村長の過去と戦争の原因

第82話

※先に行っておきます。私にシリアスは向かなかった(`・∀・´)エッヘン!!

 ごめんなさいごめんなさい石を投げないで!!

 それではどうぞ(´・ω・`)


ニノヒ帝国に在る城、その一角で今怪しいやり取りがされていた。


「例の件はどうなっています?」

「順次抜かりなく。計画通りに進んでおります。」

「そう。それは良かった。」


黒いローブを着た2人、1人は椅子に座り、1人はその前に傅いている。声からして両方共女性と思われるがその容姿を確認する事は出来ない。そこにもう一人ローブを着た人物が現れ、椅子に座った人物に向かって傅き声を掛ける。


「報告です。王国の犬がまた嗅ぎまわっております。」

「ならいつも通り偽の情報を掴ませなさい。」

「御意に。して、この後はどうされますか?」

「計画を第2段階に進めます。こちらに寝返った旅人達にも大いに役立ってもらいましょう。」

「「はっ!!」」


瞬時に姿を消す2人、残った人物は1人笑みを浮かべながら虚空を見つめる。


「待っていなさいリク・ラカー。あなたが私にした事の代償は必ず払って頂きます。」


城の一角で女性の高笑いが響き渡った。


~・~・~・~・~・~・~


私はリク・カラー。ルド村で村長をしています。私は元々王国の第20王子と言う、それはもうたくさんいる王子の1人でした。父上頑張り過ぎです・・・・・。


そんな私は20年前、当時10歳になるであろう時にニノヒ帝国に留学していました。当時は今よりも敵対関係になく、しかし水面下で様々な争いの在った時期です。


なぜそんな時期に留学したのか?それは帝国の技術が諜報や、情報収集に長けていると考え、その技術を少しでも王国に持ち帰りたかったからです。


ですから、当時王国ではほとんど出回っていなかった変装用の魔道具を何とか手に入れ、姿を変え名前を変えて留学しました。そして感動したのです!


帝国では魔道具を生活の一部にするほど普及させ、人々の生活を豊かにしていたのですから!!時の皇帝は民こそが国であると国に布告して惜しげもなくその技術を分け与えていたのです!!


学院でも様々な事を学びました。国外から来た留学生である私は秘匿技術を学ぶ機会はありませんでしたが。それでも我が国の数年先を行く魔道技術には目を見張るものがありました。


そして、仲の良い友人にも恵まれ、その中の1人とは親友とも呼べるほど仲良くなりました。学びが楽しく、一心不乱に帝国の技術を学ぶ私に親友はなんと!!帝国の秘匿技術まで教えてくれたのです!!


最初は断りました。他国の人間である私にそんな事を教えれば親友まで罰せられると。私の事は別に良いのです、20王子なんてそこらに居る民と変わりありませんでしたから。ですが親友は皇族に連なる人だったのです。


継承権を持つ者がそんな事をしては将来に関わります!!それでも親友は私に秘匿技術を教える事を固持しました。継承権が無くなったら私に雇って欲しいと笑いながら。


私は結局折れました。そして2人で使われていない教室を使っての個人授業。帝国の技術の神髄を学べる私はさらに勉学に夢中になり、どんどん知識を吸収していきました。


しかしそんな生活が5年続いた時、変革は訪れます。15歳の私の誕生日のその日、皇帝が崩御されました。


そして即位したのが親友の御父上だったのです。そしてその御父上は他国の者に技術を教える事を禁止し、留学を全面的に取りやめる布告を出しました。そして今帝国に居る他国の人間は全て帝国に軟禁し、帝国民とする事も。


私は急ぎ王国に帰る事になりました。残っても構わないと思っていたのですが、これでも王子です。王国の暗部が私を秘密裏に帝国から連れ出したのです。


私は親友にだけ手紙を残しました。国に戻る事になった事、君の事は忘れない事、元気でいて欲しい事、いつか又会える日を楽しみにしている事、そして今までの事を本当に感謝していると。


手紙が無事に親友の元に渡ったかは分かりません。ですが、いつも私の部屋を訪れていた彼の事です。きっと最初にあの手紙を見つけてくれた事でしょう。


王国に戻った私は、王国の技術開発部に所属する事になりました。そして私はまず変装用の魔道具を作り出したのです。


その魔道具を見て、開発部の人々は沸き立ちました。これで敵国に侵入してテロを行えると。私はその言葉を聞いて凍り付きます。敵国とはどこか?テロを行うとはどういう事なのかと。


詳しく聞くとニノヒ帝国を王国の軍部はすでに敵国としていて、諜報の為に潜り込んでいた帝国兵をすでに捕縛していたのだそうです。


そして、私が帝国から持ち帰った技術を使って兵器を作り。帝国兵を使って人体実験を行って。かの帝国に攻め入る為にテロを起こし、帝国を混乱に貶めるのだと軍部が気炎を上げていると。


技術開発部は軍部の一部門です。その軍部は攻め入る事に前向きになっている所為で開発部もその非人道的な行いを是としてしまっていたのです。


テロ等起こせば多くの人の命が失われます。それも戦とは関係の無い無辜の民の命です。そんな事、許されるはずも、許すはずもありませんでした。


私は、開発部の責任者にも国王にも異を唱えました。私が持ち帰った技術はそのような事に使う為では無いと。帝国がもし攻めて来た時に国を守る為に持ち帰ったのだと。


その言葉に開発部の責任者は難色を示し、国王からは理解を得られました。国王の命令で捕虜を使った人体実験と兵器開発は中止され、一息ついたのを覚えています。


しかし、そんな命令を下されて軍部が黙っているはずが無かったのです。私はまず開発部から追い出され、そして命を狙われました。暗殺、毒殺、事故。日々私は追い詰められていきました。


私は、自身の残した研究がいつか兵器に使われるのではないかと思い。その情報を書き記した書類を消し去ったのです。変装用の魔道具は王国に居る貴族の協力もあり、やっと完成した物だったのでその全てを知られてしまっています。


ですが兵器転用できる技術はまだ、誰にも漏らしていませんでした。軍部はその事を知らず、私を殺して技術を奪おうと考えていたのでしょう。ですが私が殺されれば、帝国技術は全て失われます。


いつ死んでもこれで無辜の民が傷付くことは無い・・・・。


自身の命を半場諦めていたそんな時、開拓村の責任者募集の布告を見たのです。私は姿を変える魔道具のオリジナルを隠し持っていたので、その魔道具を使って開拓村の村長に立候補しました。


暗殺から守っていただき、しばらく匿ってくれたカマーンを冒険者ギルドの長にして軍部の動きを見張って貰う事にしました。彼女も快く引き受けてくれました。


開拓村はそれはもう大変で、魔物の襲撃や厳しい環境の中での開墾は命懸けでした。なかなか進まない開拓にヤキモキしたものです、そして旅人の訪れまであと数年となった時、すすまない開拓村の開発を助ける為に騎士団の派遣が決まりました。


あの時は緊張しましたね。なんせ軍部の人が直接出向いて来るのですから。また命を狙われるかもしれない。開拓村の村民が私の所為で全員殺されるかもしれないと思った物です。


ですが、カマーンの情報で軍部の責任者が不正により捕まり、処罰された事を知って安心しました。私の暗殺命令はすでに撤回されていたのです。関わった人物も代わりに責任者になった者が処罰していました。


それでもいつ軍部が又テロや戦争等と言い始めるか分かりません。帝国技術を持っている私の正体を知られることが無いよう、私は姿を変えて今もルド村の村長を続けているわけです。


「ということらのでふよ。」

「村長酔いすぎですよ。それにその話はもう何回も聞きました。」

「ったく、相変わらず酒癖悪い奴だ。そんな秘匿しなきゃいけない情報をポンポン喋るんじゃねぇよ。」

「旅人にまで広まっておるからの。まぁ旅人だけの秘密にしてくれると言っておったが。」

「村の住民で他所に話す人も居ないのが救いだな。さぁさっさと家に戻るぞ。」

「まらまらのめる~。」

「おとなしく帰って寝ろ!!」


私はこの村が好きです。皆で苦労して作り上げた村ですからね!!これからもどんどん大きくしていきますよ!!


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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