁーーーーー、くっつくなぁぁぁぁぁぁ!!」

「ルドさん!!何やってるんですか!!」

「この状態で怒られるの俺なの!?」


あぁもう!!もうちょっとシリアスな事になるかと思ったら最後は結局ドタバタで終わりかよ!!


戦争阻止率 50%


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited 


2022/5/2 魔法名を一部変更 ハイヒール→女神の抱擁

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