第72話
さて、プレイヤー達に今回のレイドクエストの説明と参加の受付をしに広場に向かいました。その結果がこれ。
「なんで盾職なんかに従わなきゃいけないんだ!!」
「参加して欲しかったら受注者の報酬も分けるんだよな?」
「そのゴーレムの技術は貰えるんですよね?中枢の破壊?そんなもったいない!!」
まぁ好き勝手騒いでますわ。細かい事話してないよ?砦の場所とかね。参加してくれる人だけに伝えるって言ったらこれにも非難轟々。独占するのかとか情報源は何処だとかまぁほんと、良くそんな好き勝手言えるね君達?参加するかどうかを決める権利はこっちにあるんだよ?
「不満が在る奴は帰れ!!協力して貰わなくても構わん!!独占だなんだ言ってる奴は自分の受けたクエストの情報全部出してるんだよな?出してる奴だけ文句言え!!あと盾職馬鹿にした奴は絶対守ってやらん!!報酬は参加すれば出るんだから文句言うな!!俺が受けたクエストだぞ、従えない者はいらん!!以上!!」
あんまりにも好き勝手言うもんだからブチ切れてそのまま説明を終わっちゃった。これにはPTメンバーも苦笑。
「ルドさん、騒いでいるのは一部の人だけですから気にしないで下さい。」
「そうです。それにほら、SNSもルドさんの味方が多いですよ。」
「動画の反応も上々です。それ所か好き勝手言う連中にはっきりした態度を取った事で好感度が上がっています。」
( ´∀`)bグッ!
はぁ、それが聞けただけでも救いだよ。
「とりあえず参加者は俺達の所に来て貰って目の前で参加申請してもらう。それ以外は全部弾くって事でいいか。」
「動画を見て参加したいって人はどうします?」
「あー何かいい方法無いかな?」
「騒いでいた連中のネームとIDは控えていますから。同じIDの人が居なければ受けても良いと思いますよ?」
「まぁ変なのが参加して来ても途中で退場させられるから良いか。」
クエスト受注者特権って奴で参加者は選べるし、クエスト途中でのキックも出来る仕様になってる。これは本当にありがたい。
「しかし参加上限が在るのにどうしてあんなに強気になれるんでしょうね?」
「馬鹿だからじゃないか?ゲームだからって好き勝手してる奴ら何だろう。」
「この世界をみて唯のゲームと思うなんて思考力が足りなくないですか?」
「僕もそう思う。」
┐(´∀`)┌ヤレヤレ
このクエストには参加上限が決まっていて俺達を除いて20組しか参加できない。最大人数でPTを組んでいれば120人になる。ゴーレムの数が1000って言ってたし、人数的にはこちらが圧倒的に不利だけれど、侵入作戦なので大軍を率いてバレるわけには行かない。どうにかするしか無いなぁ。
「さっきの連中のネームとIDを晒しました。晒した人達の在籍しているPTは参加させない旨も書き込みました。」
「人数が少ない所は誰かを誘って参加してもらえるように伝えてあります。」
「クエストを開始してからの動画はどうします?」
「あぁそれは録画しといて。投稿するかどうかは別として見落としとか振り返りに使いたい。」
「了解です。参加者全員にお願いしておきます。」
さてと、これで満員まで集まるのかね。さっきの騒動見てるとだいぶ怪しいけど。
「まぁその時は助っ人呼ぶか。」
「助っ人ですか?」
「心当たりあるんですか?」
「まぁね?みんな知ってる人だよ。」
さてと色々と準備して早めにログアウトしておきますか。受けてくれるかなぁ?
作戦当日。
「これで参加者は全員か?」
「そうですね。全員です。」
「少なくないですか?」
「10組程ですね・・・・。」
説明の時に騒いでいた連中がある事ない事SNSに書き込んだ所為で参加者が減ってしまった。それでも参加したいという人達が10組、直接演説を聞きに来てくれた人がほとんどだ。
「よろしく頼む。『銀翼の風』のシルバーだ。」
「お久しぶりですルドさん。『深淵の森』のイルセアです。」
「『拳戦の宴』バルドだ。」
「こちらもお久しぶりです。『英知の図書』メガネです。」
「『悠久の空』タンケだよろしく!!」
「あっあの・・・。『友魔の友』モッフルです・・・・。よろしくです・・・・。」
「『ピエロの喝采』マルデでま~す。」
「『炎狼の牙』リンダだ。」
「『女王様の庭園』クインですわ。その節はお世話になりました。」
「『森の人』ウケンだ。よろしくな。」
はい、この人たちが今回参加してくれるPTです。えっ?なんで二つ名みたいな名前が在るのかって?全員ギルド所属だからだよ。
ギルドネームって「~の~」って付けるってのが決まりになってて、自己紹介するときは自分のギルドの宣伝も兼ねて一緒に言う事にしてるんだってよ。
「おいおい、集まったのこれだけかよ。まぁ俺達だけで十分だと思うがな。」
「拳戦の、過信は禁物だ。聞けば隣国の秘密兵器相手だというじゃないか。人質救出も必要なのだから戦力は十分揃えなければ。」
「銀翼はいつもお堅いでまーす。」
「あぅっ・・・20組前提のクエストならこの人数は危ないと思いますです・・・。」
「ふん、そんな物全て燃やし尽くせばいいだろう。」
あー、勝手に盛り上がらないでくれます?あっそれぞれの得意分野を教えてくださいな。ふむふむなるほど?
「それでルドさん、私達は一体どうしたら良いんですか?」
「そうですね。戦闘が得意な拳戦さんや銀翼さん、それと炎狼さんには陽動を。深淵さんにはその3チームの補助をお願いします。残りのチームですが。友魔さん所は各地の戦況情報を友魔を使って集約、英知の図書さんはその情報を使って全体の指示を行ってください。ピエロさんの所とうち、森の人で中に侵入します。逃走経路の方はアンザ家の人達が封鎖してくる手筈になっています。」
「あら?ではうち(『女王様の庭園』)はどうしますの?」
「俺の所(悠久の空)もどうするんだ?」
「現地は森の中にある砦です。クインさんの能力を生かす為に平原にて脱出させた人達の保護と護衛をお願いします。悠久の空さんは砦から避難場所まで人質の護衛をお願いします。」
「心得ましたわ。」
「わかった。」
「でもルドさん、人数が規定に達していませんよ?この差はどうするんですか?心当たりがあるようなこと言ってましたけど。」
「あぁ多分そろそろ・・・来たね。」
俺達の所に簡易な鎧を着こんだ人達が集まって来た。彼らは住民で剣は良いモノを持っている。
「待たせたようだ。非番の者全員に声を掛けたが足りるだろうか?」
「十分ですよ。むしろこちらの参加者が少なくて申し訳ありません。キュリアさん。」
そう俺が声を掛けたのは人探しのクエストを受注したキュリアさん。まぁ人に頼むだけじゃなくて依頼者も働けと言う意味で声を掛けた。どうやら騎士団の動きは監視されているみたいなので、非番で休んでいる人達を集めて貰ったんだ。
それなら動き始めを悟られる事も無いしね。えっ?非番の騎士達も監視されてるんじゃないかって?監視者の数が足りないのに1人1人監視は付けれないよ。アンザ家の人も動いて確認済み。それでもバレる可能性があるから、出来るだけ地味な恰好をして集合してくれって伝えてた。
「多すぎたか?」
「森に採取に来た冒険者を装いますから大丈夫ですよ。」
60人も連れて来てくれたのは僥倖だ。でもこの人数は狙ってるよね?システムが足りない人数をばっちり用意したよね?まぁ何はともあれ助かった。
「では騎士団の皆さんには半分は陽動に、半分は捕虜の護衛に回って貰います。こちらで回復をしますのでそれほど重篤な人は居ないと思いますが、もしもがありますので負傷者にはこのポーションを使ってください。参加者の皆さんにも配りますね。」
騎士団に声を掛けるついでに商業ギルドでポーションを買えるだけ買い込んでおいた。ポーションは回復薬より回復効果の高い魔法薬の事で、一個でなんと1000もHPが回復する。英語表記の時どうすんだ運営と思っている品でもある。1人20個程配ったおかげで又財布はすっからかんだよ。トホホ
「おっ、ポーションとは気が利くな。」
「何処で入手されたんですか?出荷数は少ないはずですが?」
「商業ギルドで売って貰いました。コネで手に入れたので皆さんにはちょっと難しいかもですね。」
「ぜひそのコネを教えて欲しいでま~す。」
「開拓村に入れるならいいですよ?」
「「「「「・・・・・・・。」」」」」
あっほとんどの人は村を見捨てたのね。それだと教えられないなぁ。残念!!
「さてと、これでこちらの準備は整いました。砦内の地図も全てのチームに送りましたし。連絡は騎士団から借り受けたこの通信の魔道具で行います。ご協力感謝します。」
「構わない。元々私達が頼んだ事だからな。しかし君が丁寧に話していると違和感があるぞ?」
「一応リーダーですので気を使ってたんですが・・・。ごほんっ!!それじゃあ戻させて貰う。目的は捕虜の救助と隣国の兵器の破壊と鹵獲。恐らく相手も一筋縄ではいかないだろう。気を引き締めてこのクエスト、クリアするぞ!!」
「「「「「「「「「「「おう!!」」」」」」」」」」」
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited
今日は62話から上げていますのでそちらからどうぞー(*'ω'*)
はてさて、準備の章でしたがいかがだったでしょうか?ちゃんと書けてますかね?
皆様の♡と☆、閲覧とコメントのおかげで週間総合ランキング100位以内に入れました!!週間SFランキングの2位!!
PVも5万を超え、星は100、♡も1000を越えました!!ブックマークも500が見えています!!応援本当にありがとうございます!!
これから苦手な戦闘描写を書いて行きますので普段より時間が掛かると思います。のほほんとした物を書く方がどうやら得意みたいなんです(;・∀・)
でもしっかりと書き上げて投稿しますのでそれまでお待ちください!!これからも応援よろしくお願いします!!
2022/4/18 抜けていたギルドの名前が在ったのと今後を見越してちょっと修正。いやぁ急いで書いたのがバレちゃうなぁ。
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