砦攻めと新たな騒動
第73話
廃棄された砦の場所はゲームシステムの補助で場所は分かる。マップにも書かれているからね。だから迷うことなく来ることが出来たんだけど・・・・。
「居るな。」
「居ますねぇ。」
「うわぁいっぱいいるよルゼダ!!」
「しっ!!見つかっちゃうでしょ!!」
シーッ! d( ゚ε゚;)
砦の周辺にはすでに沢山のゴーレムで溢れかえっておりました。
クラフトゴーレム Lv50 HP 10000/10000
レベルは英知の図書が鑑定した。詳しいステータスは変動を続けていて分からんだって。ATKが2000になったかと思ったらDEFが3000になったりとコロコロ変わってるらしい。
こんなのが一杯いる。
「もしかしてバレた?」
「通常警備じゃないですかね?」
「あっルドさん、あそこ見てください。模擬戦してます。」
「実地試験の最中だった様ですね。」
(;^ω^)
あー、あれは警備じゃなくて待機してるゴーレムなのか。
「本来なら俺がヘイトスキルで集めて一掃するのが楽なんだけど・・・。」
「クリア条件が満たせなくなりますからね。」
「そうなんだよなぁ。」
そう!!陽動役を俺がしないのはなぜか?そう思ったそこのあなた!!貴方は正しい!!普通そういうのは盾役の仕事でしょう?でも今回に限っては出来ないのよ。
なぜならば!!クリア条件がこれだからだ!!
クリア条件(いずれかの条件を満たす事。)
1:首謀者の捕獲もしくは殺害
2:要救助者を全員救助する
3:制御神器の破壊もしくは奪取
※なおいずれかの条件を満たす際に受注者が同伴する事。
これね?簡単だと思うじゃん?同伴ってクエストに参加するだけだと思うじゃん?違うんだよぉ。それじゃあ駄目なんだよぉ・・・。
「まさかゲームの中で水〇黄門やらないと行けないとは・・・・。」
「アンザ家から印籠。預かりましたものね。」
「それカッコいいですよ?」
「時代劇のワンシーンをやるのが恥ずかしいんでしょ。」
首謀者の捕獲もしくは要救助者を救助するまさにその時に、印籠を相手に見せないと行けないのだ!!イベントアイテムだから他者に譲る事も出来ないから直接俺が行かないといけないんだよ。俺の見せ場が思ってたのと違う!!
で3番は相手がよっぽどの馬鹿じゃなければ、騒ぎが起きてるのを知って持ち逃げするか、どこかに隠蔽するかになるだろうから、最初っから狙わないと無理。今回は人命救助優先だからまぁ達成できないだろうねぇ。
「さて、そろそろ他の班が騒ぎを起こしてくれる手筈だけど『ドゴーンッ!!』始まったね。」
待機していたゴーレム達が音のしたほうに向かって歩いて行く。動きはゆっくりだな。
「さてさてどのくらい強くなっているかで陽動の生存時間が変わるんだけど。」
「先ほどの模擬戦を見た所そこまで強くないみたいですね。」
「ルドさん。侵入ルート空きましたよ!!」
「早速行きましょう。」
ここでこの砦の簡単な位置関係を再確認。
2F
_________
|__(指令室)__|
__| |_
|_(守衛室)_|
______| |_____
|兵の待機所| | 宝物庫 |
| | |地下室への |
|_____|__|隠し階段_|
|階段|
1F
|階段|
____| |_____
| |
| |
| |
| |
| 広間 |
| |
| |
| |
|_____ ____|
|外へ|
B1F
|階段|
| |
____| |______
| 食堂 | | 空き部屋 |
| | | |
|____|__|______|
| |隠し通路
|外へ|
俺達は隠し通路の出口当たりに居ます。他にも通路は在るらしいんだけど、もし地図を奪われて相手の知らない通路が暴かれたらって考えて書かれていない。他の隠し通路はアンザ家が守っているのと、森の人とピエロの喝采の侵入経路になってます。
それに人質は食堂に居るからここからならすぐに助けられるからね。クリア条件を満たすために自分で志願しました。地図には広間って書かれているけど、ゴーレム達の待機場所に改造されているらしい。侵入する2チームにはこの場所を重点的に調べて何か情報が在れば奪っておいて欲しいと伝えてあります。
えっ?砦にしては小さいって?そりゃだって作られたのは大分昔だもん。資源も潤沢に在る訳じゃなかったみたいだし、こんなもんでしょ。
「ここだな。」
教えて貰った仕掛けを解いて中の様子を伺う。見張りは・・・・居るね。てっきりゴーレムが見張っていると思ったんだけど普通に人が見張ってる。もしかしてまだゴーレムってそこまで頭良くない?
「任せてください。行きます。」
「頼むよリダさん。」
「バフ掛けますね。」
ルゼダのバフが掛かったリダさんは、物陰に隠れながら拳を構える。少し呼吸を整えた後、2人居た見張りの1人が上に様子を見に行くタイミングで仕掛けた!!
「心義夢想流「遠心打」(おんしんだ)」
パゴン「ぐえっ・・」ドサッ
リダさんの拳から飛び出した光は見張りの頭に当たった。攻撃を受けた見張りは気絶したのか、頭でヒヨコがピヨピヨ鳴きながら回っている。
この技は「心通」の遠距離攻撃版らしい。飛距離はそこまでないけど数少ない遠距離技だとか。先の武術大会襲撃の後に身に付けたそうだ。本当いつの間にって感じ。そんなに狙撃されたの嫌だったの?
「さてと人質は・・・居るね。」
見張りが立っていた場所に在った扉から中の様子が伺えた。全員目立った怪我とかは無いけど、どこか疲れた様子を滲ませている。となりの空き部屋?扉から土がこぼれ出てました。多分崩壊したんだろう。
「待ってください今リストを確認します・・・・・・。2名程足りませんね。」
「本当です!!騎士団の指南役となぜか攫われた薬剤師のお婆ちゃんが居ません。」
ぬぅ、キュリアさんの依頼はまだ達成出来ずか。お婆ちゃんは魔女なんじゃないかってイルセアさんが言ってた。俺もそうだと思うよ。大鍋で薬作ってるイメージあるし。
「とりあえずはここに居る人質を救出して外に逃がそう。その後俺達も上に上がって残りの人質を捜索だ。」
「この人鍵持っていませんね。さっき上に行った人が持って行ったみたいです。」
「しまったな。今から追いかけてもどこに行ったか分からんぞ。」
「上に居るはずの2チームと合流して探しますか?」
うーん、出来るなら早く助けて脱出させたい。ここで時間を使えば増援がこっちに来るかもだし。
「あっだったら任せてください!!」
「どうにか出来るのクリン?」
「そういう時は・・・・これです!!」テッ、テテテテー♪
鞄から銀色の鍵を取り出したクリン。その効果音は必要だったのかな?ポーズまでバッチリ決めてるし・・・怒られても知らないよ?
「そんな無駄な事に力使ってないで早くその道具の説明!!」
「まぁまぁルゼダさん。落ち着いて下さい。」
「これはですね!!銀のカギです!!」
「名前そのまんまかーい!!」
そこはもっと捻ろうよ!!ピックツールとか万能鍵とか、魔法鍵とかシルバーキーとか色々あるじゃん!!名前そのまんま持って来て怒られないかお兄さん心配です!!
「これは消費型の鍵開け道具です。ロールプレイの為にいくつか持ってます!!」
「あー、あの勇者も鍵使って扉とか開けるしな。どこのカギか分からんのに。」
「そう言う事です。では行きますよ。」
ガチンッ!!ジャラジャラジャラ!!
さすが伝説の勇者が使う鍵。突然扉に現れた鎖まで消えちまったよ。あれは魔法的な何かなのかな?
「開きました!!」
「よっし。あー人質の皆さん?私はこういう者です。今からあなた達を脱出させます。静かに着いて来てください。」
「この人さらっと名場面を流しましたわね。怪我人は居ませんか?治療いたしますよ?」
「そんなに恥ずかしかったんですか?ビシッと決めれば良かったのに。動ける人から着いて来てくださ~い。」
「僕、恐れ多くもこの方はって言ってみたかったです・・・・・。あっこっちですよー。」
恥ずかしいに決まってるでしょうが!!印籠掲げて人質相手に控えおろう何て出来るか!!
そんな事は置いといて、人質は後2人・・・・。上に居るのかな?戦闘も無かったし、これだけで終わりなはず無いよね?
「あっあの!!あの人達を助けてください!!」
避難中の一人の女性が俺に向かって声を掛けてきた。あの人達って事は居ない2人の事だな。俺は懐から2人の人相書きを取り出す。
「あの人達とはこの人達の事か?」
「そうです!!」
「何処に居るか分かるか?」
「恐らく最上階に居ます。お2人がこの中で一番腕が立つので。あいつ、最終試験に使うとか言ってました!!」
「ちょっとまずいか。知らせてくれて助かった。必ず助けるよ。」
もしその最終試験っていうのが命に関わる事だとしたら、クリア条件が1つ潰れちゃう。それにクエストも1つ失敗扱いになっちゃうからね。
ドーンッ!!ドガーンッ!!チュドーンッ!!
上の戦闘も激しくなって来たみたいだなぁ。皆無事だと良いけど・・・。
「全員外に出ました!!」
「待機していた『悠久の空』の人達に預けたので問題ありません。」
「周囲に敵反応は無かったです。」
「それじゃあ奥に進みますか。」
さてさて、この地下を抜けるとすぐに最上階の宝物庫だ。地下に居た人達みたいにすぐに助け出すことが出来ると楽なんだけどなぁ。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited
※地図頑張ってスマホでもちゃんと見える様に変えました!!
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