第67話
「お待たせして申し訳ない。」
そんな言葉と共に入室してきたのはさっきの偉そうな騎士より豪華な鎧を着た女性。佇まいも凛としていて出来る女!!って感じ。髪は金色で瞳は蒼と緑のオッドアイだ。
「私はこのタカッハの街の守備隊長をしているキュリアと言う。この度のこちらの不手際、本当に申し訳ない事をした。謝罪する。」
頭を下げるキュリアさん。言葉はきついけどその謝意は十分に伝わってくる。
「貴様も頭を下げんか馬鹿者!!」ドゴンッ!!
「へぶぅ。ずびばぜんでじた。」
あっさっき偉そうにしてた人がキュリアさんに殴られて地面に埋まった。結構過激な人なんですね?ここ石の床ですよ?その人大丈夫?
(;・∀・)
「あなた方が持ち込んでくれた情報はすぐに各員に伝えた。領主様にも通達が行っているはずだ。最近この街でも開拓村が離反するという噂が流れていて真意を探っていたのだ。まさか隣国の工作であったとは・・・。本当に感謝する。」
こっちでも似たような事をしてたのか。これは放って置いたら本当に危なかったパターンじゃな。
「いえいえ、丁度情報を手に入れられて良かったです。捕虜の方は?」
「今は事実確認と他に工作をしていなかったかを取り調べている。ところでくすぐりは嫌だと懸命に叫んでいる女性がいたが何かしたのか?やけに具体的に話しているのだが・・・。細かい毛が付いたブラシで全身くすぐられたら全部喋ってしまうとな。」
「いえ?知りませんよ?」
やっべ、あの人新たな扉開けちゃったか。自分からくすぐられたくて懇願してるよねそれ。バレてると思うけど黙っとこ。
(∀`*ゞ)テヘッ
「そうか、ではもう一度事情を聴いてもいいだろうか?それぞれ個別に聞きたいので個室に案内させる。もし証言に齟齬が無ければ街に入って貰っても問題ない。」
「まだ疑ってるんですか?」
「すまないな。これが仕事なんだ。それでは順番に兵士に着いて行ってくれ。」
最初にエンヤさんが連れてかれて、次にリダさん、ルゼダとクリンが連れていかれて最後に俺だけが残った。
「さて、君には直接私が話を聞く。いいかね?」
「えぇ構いませんよ?」
σ(゚∀゚)
「あぁ友魔だったな。一緒に居てくれて構わない。」
( ´ ▽ ` )ノ
「それでは質問する。がその前にこれを使わせて貰う。」
「そのベルみたいなのは?」
「これは嘘をついたら鳴る魔道具だ。取り調べに最適だろう?」
ほーん?まぁ嘘何て言わないから鳴るはずないけどな!!
(((uдu*)ゥンゥン
「ではまず、君はニノヒ帝国の者か?」
「違います。」
シーン
「君はあの間者達と知り合いか?」
「違います。」
シーン
こんな感じで取り調べ?聴き取り?は続いて行った。
「では君たちは襲われたから撃退したんだな?」
「そうですね。」
シーン
うん、今までベルが鳴った事は無い。だって全部正直に話してるもの。
「では最後の質問だ。君は捕虜に拷問をしたか?」
「してません。」
チーン♪
「ほう?拷問したのか?」
「いえ?拷問はしていませんよ?」
チーン♪
いやくすぐっただけで拷問じゃないでしょう?えっ?クリン君に拷問って言った?あぁ言いましたね。でも唯のくすぐりですよ?
「あの女性の態度に心当たりがあるね?」
「何の事でしょう?」
チーン♪
「ふむ、やはりあるのか。」
ちょっと待ってぇぇぇぇ!!そこまで聞くの!?聞いちゃうの!?このままだと俺が変態扱いを受けちゃう!!
「いやぁ、情報を吐かせようとちょっとシアにくすぐって貰いましてね?やった事はそれだけですよ?」
「それは本当か?邪な気持ちは無かったのか?」
「・・・・・・。」
「沈黙は肯定と捉えるぞ?」
どう答えたって俺変態決定!!いやでもシアが選んだだけなんですって!本当なんです!!
「たとえ捕虜と言えど、その尊厳を犯してはいけない。これは分かるな?」
「・・・はい。」
「先ほどの質問だが本当に邪な気持ちは無かったのか?」
「ちょっとだけエロいと思いました・・・・。」
シーン
「正直でよろしい。」
畜生!!あの魔道具嫌いだ!!
「今回は君が首謀したわけじゃない事、情報を吐かせるために拷問の代わりに行った事で人道的な配慮がされていたと判断する。よって不問だ。だが次からは気を付ける様に。」
「はいすみませんでした。」
(m´・ω・`)m ゴメン…
「最後に私の事はどう思っている?」
「ドSの女騎士、だけど負けたらクッコロして快楽に溺れそう。」
シーン
「ほう?ちょっと訓練場まで来て貰えるか?」
はっ!!しまった!!もう尋問が終ると思ってついつい本音が!!
「冗談です冗談!!そんな事思ってません!!」
チーン♪
終わた_| ̄|○
場所は変わって守備隊訓練場
「それで、なんでルドさんが守備隊長さんと戦う事になってるんですか?」
「いや、それはちょっとした失敗と言うか口から出た災いと言うか・・・。」
ほんと、何回でも言うけどあの魔道具嫌いだ!!あの後問答無用で連れて来られたし・・・。
「どうせ失礼な事でも言ったんでしょう?謝って許して貰えば良いじゃありませんか。」
「謝ったんだけどどうしても戦うって聞かないの・・・・誰か助けて・・・。」
向こう側でこっちを睨んでいる守備隊長さんの顔超怖いんだよ!!今すぐ逃げ出したい!!
「僕じゃ無理です!!勝てる気がしません!!」
「同じく。」
「私は一度戦ってみたいですけど。これはルドさんが悪いのでしっかり罰を受けてください。」
「・・・・はい。」
「坊ちゃん気を確かに。」
。・゚・(ノД`)ヾ(゚Д゚ )ナデナデ
畜生!!身から出た錆とはこの事だよ!!
「ではこれより守備隊長キュリア様と破廉恥変態男ルドの試合を開始する。」
「その紹介に悪意しか感じませんねぇ!!破廉恥でも変態でも無いわ!!」
「婦女子の痴態を見て興奮する男等破廉恥変態男で十分だ。」
誰だって興奮すると思いますぅ!!現代社会の闇なんですぅ!!俺だけじゃないはずですぅ!!
「ルドさん・・・。」
「この人に付いて行って大丈夫かしら?」
「僕は分かりますよ!!だから気を落とさないで!!」
「坊ちゃんは普通ですよ普通!!」
ヽ(д`ヽ)。。オロオロ。。(ノ´д)ノ ( TДT)ゴメンヨー
女性陣からは冷たい視線を、男性陣からは暖かい視線を送られる。シアの所為じゃないから気にするな。
「でははじめ!!」
「行くぞ!!」
うおっ!!はえぇ!!盾が間に合わない!!
「『スラッシュ』!!」
「ふんぬっ!!」
いつの間にか背中側に回ったキュリアさんがスキルを使いながら俺に切りつけてくる。盾が間に合わなかった俺は背中の筋肉に力を入れて受けようとした。
ガンッ!!
「なんとっ!!」
「ぐぬっ!!」
いってぇぇぇぇ!!ちょっとダメージ入った!!まぁすぐ回復するけどな!!
「まだまだ行くぞ!!『ダブルスラッシュ』!!」
「何のっ!!」
ガガンッ!!
今度は盾が間に合った!!剣を弾かれたキュリアさんはその勢いを利用して距離を取る。
「ふむ、思ったより硬いな。」
「そりゃどうも、これでも盾職なんでね。簡単に抜かれてたまるか!!」
「変態のくせに気骨はあるんだな。」
「俺は変態じゃねぇ!!男なら誰だって反応するぞ!!あんたの所の騎士だってそうだぞ!!女隊長の跳ねる肉体に欲情しているに決まってる!!」
「そうなのか?」
ブンブンと首を振る騎士達。でもお前等視線でキュリアさんの胸追ってるの見えてるからな!!
「貴様等これが終ったら訓練追加だ。そんな情欲感じなくなるほど鍛えてやる。」
なんて事言ってくれたんだお前!!
お前の所為で訓練大変になったじゃないか!!
こっそり見て楽しんでたのに!!
俺達の楽しみを返せ!!
おうおう、男の騎士達が何か喚いておるわ。でも気が付け諸君。女性騎士からの視線がお前らを殺せるほど冷たくなっているぞ。
「クリンもそうなの?」
「えっ?あっいや僕はちょっとはそう思うかなぁって・・・。」
「なんだ、クリンなら見せてあげても良いのに。」
「えっ?それって・・・。」
「冗談よ冗談。本気にしないでね?」
こらそこっ!!唐突にラブコメ始めるんじゃない!!独り身には毒なんだよ!!
「ルドさーん!!攻撃をちゃんと受けれていますからその調子で頑張って!!」
「おう!!応援ありがとな!!」
┐(´∀`)┌ヤレヤレ
この時シアは「お前等も大概ラブコメみたいなことしてるぞ。」と思った。でも伝える手段がないので黙っておいた。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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