VRMMO ランダムを選んだら攻撃力が無かったんだが！？

第71話

執事だと思っていたハンスさんが実はこの家の当主でした。

いやいやいや！！なんで御主人が執事の真似事してるんだよ！！

「いやぁ今回のいたずらも大成功して私はうれしいよ。」

「もうあなたったら困った人ね。」

「お父様の変装術は凄いです！！」

変装術ってレベルじゃないから！！変装って大体増やす事が出来ても減らす事は出来ないから！！最初に比べてめっちゃガタイ良くなってますやん！！あっこれも魔法か？

「はっはっは、驚いてくれたかね？仕事柄このような技術が必要でね。いや失礼、驚かせて悪かった。」

「いや、まぁ、はぁ、気にしていませんが本当に凄いですね・・・。」

「別人みたいですよ。」

「そこまで褒めて貰えると嬉しいね。さてでは先の話の件だが。」

おっ？若干威圧して来てる？でもまぁこれくらいなら親父やシチートさんの威圧に比べたら可愛いもんだ。他の皆も平気で受け流してる。

「ふむ、君たちになら伝えても良いだろう。率直に言えば情報は在る。」

「本当ですか？」

「あぁ、我々は元々情報を集める仕事をしている一族でね。その為に変装術の様な技術が必要なのだよ。」

あー、影の一族とか呼ばれる奴ね。諜報や暗殺なんかを生業としている人達って事だ。

「それで、その情報とは？」

「君たちは今我が国がニノヒ帝国と戦争状態に入っている事は知っているかな？」

「はい知っています。」

「ではかの国が戦争を起こした理由は？」

「・・・・・知りません。」

そこが分からなくて困ってるんだよなぁ。

「では説明しよう。ニノヒ帝国と我がロロキー王国はかつてソノーハ魔道国、当時はソノーハ王国と呼ばれていたがその一部でね。ソノーハ王国の政変の際に独立した国家という歴史がある。」

ほえー、そんな事が在ったのかぁ・・・・。ん？これメインクエスト的なものじゃね？

「その際に我が国は人を鍛える術を、ニノヒ帝国は魔道具を作る術を、ソノーハ魔道国は魔法を扱う術をそれぞれ管理する事になった。しかし、ニノヒ帝国はその術を全て共有するべきだと主張したんだ。」

「どうして最初からそうしなかったんです？」

「いずれかの国が暴走した時の抑止力と考えていたそうだよ。1国が争いを起こせば、もう2国がそれを止める。そういう盟約だったそうだ。」

ほむ、なら今回の戦争もロロキー王国とソノーハ魔道国でニノヒ帝国を叩くのかな？

「だがニノヒ帝国は一方的に盟約を破棄し、アメロ法国と手を結んだ。」

「そのアメロ法国とは？」

「ニノヒ帝国のさらに向こうに位置する大国だ。帝国は法国からの援助を受け、王国と魔道国を一つの国に戻すと宣言した。」

「それが今回の戦争の原因だと？」

「いや、それは建前だ。かの国が狙っているのは世界征服だよ。」

ばっかでぇ～。一国で世界が征服できるもんかい。それに魔物が居るこの世界ではその難易度もさらに上がるんだよ？出来るわけないじゃん。ほら、皆も呆れてる。

「不可能だと。そう思ったね？」

「えぇまぁ、無理でしょうね。」

「かの国はそれを可能とする技術を生み出そうとしているのだよ。」

それで兵器開発に力を入れているのか。

「それはどんな技術ですか？」

「君達旅人は死んでも生き返る。これは間違いないね？」

「えぇ、神器の力によって死んでも復活します。色々制約はありますが。」

所持金半分失うとか、持ち物をランダムで落としちゃうとか。

「そう、ニノヒ帝国はそこに目を付けた。死んでも生き返る。それはもう不死と言ってもいい代物だ。神からの啓示で旅人が来ることを知ったかの国は、そのメカニズムを解明しようとした。そしてその機能を疑似的に使える魔道具を生み出した。」

「えっとそれは人が生き返るって言う事ですか？」

「いや、人が生き返るのではない。死んでも替えの利く兵士を作り出したのだよ。石の人型、ゴーレムと呼ばれる物だ。」

「「「「あれかぁ～。」」」」

あの副長と呼ばれた赤落ちが使ってたやつだな。

「君達は相対した事が在ったんだったね。」

「えぇ、俺と彼女が戦いました。でも人が乗り込むやつでしたよ？」

「あぁ、あれは試作品だ。完成品は指揮官の命令を自己判断して動く。」

「もしかしてその制御に神器が必要なのですか？」

「そうだ。神器1つで100のゴーレムを従えられる。かの国には神器が10存在している。つまり1000体のゴーレムが制御可能だ。」

で、世界征服しようってんだからそれだけじゃ足りなくて他所から神器を奪おうとしていると。

「使う神器によってゴーレムの性能が変わるらしい。だからこそ彼の国は戦闘に使える神器を集めている。」

「ではその事と人攫いにはどのような関係が？」

「ゴーレムには学び取る機能が付いているらしい。つまりゴーレムに戦闘技術を教える為に攫われているのだ。」

あれ？それってまずくない？このまま放置してたらゴーレムは戦い方をどんどん学習してめちゃくちゃ強くなるのでは？

「居場所はわからないんですか？」

「居場所は判明している。だが戦力が足りない。街を守っている騎士達を動かせば相手にすぐばれてしまう。そこで、君達に襲撃作戦に参加して欲しいのだがどうだろうか？」

ピコンッ♪　特殊クエスト　ゴーレムの学習を阻止しろ！！　が発生しました。これはレイドクエストになります。クエストを受注した場合ワールドアナウンスにてお知らせが入ります。このクエストのリーダーは受注者となり、報酬も多く受け取れます。受注しますか？　YES/NO　

うぉっ！！こんな表記初めて見たよ。ハンスさんに聞いた話が全てじゃないだろうけど。でもこれ止めないとニノヒ帝国との戦争で窮地に立たされかねない。それに多分師範代達はゴーレムの学習が終ったら始末されちゃうだろうなぁ。

「受けようと思うんだけど、皆はどう思う？」

「私は受けて良いと思います。」

「僕も。これは受けないと駄目だと思います。」

「私も受けて良いと思います。」

(　´∀｀)bｸﾞｯ!

皆も気持ちは一緒か。それじゃあYESをポチっとな！！

ピンポンパンポーン⤴　プレイヤーが特殊クエストを受注しました。このクエストは戦争イベントに関係するレイドクエストです。勝敗によってこの先の国の運命が変わります。このクエストのリーダーは受注者であるルド様になります。クエスト詳細と参加申請はルド様にお願い致します。またメニューにて特殊クエストの項目が増えました。合わせてご確認をお願いします。ピンポンパンポーン⤵

説明も俺がするのかよ！！今までみたいにどっかに記載しておいてくれよ！！

「受けてくれて感謝する。救出は早い方が良いだろう。」

「分かりました。他の旅人にも声を掛けますので、明日作戦に移りたいと思います。」

「あぁ頼む、これが奴らのアジトと予想される逃走経路だ。ゴーレムの保管庫はここ、ゴーレムの中枢と思われる物はここにある。」

渡された地図には放棄された砦が書かれていた。保管庫は食堂だった場所、中枢は砦の一番奥、指令室に置かれているらしい。

「ではよろしく頼むよ。」

「はい、すぐに動きます。では失礼します。」

さてさてどうやってプレイヤーを集めよう？

「ルドさん、先程の話を概要だけSNSに上げておきました。作戦決行は明日の明朝で良いですか？」

「あぁ、それでいいよ。」

「うわっ詳細問い合わせとルドさんは何処だってコメントで溢れてます！！どこで説明します？」

「この街の御神木の所が広かったしそこで話をしよう。」

「じゃあ僕が書き込んでおきますね。」

「書き込みを見ていない人も居ると思います。何度も説明するのも大変ですし動画を撮ってUPしませんか？」

「やり方良く分かんないんだよなぁ・・・・。」

「任せてください！私がバッチリ撮影します！！投稿もしますよ！！」

「それじゃあよろしく。」

移動しながら各人が何をするかをどんどん決めていく。この作戦、うまく行ったら戦争回避の一手になりそうな気がするし頑張りますか！！

毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ！！絶対！！

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